NEW FACE GIRL 井上咲楽

NEW FACE GIRL 井上咲楽

PHOTO=古賀良郎 INTERVIEW=斉藤貴志

ホリプロTSCで1人漫才を披露
ソフトバンク賞の個性派美少女

――ホリプロタレントスカウトキャラバンでは終始「グランプリを獲ります」と言っていたじゃないですか。ソフトバンク賞で名前を呼ばれたときは、どんな気持ちでした? 賞が獲れてうれしかったのか、グランプリでなくて悔しかったのか。
「そのときはグランプリは自分だと思っていたので、『やったー! W受賞だ!』とうれしかったです。そしたらグランプリでは呼ばれなくて、けっこうヘコみました」。

――その自信の根拠は何だったんでしょう?
「私は地方予選から面白い系でやっていたんですよ! いざ(ファイナリスの)みんなが合宿で集まったら、ヴィジュアルのいい人やオーラのある人たちが揃っていて。私はみんなと違っているから、絶対行けると思いました。『よし。グランプリは私だ!』と」。

――咲楽さんのヴィジュアルも相当なものですが、他の人に敵わないとは全然思わなかったんですか?
「私はヴィジュアルやオーラは持ってないから、そこはしゃーないと思っていて。でも、お笑い系で行ったら、絶対勝てると思っていました」。

――決選大会のステージを観ていてもハートの強さを感じましたが、やっぱり強気な性格?
「そうですね。ケンカも売ってもらったら買っちゃう、みたいな。小学校の頃は、近所の幼なじみと石を投げ合って、お互いケガしたり(笑)」。


――危ないな~(笑)。
「教室で男の子と取っ組み合いもやりましたね。悪口を言われてヘコんだら、相手が絶対喜ぶから、『何だよ!』みたいな感じで睨み返していました」。

――ステージでも緊張はしませんでした?
「まったくしませんでした。ウォーキングでランウェイでポーズを間違えたときは、ちょっとドキッとしましたけど、そのくらいです。友だちが生徒会に立候補して応援演説をやったときの方が緊張しました。緊張しなくていいところで緊張して、緊張するところで緊張しません」。

――大舞台に強いのはいいですね。負けず嫌いでもあったり?
「すごく負けず嫌いです。事務所とか全然入ってなかったんですけど、小さい頃からテレビを観ていて、同世代の子が出ていると『悔しーい!』という。ちっちゃい子のお料理番組とかで」。

――ああ、まいんちゃん(福原遥)ですか?
「そうです。自分は何もやってないのに、『うらやましいなぁ』というのがありました」。

――それで、自分も芸能界を目指すように?
「はい。中学に入ったときはお笑い芸人になりたくて、ノートにネタを書き出したりしていました。文化祭ではロンブーの(田村)淳さんのもずくんダンスをやったり。あと、たらこのCMがあったじゃないですか。♪た~らこ~、た~らこ~っていう。ああいう赤いのがうちにあったので、かぶって顔だけ出して♪た~らこ~って出て行ったり。『映画泥棒』の(カメラの)かぶりものを段ボールで作って、MCをやったりもしました」。

――「映画泥棒」は決選大会でも見せてくれましたね。前から人を笑わせるのは好きだったと。
「中学のときは『とにかく人前に出なきゃ!』と思っていました。体育祭で応援副団長をやったり、学級委員も3年連続でやりました。『やりたーい!』って。高校ではそういうことをあまりやらなくなったんですけど、この前の体育祭で腕相撲大会があって、全校生徒が集まって応援するんですね。私は腕相撲はめっちゃ弱いんですけど、立候補して出ました。弱いけど目立ちたくて(笑)。そしたら、あっけなく負けちゃいました」。

――部活は何かやっていたんですか?
「中学ではメインがバレーボールで、期間限定でいろんな部活から引っ張り出される陸上と駅伝もやっていました」。


――ということは、運動神経もいいと。
「走ることだけです。それも短距離はダメ。長距離は好きで、休みの日はけっこう走っています。バレーボールも小学校のときにやっていた空手もなかなかうまくならなくて、ベンチばっかりでした」。

――友だちは多いんでしょうね。
「いや、全体的に仲良くはできるんですけど、ずっと一緒にいてペラペラしゃべっていられる友だちは2人くらいです。あのー、人見知りなんです。根暗で」。

――これだけマシンガントークをされて、とてもそうは思えません(笑)。
「本当なんです。めっちゃしゃべるコミュ障なんです!」。

――何ですか、それは(笑)?
「しゃべるけどコミュニケーションは取れない、みたいな。一方的にしゃべって『おお』と言ってもらっているだけで、たぶん『ずっとしゃべってきて、こっちの話は聞いてもらえない。つまらない』と思われているんです。それでもつき合ってくれる友だちが2人です」。

    

家が山のてっぺんにあるから毎日登山をしている感じです

    

――決選大会で披露したボケとツッコミを両方やる1人漫才は、地方予選からやっていたんですか?
「あれは予選ではやってません。予選では、ものまねしながらの食レポと『映画泥棒』をやりました。芦田愛菜ちゃんとクレヨンしんちゃんがスルメイカの食レポをするという」。

――(笑)。そのチョイスはどこから出たんでしょう?
「最初は中学の先生の意見で、『4万人ぐらい応募して受かる確率は低いから、インパクト勝負で行ってこい!』みたいなことになって。『ハンバーガーを大食いしよう』という話が出たんですけど、(制限時間の)30秒でハンバーガーを大食いしてものまねもしたら、飲み込めなくてノドに詰まると思って(笑)。先輩が『スルメイカがいいんじゃない?』と言ってくれました」。

――1人漫才は決選大会用に考えたわけですか。
「もともと『映画泥棒』で行こうと思っていたら、ホリプロのスタッフさんに『それも組み入れて1人漫才をしたらいいんじゃない?』とアドバイスをいただきました」。

――ネタや台本も自分で考えて?
「はい。紙を渡されて『20分で全部書いて』と言われて、『絶対ムリ!』と思いながら、『これも審査として見られているに違いない』って、バーッと書きました」。


――練習もかなりしたんでしょうね。
「やりました。近所の幼なじみの子に見てもらって、キャラも作って。お風呂に入っているときに練習したり。やっぱり家族に見られるのは恥ずかしかったので、夜に寝静まった頃にコソコソやったりもしました。あと一度、通学の自転車に乗りながら『どーも』とか練習してたんですよ。そしたら後ろに同級生がいて『何やってるんだよ?』と言われました(笑)」。

――通学といえば、家は山の頂上にあるそうで。
「駅まで自転車で行ってます。お父さんが山を切り拓いた家で、毎日登山な感じ。初めて遊びに来る友だちには『ホント疲れる。迎えに来て~!』と言われます。9年ぐらい住んでいると、足腰が鍛えられました」。

――どれぐらい登る距離なんですか?
「山の下から家まで、自転車で3分。私の自転車は電動じゃなくてギアもなくて、立ちこぎでガーッと登ります。それで鍛えられたんですけど、脚がムキムキになっちゃって」。

――「こんなところにある家はイヤだ!」とか思ったことはありません?
「ありますね。登山が毎日大変だし、『山登りがなければ、どれだけ学校から早く帰って来られるんだろう?』と思ったり。あと、お父さんが怖い話をしてくるんですよ。『白い帽子をかぶった女の子が見えた』みたいな話をされたら、次の日も山のなかでずっと考えちゃって、途中でお墓も通ってくるので。本当に怖くなります」。

――その辺は意外とビビリなんですね(笑)。友だちと遊ぶときはどんなことを?
「隣町まで行って、公園でブランコに乗るのが好きです。あとは、焼肉の食べ放題に行ったりしますね」。

――食べすぎには気をつけつつ?
「私、めっちゃ食べたいんですよ! 一時期は食事制限もしましたけど、やっぱり私は食べたいので! だから、走ってダイエットすることにしました。食事は夜だけ控えめにして、あとは食べようと。お弁当箱もアルミの二段なんです。いつでも食べられるように机の横に掛けておいて、お箸を机のなかに入れておいて、お腹がすいたら食べます」。


――「いつでも」って、学校で大丈夫なんですか?
「高校は早弁とか全然大丈夫ですよ。授業中はたまに」。

――それは大丈夫じゃないでしょう(笑)。
「席が一番後ろだったんです。先生が黒板に向いているときに、バッグのなかからお箸でパッとつまんでペロッと。だって、お腹がすくんですよ! カリッとしたものを食べるときは、学校で寝るために毛布を持っていってるので、その毛布で隠れてカリッとやります」。

――というか、学校で寝るために毛布まで?
「教室が寒いので。毛布を引きずって授業を受けています」。


――(笑)。いろいろ面白話を聞きましたが、目指すのは女優なんですよね?
「そうです。でも、今はバラエティに出ることが目標です。バラエティで活躍してから、女優になれたらいいなと思います。もともとバラエティは考えてなかったんですけど、スカウトキャラバンのときにそっちで推してもらったので」。

――将来的には目指す女優像もありますか?
「自然な感じがいいです。きのうも石原さとみさんの出た『風に立つライオン』を観ましたけど、『失恋ショコラティエ』でも今やっている月9の『5→9』でも、すごく自然じゃないですか。プライベートをそのまま映しているみたいに。『私もそういう風にできるかな?』と思ったりします」。

――そうした夢のために今、日常的に努力していることも?
「体型が体型なので、お風呂に長く1時間ぐらい浸かったり。バラエティを観るようにも言われているので、お風呂で『しゃべくり007』も観ています。バラエティは全部録画して後で観たり、勧められた映画も観ます。あと、Mr.ビーンさんの動画も」。

――Mr.ビーンネタも1人漫才に盛り込まれていましたね。
「そもそも全然知らなかったんです。スカウトキャラバンでスタッフさんに『似てる』と言われて、調べたら、すごく面白い人でした。まあ、似てるのは眉毛ですよね。小学校の頃から、(『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の)両津勘吉さんに似てると言われてきました。私はいまだに両津勘吉さんの顔を知らなくて、調べようと思ったこともないんですけど」。

――「少年ジャンプ」に毎週出ていますよ。自分では眉毛のことはどう思っているんですか?
「本気で『イヤだ』みたいなことはないですけど、いじってみたい気持ちはあります。でも、ソフトバンク賞をもらえたのも、眉毛のおかげだと思うし」。

――眉毛で決まったわけではないかと(笑)。
「眉毛がなかったらMr.ビーンのネタを作れなかったかな、というのはあります」。

――テレビで披露してくれるのも楽しみにしています。
「まずオーディションに合格して、テレビに出ます!」。


    


  
井上咲楽(いのうえ・さくら)
生年月日:1999年10月2日(16歳)
出身地:栃木県
血液型:A型

【CHECK IT】
深田恭子、綾瀬はるか、石原さとみ、小島瑠璃子らを輩出して今年第40回を迎えた「ホリプロタレントスカウトキャラバン」で、応募者39702人からファイナリスト10人に残り、9月23日の決選大会でソフトバンク賞を受賞。自己PRで自作ネタによる1人漫才を披露した。11月2日放送の「決め方TV」(テレビ朝日)にて、本名の井上咲樂から芸名が井上咲楽に決定。ソフトバンクのWEBメディアでのPRキャラクターとして活動していく。

詳しい情報はホリプロ公式HP