FRESH ACTRESS 永野芽郁

FRESH ACTRESS INTERVIEW 永野芽郁

PHOTO=佐賀章広 STYLING=大橋みずな
HAIR&MAKE=宮本佳和 INTERVIEW=西中賢治

最“旬”若手女優が、芝居に目覚めた瞬間とは?

――映画「俺物語!!」のヒロインを務め、「全国高校サッカー選手権大会」の第11代応援マネージャーにも抜擢された、永野芽郁ちゃん。もともと、小学校3年生のときにスカウトされてこの世界に入ったんだよね?
「はい。母と一緒に吉祥寺で買い物してるとき、今の事務所のマネージャーさんに声をかけてもらい。母には反対されたのですが、バライティ番組が大好きで、どうしても『しゃべくり007』に出たくて(笑)母を説得して入りました」。

――小3で「しゃべくり007」が好きだったの!?
「そうです。たまたま『しゃべくり〜』を見て、『すっごいおもしろい!!』って思ってから、毎週見ていました。その頃は、芸能人になりさえすれば出たい番組に出れると思っていたので、私もこれで『しゃべくり007』に出れると思っていました(笑)」。


――そんなに簡単に出れる番組じゃないですからねー。
「そうですよね(笑)。事務所に入ってお仕事を覚えていくうちに、『みんなテレビに出るためにこんなにがんばってるんだ』って知って、逆にがんばる楽しさを知りました。私、お仕事をはじめるまでは、ドラマの“役”の意味もわからなくて」。

――と、いうと?
「同じ俳優さんが、このドラマでは殺されたのに、別のドラマではまだ生きてるっていうことが理解できなくて。ドラマには台本があって、みんな役を演じているっていうことがわからなかったので、ドラマの中で起こっていることはぜんぶ本当のことだと思っていました(笑)」。

――あ〜、確かに子供のときはそう思って見てたかも(笑)。最初に演技をしたときのことって覚えてる?
「初めて本格的な演技をしたのは、映画『ゼブラーマン -ゼブラシティの逆襲-』です。哀川翔さんやすごい方々とご一緒して。『私もがんばらなきゃ』って思っていたんですけど、撮影現場でホームシックになってしまい……。『ママに会いたい』って、ずっと泣いていました」。


――なんか、かわいそうだけどかわいいエピソード! そのころは芝居も楽しく思えなかったのかな?
「う〜ん、楽しいとは思っていたんでが……。『お芝居を続けたい!』って思ったのは、中2の終わりごろでした。そのころ、『繕い裁つ人』っていう映画を撮影していたんです。緊張もあったからか、現場でお腹が痛くなってしまって。いつもだったら『ほんとにつらいんだけど〜』って母に電話して弱音を吐いていたと思うんです。でも、そのときは一切連絡しなかったんです。そこではじめて、『あ、私は本気でお芝居がしたいんだな』って、自分の気持ちに気づきました」。

「俺物語!!」の大男vsイケメン 永野芽郁の意外な好みは……

――少女漫画原作の映画「俺物語!!」で演じたヒロイン、大和凛子役の評判がいいですね。大好きな猛男を見つめる凛子の笑顔には、全観客がヤラれたと思います!
「うふふふ。私も何度か映画館に観にいったんですが、最初は自分の顔がアップで映るたびに、恥ずかしくて。すっごく面白い映画なのに、『なんだかな〜』って思っちゃって……(笑)。不思議な気持ちになりました」。

――冷静に見れなかったんですね。
「そうなんです。でも、何度か観るうちに、だんだん“永野芽郁”じゃなく“大和凛子”として見れるようになってきて。悔しい部分もありましたが、自分が想像していた凛子という女の子がそこにいるような気がして、『がんばってよかったな』って思いました」。

――凛子が恋する猛男は、少女漫画の主人公にあるまじき「ゴリラ顔」の巨漢で、女子からは恋愛対象外と思われているような男子高校生ですね。
「映画のオーディションを受ける前に、原作を読んで私もビックリしました。私のなかで少女漫画といえば、猛男の友達でイケメンの砂川くんが主人公になりそうなのに、凛子が猛男に恋するっていうところが新鮮で、すごく面白かったです!」。

――芽郁ちゃんは、猛男のような野性味のある大男と、砂川みたいなクールな細面男子、どっちがタイプですか?
「最初は砂川くんがタイプでした。撮影中も最初のころは『ふつうに考えたら砂川くんと付き合うよなー』ってずっと思ってました(笑)。でも、物語の中で、凛子はずっと猛男くんのことを見ていて。だんだん、私も『猛男くん、カッコいい!』って思えるようになってきたんです。完成した映画を観たときは、私自身、完全に猛男くんがタイプになってました」。


――お〜、凛子を演じている芽郁ちゃん自身の好みも変わったんですね。撮影で印象に残っているシーンは?
「火事のシーンです。猛男くんが自分の体を傷つけてまで、みんなを助けるために頑張っている姿をみて、凛子としても永野芽郁としても涙を堪えるのが本当に大変で。監督にここで泣いてはダメだと言われて。見守ることしかできないなりに、猛男くんのことを一番に応援してあげなきゃと思って。そのシーンだけは、カメラが回る直前まで亮平さんを見ないようにして、『泣かないように、泣かないように』って我慢しました(笑)。凛子の気持ちになって亮平さんを見てるのか、永野芽郁として見てるのか、自分でもわからなくなってしまって」。

――そこまで役に入り込んでいたということでしょうか。ちなみに、凛子は猛男に対して積極的にアタックしますが、芽郁ちゃんは好きな男子の前だと……。
「ひーーー!(顔を両手で隠す)。私は凛子と真逆です、たぶん……」。

――つまり、アタックできないということ?
「はい。“好き”って気持ちが態度に出ちゃって、その人を好きなことがバレちゃうんじゃないかと思うと、話しかけられなくなります。周りの子にバレたら、冷やかされることもあるし(笑)」。


「高校サッカー」リフティング最多記録の裏側

――芽郁ちゃんは「全国高校サッカー選手権大会」の第11代応援マネージャーにも任命されました。過去に堀北真希さん、新垣結衣さん、広瀬すずさんなど、注目の若手女優が選ばれてきた登竜門的な仕事です。毎回、マネージャーに任命された女の子がリフティングに挑戦することが恒例になっていますが、芽郁ちゃんは歴代最高の11回を達成! サッカーはもともと得意なんですか?
「いえ、ボールを蹴るとどこかにいっちゃうので……(笑)。体育の授業でサッカーをやるときは、いつもゴールキーパーです。でも、今回は絶対に歴代最高記録を出したかったので、たくさん練習しました! 練習を始めて直ぐは、2、3回しかできなくて。『ヤバい!』って焦りながらひたすら練習していました」。


――それにしても、女子でリフティング11回はすごいですよ!
「“記憶と記録に残る応援マネージャー”になりたかったので、気合いで練習しました! 結果、11代にして11回の最高記録。大会の決勝戦も来年の1月11日に行われるので、“11づくし”なんです! イェ〜イ(ダブルピース)」。

――その数字には運命を感じますね〜。そもそも運動は好きなの?
「好きです! 特に走ることが。中学校3年間は陸上部に“仮入部”させてもらってたんですけど、中距離や長距離をやっていました。今でも長い距離を走るのが好きで、この間も友達と20km走りました」。

――ほぼハーフマラソンじゃないですか! ほんわかした見かけによらず、相当な体力の持ち主なのでは……。
「イェ〜イ(ダブルピース)」。

――(笑)。直近では、12月20日(日)に放送されるフジテレビヤングシナリオ大賞受賞作「超限定能力」にヒロインとして出演します。これはどんなドラマなんですか?
「主人公の男子大学生が、電車の中で“乗客が降りる駅”がわかる能力を身につけてしまって……というお話です。私は、主人公と出会う女子高生の役なんですが、心の中に闇を抱えているんです。クラスメイトとの関係や、家族のことで悩んでいて」。


――自分に近い部分はある?
「ないです。私はポジティブなので(笑)。でも、共感はできます。『確かにこういうことってあるよなー』っていう、今の女子高生ならではのエピソードが描かれていて、台本を読みながら『うんうん』って何度もうなずきました」。

――それは放送が楽しみですね。最後に、今後の目標を教えてもらえますか?
「はい!今までたくさんの方にお世話になったので、その方たちとまたお仕事したいなって思います。そのときに『少しは成長したな!』って思ってもらえるよう、がんばりたいです」。

(インタビューを終えて)

大手事務所・スターダストプロモーションに小学3年生のころから所属しているが、今年公開された映画「俺物語!!」で初めて彼女のことを知ったという人も多いと思う。筆者も同作で初めて彼女の女優としての才能を知ったひとりだが、とにかく全身から“好き”があふれ出すようなあの演技の破壊力はハンパなかった。この映画を観れば、誰もが彼女のことを好きになってしまうと思う。監督は、ドラマ&映画「鈴木先生」の演出で知られる河合勇人氏で、今作では「鈴木先生」とは一転して明るいタッチで描いているが、マンガ的なクセの強いキャラクターを実写にうつす緻密な演出プランと、役者への強い愛情が感じられた。

この1本の映画で、間違いなく次世代ヒロインの先頭集団に加わった彼女。高校サッカーの応援マネージャーや、ヤングシナリオ大賞受賞作のヒロインなど、いずれも数々の人気女優を輩出してきた仕事も次々と決まっている。今年前半の話題をさらったのが広瀬すずだとしたら、後半にもっとも“跳ねた”のが彼女だと言ってもいいほどだ。
インタビューでも触れたリフティング最多記録の例からわかるように、目標に向かってがんばる根性も第一級。個人的には、綾瀬はるかをはじめ、体力・運動神経のある人は確実にいい役者になると思っている。いまだ16歳という年齢をふくめ、今後の伸びしろを感じさせる有望株だ。ずばり「次世代ヒロインの先頭集団に加わった16歳」と評しておきたい。


    


  

永野芽郁(ながの・めい)
生年月日:1999年9月24日生まれ(16歳)
出身地:東京都
血液型:AB型

【CHECK IT】
フジテレビヤングシナリオ大賞の受賞作が、12月20日(日)「超限定能力」(フジテレビ系24:45~)オンエア。年末から年始にかけて行われる「全国高校サッカー選手権大会」11代目応援マネージャーを務める。映画「俺物語!!」が全国上映中。雑誌「ニコラ」専属モデル。2016年1月スタートの〝月9〟ドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」(フジテレビ系 21:00~)に出演。

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