PICK UP ACTRESS 桜田ひより

PICK UP ACTRESS 桜田ひより

PHOTO=名児耶洋 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

8月29日から上演される舞台「大きな虹のあとで~不動四兄弟~」。出演する若手女優4人をリレー形式でインタビューしてきました。トリを飾るのは4人のうち最年少ながらキャリアは最も長い桜田ひよりです。

 
 

デビュー10年目で初めて舞台に挑戦
「大きな虹のあとで」でムードメーカー役

 
 

――「大きな虹のあとで~不動四兄弟~」で共演する3人の女優さんに聞くと、みんな「ひよりちゃんの演技はすごい」と言ってました。

「ホントですか? 恥ずかしいですね……」。

――14歳でも芸歴10年目というキャリアは大きいかと。

「でも私、小学3年生より前のお仕事の記憶は全然ないんですよ(笑)。自分でやっていると、うまくなっているのかも全然わからなくて……」。


――「犯罪症候群」の反発していたお父さんの話を聞いて涙が溢れるところも、観ていてグッときました。

「あれは監督さんが『気持ちを作ってからでいい』と言ってくれたり、周りの環境のおかげもありました」。

――気持ちを作る時間も取ったんですか?

「はい。とにかく集中して周りのことを一切遮断して、自分のなかに入りました。そのシーンの前に自分とお父さんに何があったのか、思い出しながら考えてました」。

――ひよりさんからは、今回共演する大友花恋さんたちはどんな存在ですか?

「本当に支えてくれるお姉さんたちです。私、レッスンを受けているなかでは最年少で、みんなが私に声を掛けてくれたり、輪に入れてくれます。花恋ちゃんはずっと前に私が事務所に入ったときから一緒で、本当に私のお姉ちゃんみたいな人です。(喜多)乃愛ちゃんは年が近いので学校の話とかいろいろしたり、(矢作)穂香ちゃんは20歳ですけど私に話を合わせてくれます。やさしいお姉さんたちです」。

――穂香さんは「ひよりちゃんの人生観の話が大人すぎる」と言ってました。

「エーッ!? 何か言ったかな? わからないです」。

――人生で大事だと思うこととか、ありますか?

「何だろう? 楽しく生きることです。そんな大人なことは全然考えてないです(笑)」。

――「大きな虹のあとで」に出てくる戦争とか特攻とかは、普段はあまり触れることはないですよね?

「私にとって戦争は、教科書に載っていることなので、すごく遠いことだと考えちゃっていたんですけど……」。

――歴史上の出来事、みたいな?

「はい。でも、実際にはそんな遠いことではないので、台本を読むと、すごく胸が痛みました。戦争中でも、笑ったり恋愛をしたりするのは今と全然変わらなくて、ただ戦争をしていることだけが違う。だから、よけいに悲しくなりました」。

――劇中に出てくる「誰が好き」みたいな恋バナは、中学でも周りでしてますか?

「結構してますね」。

――「サッカー部のキャプテンがカッコイイ」とか?

「私の学校では部活に入ってない人のほうがモテます。放課後が空いてるほうがいいんだと思います(笑)」。

――そういう話に、ひよりさんも加わっているんですか?

「私はほとんど聞く専門です。『○○クンが好き』とか『カッコイイ』とか、そういう話は聞いているだけで楽しいです(笑)」。


――今回演じる緑という女の子には、どんな印象がありました?

「私とすごく似ている部分があります。緑はいつも隣りに友だちがいて、自分のことより友だちが大切な女の子なので。あと、盛り上げ役のムードメーカーですよね」。

――緑は花恋さんが演じる麻樹の恋の手助けをするようですが、ひよりさんもそういうことをした経験が?

「あります。一番記憶に残っているのは、友だちの女の子の好きな人を聞いて『ナイショにしておくから』と言っておいて、相手の男の子に『好きな人はいるの?』と探りを入れたんです。それで、うまいこと2人を一緒にお出掛けさせたりしました」。

――うまく行ったんですか?

「2人はつき合うようになったみたいです。やっぱり自分のことより、友だちが楽しそうなのをそばで見ていることが楽しいです。緑ちゃんも麻樹ちゃんの恋を応援していることが、楽しいんじゃないかと思います」。

――ひよりさんは舞台は初めてということですが、観に行ったことはありますか?

「このお話が決まる前から何回か観に行っています。私はやる側ではなく観る側だと思っていたので、お話が来たときは『どうしよう?』ってドキドキしました。『ちゃんとできるのかな?』って……」。

――舞台を観て、ハードルが高そうに感じたんですか?

「そうですね。エネルギーを間近で感じました。その舞台をやる前にきっとたくさん練習して、『すごく大変だったんだろうな』というのが伝わってきたので、『私にできるのかな?』と思ったんです。でも、もうやらないといけないんですけど(笑)」。

――今までにない準備も必要になりそうですか?

「特に『これをやったほうがいい』とかは言われてないんですけど、『緑の台詞の回転数の速さがキーだから頑張って』というお話はありました」。

――つまり、テンポ良く話すことがキモだと?

「はい。緑ちゃんの話し方やスピードで全体の流れが決まってくるんです。何かハプニングがあったとしても、ちゃんと続けられないとダメだし、そこら辺はみんな以上に頑張らないといけない……ということでした。結構プレッシャーはあります。あと、特攻の資料館には行ってみようと思ってます」。

――九州にあるみたいですね。

「学校の歴史の授業で特攻隊のことも勉強してますけど、それ以上にちゃんと詳しく知りたいので、絶対に行きたいです」。


 
 

オーディションは1000回くらい受けて
ほとんど落ちて悔しいときもありました

 
 

――映画「東京喰種 トーキョーグール」も公開になりますが、ジャパンプレミアにも参加して、どんな気分でした?

「出る前は本当にドキドキして、『どうしよう? どうしよう?』とずっと言ってましたけど、出てみたらすごく楽しくて、とても充実した時間でした。レッドカーペットを歩くのも初めてで『これがそうか……』と思ってました」。

――「東京喰種」グッズもいろいろ買ったそうで。

「はい。タオルは事務所のレッスンで使っていて、クリアファイルにはいろいろ入れてます。あと、金木くんのマスクの形のポーチもよく使ってます」。

――チャックのところに歯が描いてあるものですね。

「あれ、インパクトありますよね。お気に入りで、学校にも持って行ってます」。

――ひよりさんが演じたヒナミのお母さんのリョーコ役が相田翔子さんでした。

「本当にほんわかした方で、いらっしゃるだけで現場が和みました。やさしくてきれいで『こんなお母さんがいたらいいな』と思うくらいでした」。


――話もしました?

「ご一緒する場面はそんなに多くなかったんですけど、相田さんが特殊メイクをするときについて行って、相田さんがメイクされるのを見て、2人で『すごいね』と話してました」。

――芸能生活10年目も順調に滑り出したようですが、ブログで9年間を振り返って「悔しいことや泣いたこと、嬉しいことや楽しいこと、たくさん経験してきました」とありました。外からは順風に見えるひよりさんにも「悔しいこと」はあったんですか?

「オーディションは1000回くらい受けたと思います。ほとんど落ちて、最終まで行ったのにダメだったりもして、すごく悔しかったときはありました」。

――心が折れそうになったりも?

「はい。でも、『次は頑張ろう!』とポジティブに考えてました」。

――学校では修学旅行に行ったそうですね。班ごとの自由行動とかはありました?

「ありました。すっごい行きたかったチョコレートのお店があったんですけど、開店の1時間前に着いてしまって……。10時開店なのに調べずに行ったら、着いたのが9時で早すぎました(笑)。待ってるのも時間がもったいないから、『買えないや』と思いながら、他のところに行きました」。

――思い出に残った風景や体験は?

「平和の学習で、原爆の被害に遭われた方の講演を聞きました。お話を聞いていると自分がその場にいるかのようで、すごく怖かったんですけど深く学べました」。

――ちゃんと学びもあったんですね。夜はおとなしく寝たんですか?

「全然おとなしくしてませんでした(笑)。消灯時間が過ぎても話していて、先生に『早く寝なさい』と言われて『すいませーん』と言って、そこからまたずっと話してました(笑)」。


――それこそ恋バナとかを?

「そうですね。『○○くんがカッコイイよね~』とか。そしたら、また先生に『もう寝なさい』と言われて『あっ、すいません!』となりました。それでも寝られなくて話してたら、3回目は『もう寝ましょう!』と怒られて、仕方ないから寝ました(笑)。それがたぶん(午前)1時くらいで、本当にずっとしゃべってましたね」。

――修学旅行の夜はだいたいそうなりますよね。夏休みは「大きな虹のあとで」の稽古中心になるかと思いますが、夏バテは大丈夫ですか?

「毎年全然ならないので大丈夫だと思います」。

――食欲が落ちたりもせず?

「まったくないです(笑)。むしろ、夏はすごくたくさん食べます。キュウリにみそを付けて食べると、おいしいです(笑)」。

――熱帯夜はどうしてます?

「私の部屋はリビングに近いので、エアコンを回してます。でも寝るときは乾燥しちゃうので、あまりかけません。ひんやりした生地の抱き枕を買ってきました」。

――ブログにも出てましたね。

「たまたまお店で見つけて、おこづかいを持っていたので買いました。触ったら冷たくて『あっ、すごい!』と思いました。見た目もサメの形でかわいかったです」。

――忙しいなかでも、中学最後の夏休みにやっておきたいことはないですか?

「『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』を観に行こうと話してます。それくらいですかね? 楽しくケガなく過ごせればと思っています」。

――夏の定番ですることもありません?

「地元のお祭りには行きます。でも、浴衣は持ってないんです。あまり着る機会もなく、持っていたのがツンツルテンになったので、捨てちゃいました(笑)」。

――浴衣も似合いそうですね。お祭りでのお楽しみというと?

「食べ物をたくさん食べることです。スパゲティの麺を揚げて味を付けたのって、知ってますか? それが地元にあって、名前は忘れちゃったんですけど、カリカリしていてすごくおいしいんです。それを今年も食べます!」。


 
 


 
 

桜田ひより(さくらだ・ひより)

生年月日:2002年12月19日(14歳)
出身地:千葉県
血液型:A型
 
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小学6年生のときにドラマ「明日、ママがいない」(日本テレビ系)で注目されて、「ワイルド・ヒーローズ」(日本テレビ系)ではヒロインを演じる。他の主な出演作は、ドラマ「沈まぬ太陽」「希望ヶ丘の人びと」(WOWOW)、「ホクサイと飯さえあれば」(MBS・TBS系 ほか)、「犯罪症候群 Season1」(東海テレビ・フジテレビ系)、映画「さいはてにて-やさしい香りと待ちながら-」、「脳内ポイズンベリー」、「にがくてあまい」など。映画「東京喰種 トーキョーグール」が公開中。8月29日(火)~9月3日(日)に中野ザ・ポケットで上演される舞台「大きな虹のあとで~不動四兄弟~」に出演。

詳しい情報は公式HP
 
 

舞台「大きな虹のあとで~不動四兄弟~」

8月29日(火)~9月3日(日)中野ザ・ポケット
出演:入江甚儀、市川知宏、竜星涼、山本涼介、大友花恋、桜田ひより
喜多乃愛、矢作穂香、津枝新平、肘井美佳、森山栄治
詳しい情報は公式HP
 
 

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