フレッシュ女優勢力図 2015-秋-

広瀬すずの独壇場!
追いつく美少女を探る

虫の音ともにやってくる秋。最近は急に寒くなるので秋自体が短くなった気もします。とはいえ、ドラマや映画のフレッシュ女優たちに癒される季節となりました。秋の注目映画や、秋クールのドラマもすべて始まり一通り出そろったところで、気になったフレッシュ女優をピックアップしていこうと思う。

一番手に挙げなければいけないのは、何と言っても、恒松祐里(17)である。
HUSTLE PRESSとして篠山紀信氏撮影「laugh&smile」にも登場してもらった彼女だが、自分が彼女を知ったのは、春に公開された映画「くちびるに歌を」。その作品の中で彼女は、五島列島の小さな島の15歳の少女・仲村ナズナを好演。複雑な家庭環境の中で育ちながらも、元気に自分の好きな合唱に励む前向きな少女。いつしかスクリーンの前で「くちびるに歌を」の世界観に引き込まれ、泣いてしまっている自分が……。38歳のいい年のおじさんを泣かせる、この美少女は一体何者だ?と、すぐにネット検索をした記憶が残っております。作品を感動的にした理由の1つは間違いなく彼女の好演にあり。それは間違いない事実だったと思います。
そして夏の終わりが近づいた頃、秋クールのドラマに彼女が出るという情報を耳にする。それも聞いてみれば「月9」だと。「5→9~私に恋したお坊さん~」(フジテレビ系)で、ヒロイン・石原さとみの妹役だという。僕の中では「あぁ、これで彼女も(世の中に)見つかってしまうな」と複雑な気持ちになりました。当ドラマの中では、前出の映画とは違い、コミカルな演技を披露。かわいいビジュアルと、持ち合わせた演技力で一気にブレイクしていく可能性が高い。
「見つけちゃった」感をHUSTLE PRESS読者の皆様と一緒に感じられれば幸いです。

新川優愛(21)の勢いも止まらない。
「王様のブランチ」のMCを担当することになった彼女は、秋ドラマ「青春探偵ハレルヤ」(日本テレビ系)でもヒロイン・能見美羽を演じている。
雑誌「Seventeen」のモデルもこなし、同世代女子からの認知度もある上、ビジュアルもよし。もはや、マルチな活躍ができるオールマイティー女優と言ってもいいだろう。
僕が彼女を注目した前職・B.L.T.編集長だった2013年当時、2010年のミスマガジンを受賞。そして2011年に「ミスセブンティーン2011」に選ばれたという異色の経歴を持ち、その実力に惹かれたことを覚えている。B.L.T.誌上でも連載を始めさせてもらった縁もあり、やはり新川優愛の活躍は僕自身、励みとなっている。

そして、触れておきたい実力派女優として、吉本実憂(18)が挙げられる。
「5→9~私に恋したお坊さん~」(フジテレビ系)にも出演している彼女だが、特筆して言いたいのは初ヒロインを務めた映画「罪の余白」での好演である。これが本当に、最初から最後までダーク・ヒロインを見事に演じきっています。いじめる側の主犯格の木場咲役なのですが、虫唾が走るくらい嫌な女なんですよ、この木場咲が。スクリーンの前で「こいつ本当にイライラするな」と思わせること多々。僕は最後のワンシーンまでイラつきました。
ただ、見終わったあと「あれ? 吉本実憂ってあんなにキツイ顔してたっけ?」と感じ、グラビアなどを見返すと、やはりかわいさを持ち合わせた18歳の素顔がそこにありました。間違いなく、この作品でみせる「嫌な女」像は彼女の演技力の賜かと。この演技力でヒロインの座をどんどんと射止めていく可能性は高い。

「テディ・ゴー!」で初ヒロインをゲットした森川葵(20)にも注目しておきたい。
彼女も個性派として上昇中のひとりだ。とはいっても、彼女はコツコツと演技というものと対峙し、主に映画畑で女優力に磨きをかけてきた感もある。
B.L.T.でも何度か取り上げさせてもらったのだが、2013年に公開された映画「スクールガール・コンプレックス-放送部篇-」は印象に強く残っている。女子高での禁断の愛を描いた作品だったが、うろ覚えで恐縮ですが、こんなシーンがあった気がする。夏のある日、畳の部屋(教室)で汗をかいた女子2人が横になっていて、禁断の園へいざなわれるようなシーン。その残像が脳裏から消えないのは事実です。
さらに、映画「チョコリエッタ」では、役作りのために丸刈りにするという女優魂もすごい。20歳ではあるが、今後、女優力のある女優として注目度は増していくことになるだろう。

最後に触れておかなくてはいけないのは、広瀬すず(17)。
若手女優の中では群を抜いて独走状態である。来春には主演映画「ちはやふる」の公開も控え、雑誌「Seventeen」モデルをこなしながら、同性および、男性にも大きく支持を伸ばしている。
僕がびっくりさせられたのは7月に公開された映画「バケモノの子」のアフレコである。細田監督をもうならせたというだけあり、本当にうまい。少女・楓を初挑戦とは思えない自然なアフレコで演じ切っていた。はじめて見たときに広瀬すずの顔が思い浮かばず、楓になりきれている時点でぐーの音もでませんでした。
B.L.T.時代にも連載や、1st写真集「suzu」の制作に編集長として携わらせてもらったのだが、そのピュアさ、自由っぷりには泣けてくるものがあった。昨今、本人の「発言」などが注目されてしまっている状況もあるが、いたってピュアであるがゆえに出てしまう部分であり、彼女のピュアさと自由奔放っぷりは、綾瀬はるかのように年齢を重ねても、持ち合わせてほしい部分だと僕は思っている。

そんな、広瀬すずを追いかける若手女優がどんどん登場してくれることを心から望んでいる。
そろそろ、インフルエンザの予防接種を受けにいかなきゃいけないな。これが僕の中では、秋の風物詩であったりもする。

HUSTLE PRESS編集長 井上朝夫