『パシフィック・ヒム』は若手女優の登竜門?

女優の世界には“これに出演すれば芸能界で飛躍できる”といったような登竜門がいくつか存在する。例をいくつかあげるとすれば、まずドラマでの若手女優登竜門と呼べるのが『NHK朝ドラの脇役』である。2013年上半期に放送され話題となった「あまちゃん」では主演の能年玲奈を抑え、若き日の天野春子役で出演していた有村架純や、GMT47でリーダーを務めていた松岡茉優が、このドラマの後からドラマや映画、CMなど幅広くブレイクを果たしている。2015年上半期に放送された「まれ」では土屋太鳳が主演を務めているが、この作品の前に同じく朝ドラの「おひさま」「花子とアン」で脇役を演じているので、そこで知名度や演技力が買われてのブレイクと考えていいだろう。そのほかにも同じく「まれ」で希の同級生を演じて注目を浴びた清水富美加もこれに該当する。
次にCMで若手女優登竜門と呼ばれているのが、『ポカリスエット』や『ゼクシィ』のイメージガールである。イメージガールになると巨大看板にでかでかと写真が貼られたり、テレビをつけていれば1度は目に入ってくるので、知名度をあげたい若手女優にとっては欠かせない登竜門と呼べるであろう。
ポカリスエットでは綾瀬はるかや川口春奈、最近では中条あやみや先月モデル界の登竜門とも呼べる『ミスセブンティーン2016』を受賞した八木莉可子がイメージガールを務めている。(中条あやみもミスセブンティーンを受賞している)。ゼクシィでは、今まででイメージガールが9代目まで続いている。6代目の松井愛莉や7代目の広瀬すずはこのゼクシィから大ブレイクを果たしたと言っても過言ではないだろう。見た方も多いと思うが、広瀬すずがこのCMでみせた涙の演技は印象強く、ここまで引き込まれてしまうCMを見たのは初めてだった。現にそこから演技力が買われてドラマや映画にひっぱりだこになっている。現在、9代目を担当しているのは吉岡里帆であり、彼女もまた2015年度下半期に放送された「あさが来た」に出演しているので、今後もしかしたらブレイクを果たすかもしれない。
このほかにも様々な登竜門と呼べるものが存在するが、最近見ていたバラエティ番組でふと“これってもしかして若手女優の登竜門なんじゃないの?”と思った番組がある。
それはフジテレビで放送中の『そんなバカなマン』内の人気コーナー『パシフィック・ヒム』である。簡単にどんなコーナーか説明しよう。“バナナマン日村は女性の前だとついつい格好つけてしまうというので、毎回ゲストの女優やモデルを偽番組だと称して日村とロケをし、設楽とバカリズムがロケバス車内からイヤホンをしてる日村に指示を出して日村を操縦し面白い魅力を最大限に引き出そうと奮闘する”というコーナーである。
放送された回はすべて見ているが、今まで出演したゲストは、中村静香、新木優子、古畑星夏、朝比奈彩、石田ニコル、中川可菜、小芝風花、松井愛莉、山本舞香、内田理央、飯豊まりえで、まさにきっかけさえあればブレイクしそうな若手女優をピンポイントでキャスティングしている番組スタッフのセンスの良さに脱帽である。古畑星夏のヨガ体験や、関西弁でしゃべり倒す小芝風花、空手黒帯でもある山本舞香の道着姿など、普段では見られない姿を見ることができたのはファンとしては嬉しすぎる。最近、放送された飯豊まりえ回はまさに永久保存版とも呼べる神回で、飯豊まりえの天真爛漫な姿とアドリブ力の凄さに驚かされた。日村に無茶ぶりを出しながらモニタリングしてる2人に“この子すごい!”と言わしめたほどである。飯豊まりえしかり他のゲストしかり、まだまだバラエティに慣れてない若手女優が日村の無茶ぶりに対する対応力が見れたり、普段見れないような表情や仕草、素の顔が垣間見れ、自分の頑張り次第で視聴者に良くも悪くも印象を与えられるという点で、若手女優達にとってこの『パシフィック・ヒム』は登竜門と呼べるのではないだろうか。
今後、放送される際は欠かさずにチェックしていきたいと思う。
 
 
『そんなバカなマン』公式HP
http://www.fujitv.co.jp/bakanaman/
 
 

ライター・YKDM