フレッシュ女優勢力図 2017-冬-

まだまだ若手と呼ばれていた女優が、年々成長する姿を見ると、外見と共に演技も成長していくんだなと思うことがある。その発見を見れるからこそ、若手女優を応援しているのかもしれない。
去年、“フレッシュ女優勢力図 2016-夏-”を書かせていただいたが、年が明けた2017年、気持ちを新たに今回は“フレッシュ女優勢力図 2017-冬-”を書かせていただこうと思う。

小松菜奈(スターダストプロモーション)

2016年は、「黒崎くんの言いなりになんてならない」から始まり、映画出演5本と大活躍を見せた。家のテレビでよく見る顔というよりは、劇場でよく見る顔と言えるだろう。前々から、その凛とした顔だちは他の女優とはどこか違う独特なオーラを漂わせてはいたが、いまいち印象に残りはしなかった。ただ去年は、演技力の成長をとても感じた。その中でも「ディストラクション・ベイビーズ」で見せた姿は、従来の小松菜奈ファンからしたら衝撃的なものだっただろう。衝撃的というよりは、むしろ笑劇的とでも言えるような下品な言葉遣い、殴る蹴るの暴力の連続、あの凛とした顔からは想像できない演技が、逆に引き込まれて、一気に小松菜奈の虜になってしまった。「溺れるナイフ」では、菅田将暉との絡みが女子中高生の間で、話題になった。小松菜奈本人もインタビューで撮影は大変だったと述べてるなど、演技の成長に欠かせない作品のひとつになったことだろう。
2017年も、話題作「沈黙-サイレンス-」に出演するなど、今年の活躍にも目が離せない女優。

杉咲花(研音)

〝誰々の娘役で出てた子〟というイメージを払拭させるかのように、2016年は朝の連続テレビ小説「とと姉ちゃん」にレギュラー出演し、個人としての知名度を急上昇させた。
年々磨きがかかる演技は、去年さらに深みが増し、若手女優という括りながらすでにベテラン感すら漂う安定感に脱帽である。
「湯を沸かすほどの熱い愛」では、宮沢りえの娘役で出演し、大女優に引けを取らない演技での掛け合いは、一見の価値がある。前々から、杉咲花は、感情の爆発力が凄いと思っていたが、それに加え、感情ごとに変わる細かな表情まで磨きがかかってきた。その繊細な演技には、誰もが惹きつけられてしまうだろう。これでまだ19歳なのだから末恐ろしささえ感じる。
今年は、主演が木村拓哉で話題の「無限の住人」に出演が決まっているのだが、木村拓哉の次に杉咲花の名前が位置付けられているのが、衝撃的すぎた。今年、ついに満開に花咲く杉咲花に期待したい。

広瀬アリス(フォスタープラス)

広瀬すずのお姉ちゃんというレッテルを返上するかのごとく、今年は広瀬アリスの年になるだろう。今年は映画公開が3本も決まっており、1本はすでに公開中。今後公開される2本が主演である。
さらに、広瀬アリスのターニングポイントになったと言っても過言ではない作品、ドラマ「釣りバカ日誌」の続編も放送が決まっていて、人気に拍車がかかるだろう。
天真爛漫で明るく活発なキャラクターも影響してか、バラエティ番組に番宣出演することが多いのも、お茶の間の知名度をあげる大きな要因のひとつと言えるだろう。
妹と違って、握手など本人と話せるイベントが、女優としては頻繁に開催されているので、今年人気が爆発して会えなくなる前に一度会いに行って、その人間性に触れてみるのもオススメ。

平祐奈(ピーチ)

凛々しい眉毛とチャーミングな笑顔がトレードマークの平祐奈が、じわじわと若手女優界のトップに上り詰めようとしている。今年出演予定の映画は、主演は少ないものの、すでに公開中の1本を含め7本と驚愕の数字だ。人気の秘密は、平祐奈のキャラクターに隠されていると思う。その誰からも憎まれない愛されキャラは、少なからずとも演技に影響されていて、恋愛映画で主人公の親友役を演じる際など、より良い親友に見えたりする。キャラクター、性格というのは、天性の物であると思うので、平祐奈は女優になるべくして生まれたのではないかとも思わされる…。そんな平祐奈が、今年は例年以上に人気が上昇しブレイクするに違いない。みんなのアモーレ平祐奈をこれからも応援していきたい!
 
 
夏の勢力図とはがらりと変わった顔ぶれが、女優界の流動性を表していると思う。
だが、それが面白い。それが、若手女優を応援するモチベーションをあげてくれる。
今年は、またどんな風に変わっていくのか楽しみでしょうがない。
 
 

ライター・YKDM