橋本環奈の可能性

人に見られる職業である女優にとって、顔は何よりも大事な商売道具であると言える。
そんな〝顔〟を撮られた写真が「綺麗すぎる」「まるで天使だ……」と言った理由で〝奇跡の1枚〟として話題になったのが橋本環奈である。
当時その写真がニュースやワイドショーなどに取り上げられ、世間から〝1000年に1人の美少女〟と呼ばれ、瞬く間に知名度を上げたのは記憶に新しい。
一躍時の人となった橋本環奈は、アイドル活動の傍らドラマや映画にも出演し、女優としても活躍した。初主演映画『セーラー服と機関銃‐卒業‐』は、橋本環奈の〝奇跡の1枚〟から起用が決まったという逸話もある。さらに同映画で、第40回日本アカデミー賞「新人俳優賞」を受賞しているから驚きである。
そして、今年アイドルを卒業し、本格的に女優として始動した彼女について今回は書いていこうと思う。
 橋本環奈は〝1000年に1人の美少女〟と呼ばれるだけあって、現在活躍している若手女優の中でもトップクラスの美貌の持ち主だと思う。その整いすぎてる顔は配役にも表れていて、例えば映画『暗殺教室』で演じた役は彼女の整った顔を生かした役で彼女にしか演じることができなかったと思う。
今年3月に公開された映画『ハルチカ』では佐藤勝利とW主演を務めているが、この映画で見せた男勝りな姿に、見た人は度肝を抜かれたのではないだろうか。初めて彼女の動いてる姿を見た人はあの顔に不釣り合いなハスキー声に驚くが、そのギャップもまた彼女の人気を支えている物のひとつと言えるだろう。
あの美少女が大声を出して罵倒したり蹴ったりする姿にびっくりしたが、美少女がそういった演技をすることへのギャップが素晴らしいとも思わされた。
そして完全に女優として吹っ切れたなと感じたのが7月に公開された映画『銀魂』である。
福田雄一監督の作品はコメディ要素が多く、どんな女優でも良い意味でいろんなことをやらされてるイメージが強いので、彼女が福田マジックでどんな跳ね方をするのか楽しみであったが、公開された作品を観たら想像の数倍振り切っていて開いた口がふさがらなかった(笑)。まさに女優としての橋本環奈の覚悟が見えた作品であった。
また10月公開予定の映画『斉木楠雄のΨ難』にも出演が決まっていて、福田監督の手によって橋本環奈が今度はどう調理されるのか必見である。
今期の夏ドラマでは『警視庁いきもの係』でヒロインに抜擢され、主人公を演じた渡部篤郎との掛け合いも若手女優とは思えないほどテンポが良く見事だった。EDではアイドル時代に培ったダンスを披露していた。
 女優としての〝顔〟はすでに完璧なので、今後、場数を踏むに伴って演技力が磨かれていくことに期待したい。ただ言えることは〝1000年に1人の美少女〟が若手女優界に新たな風を吹かせることは間違いない。
 
 

ライター・YKDM