PICK UP ACTRESS 小芝風花

PICK UP ACTRESS 小芝風花

PHOTO=城方雅孝 INTERVIEW=斉藤貴志
衣裳協力=ジョイフル恵利

「あさが来た」の娘役から躍進
1月から先生役でドラマ出演

――「あさが来た」にあさの娘の千代役でレギュラー出演して、反響は大きかったですか?

「祖父母のお友だちから『千代ちゃん、観てたよ』って、声を掛けてもらえるようになりました」。

――風花さん自身が今でもよく覚えているシーンはありますか?

「お母ちゃんと思い切りぶつかって、『甘えさせてくれへんかったのは、お母ちゃんやんか!』と言うところですね。それまでも憎たらしい口調で反抗してましたけど、本当の気持ちをぶつけたのはあそこが初めてだったので。すごく印象に残っています」。

――「リンゴちゃん」と声を掛けられた帝大生にときめくくだりは?

「また違う意味で印象的でしたね。現場でも照れました(笑)。その前のリンゴの皮を剥くシーンは、めっちゃリンゴを買って家で練習したんです。剥くのに集中すると台詞が出てこなくなったりするので。できたときはガッツポーズをしました(笑)」。

――その帝大生の啓介さんとは、結婚にまで至りました。

「だから、すごく幸せでした。お母ちゃんへの反抗から始まり、女学校に入って親友ができて、恋をして結婚して子どもを産んで。1人の女性の人生を演じさせていただいて、本当に勉強になりましたし、たくさんの幸せを味あわせてもらいました。最終的に子どもを4人産んでいましたし(笑)」。

――その後、「早子先生、結婚するって本当ですか?」に新年1月スタートの「下剋上受験」と、先生役が続いていますね。19歳にして(笑)。

「そうなんです。『生徒役のほうがピッタリくるのでは?』と思いつつ、実年齢より上の役を演じさせていただくことが多くて。今年のお着物が紫で大人っぽいのも、それが影響しているのかな(笑)? 『下剋上受験』では小学5年生の担任なので、子どもたちの前ではまだ大人に見えるんです。でも『早子先生~』の保健の先生のときは、職員室では周りが本当の大人の方で、白衣とメガネに助けられた感じがして。『ちゃんと先生に見えるにはどうしたらいいだろう?』と悩みました」。


――悩んだ結果、「下剋上受験」の小山みどり先生に活かせていることはありますか?

「年齢は24歳で、より大人ですけど、初めて担任を持って張り切っていて、『こういう教師になりたい』という理想像を持っていると思うんです。なので、生徒に語り掛けるときはウザいくらい熱を入れています。生き生きしている感じも出したいし、やりすぎると子どもっぽくなっちゃうので、そこのバランスはやっぱり難しいです」。

――生徒役の子どもたちはどうですか?

「みんな本当にかわいくて。『先生!』と言ってくれたり、『キキちゃん』と呼んでくれたりします」。

――風花さんが主演した「魔女の宅急便」の映画を観ていて?

「観てくれたらしくて。撮影の合間にアイコンタクトして笑ったり、楽しいですね。でも、生徒たちは子役として本当にしっかりしていて。あんな小さいのに、いろいろ考えてお芝居して、すごいと思います」。

――先生らしい振る舞いとして、意識することは?

「授業中はなるべく響く声で聞こえやすく説明しています。子どもとの距離感も近すぎず、遠すぎず。先生が教室に入ってきて『早く机を片づけなきゃ!』みたいなシーンもあるので、ちょっと厳しいところも出せるようにしたいなと。でも、生徒になめられている部分もあるのかな(笑)。先生が黒板に書きながら一生懸命話している裏で、生徒たちがコソコソしゃべっていて、パッと振り返るとシーン……という場面もあって。『面倒くさい先生』と思われているような役柄ですね」。

――実際に「学校の先生になりたい」と思ったことはあります?

「私がですか? 全然ないです。教えられる自信がまったくないので(笑)。役で教壇に立って、生徒たちを前に台詞をしゃべるだけでも緊張しちゃうので、考えたら先生ってすごいお仕事だと思いました」。


――先生役が続くのはたまたまにしても、風花さんの真面目そうなところが先生っぽく見えるのかも。

「そうならうれしいですね。年齢やヴィジュアルに合った役もやりたいけど、演じる幅は広くしたいです。年齢もそうだし、性格も天真爛漫、おとなしい子、猟奇的な役とか、いろいろやりたくて。今は勉強させてもらいながら、年齢のズレもカバーできる力を付けなきゃと思います」。

――4月には実年齢も20歳になるんですよね。

「そうなんです、いよいよ。デビューから5年が経って。『10代は長い』と言われてましたけど、芸能界に入ってから本当に時間が速くて。20代はもっと速く過ぎると思うと、1日1日を楽しく過ごしたい気持ちはすごく強くなります」。

――やっぱり節目として意識してますか?

「もちろんです。小さい頃は20歳って大人のイメージでしたけど、もう少しで20歳の自分はまだまだ子ども。でも、いきなりポンと変われるわけではないのも実感しています。今まで周りの方たちにすごく助けていただいたので、いきなり全部自分ではできないので、少しずつできるようになれたら。自分を見つめ直して」。

――今はどんなところがまだ大人になれてないと?

「忘れっぽかったりするんですよね。言われたことをポーンと忘れちゃったり、きのうの出来事を聞かれても、なかなか出てこなかったり」。


――きのうの夜ごはんに何を食べた、とかも?

「パッと思い出せません。この前、家族でごはんを食べていて、いつも乾杯してからドリンクを飲むのに、みんな先に飲み始めていたから『えっ、乾杯は?』と言ったんです。そしたら『今やったでしょう?』と言われて(笑)」。

――それは大人か子どもかというより……(笑)。

「ヤバイやつですよね(笑)。ちょっと不安ですけど、お仕事の面では切り替えて、今まで以上にしっかりしたいなと思います」。


役作りのために図書館でずーっと
司書さんを見てたら怪しまれて(笑)

――2月には主演映画「天使のいる図書館」が公開されます。図書館は馴染みのある場所でした?

「全然なかったんです。だから司書の役と聞いて図書館に行って、本も借りず、ずーっと司書さんを見ていました。『どういうことをされるんだろう?』と思って」。

――どこから見ていたんですか?

「私の行った図書館はカウンターの後ろに階段があって、その階段から見てました。考えたら怪しいですよね(笑)。気づかれないように真後ろに回ったり、また階段のところに行ったりしていたんですけど、逆に司書さんがチラチラ気にして、たぶん不審者に見えたんでしょうね。『何かあったら声を掛けてください』と言われました。『大丈夫です。ありがとうございます』と言って、またしばらく見学して帰りました」。

――演技の役に立ちました?

「司書さんっていろいろなところに気をつかって、『こういう本を探してます』と言われたら、すぐ案内できて。本当に本が好きで、なおかつ記憶力と知識がある方なんだろうなと、勉強させてもらいました」。

――「あさが来た」のときのリンゴの皮むき的な準備もしたんですか?

「実際に図書館で働いたわけではないので、実践的なことはできなかったんですけど、本の返却とか流れは何となくわかって、撮影で戸惑うことはありませんでした。やっぱり図書館の雰囲気をまったく知らずに入ると、見慣れない動きも多いので。貸し出す本のバーコードにピピッと当てたり、単純作業でも慣れている方の手つきは全然違いますよね。動きは少しでも近づけようと思いました」。


――この映画で演じた吉井さくらという役は、どんなキャラクターなんですか?

「知識はすごく豊富ですけど、ちょっと人とズレてるというか、コミュニケーションが苦手で。自分がサービス精神でやっていることに、周りはついていけなくて置いてけぼりにしちゃったり。教えてあげているつもりが、ハズしている感じだったり。そういう女の子です。すごく個性的な役で悩みに悩んで、監督ともいろいろ相談させてもらいました。クスッと笑えるところもあるし、最終的にはホッコリしてスッキリ終わる作品なので、たくさんの方に観ていただきたいですね」。

――奈良県の葛城エリアというところで撮影したんですよね。

「本当に温かい方が多くて。婦人会の方は早朝から朝ごはんを作りに来てくれて、温かいおみそ汁もいただきました。お祭りを私が見ているシーンでは、カメラにお祭りは映らないのに、実際にお祭りを見てやればお芝居が変わるかもしれないと、たくさんの方がわざわざ太鼓とかをやってくださったんです。そういう奈良の方の温かさも作品に詰まっていて、魅力的な風景や神社もたくさん出てきます。奈良の良さも味わってほしいです」。

――今年はプライベートのほうも充実してました?

「今まではあまり外に出る気がなかったんですけど、友だちとごはんに行ったりすることが少しずつ増えてきました。連絡を取る人も増えて楽しいです。来年はもうちょっと遠出もしてみたいなって」。

――どの辺まで行きますか?

「どこでもいいんです。ちょっと電車に乗って遊園地とか動物園とか水族館に行ったり。本当に何でも良くて。海に行くとかバーベキューとか、1日がかりで遊ぶこともしたいです」。

――そういうことを今まではしてなかったんですか?

「ほとんどしてないですね。あと、お酒を飲める年になるので、友だちとごはんを作って、お酒を飲みながらしゃべって、飲んで、食べて……みたいなこともしたいです」。

――高校を卒業してから、何か始めたりはしました?

「それはなくて、趣味は編み物を引き続きやってます」。

――お正月に初詣に行って絵馬に何か書くとしたら?

「お願いごととしては、『たくさん作品に出て、いろんな役を演じられますように』。作品に恵まれたらいいなと思っています。私、台本が手元にないと、すごく不安になっちゃうんです。台本があって、役について考えて、撮影しているときが一番楽しいので。少しでも多くの役に巡り合いたいです」。


――作品が途切れると不安に?

「そうなんです。だから、ずっと作品が続くように、ひとつひとつを大事にしていきたいと思っています」。

――休みよりも仕事がほしい感じですか?

「そうですね。空いちゃうと気力が薄れてきちゃうので、忙しい合間に友だちと遊びに行くとか、常にバタバタしていたいですね」。
 


 
 

小芝風花(こしば・ふうか)

生年月日:1997年4月16日(19歳)
出身地:大阪府
血液型:A型

 
 

【CHECK IT】
武井咲の妹キャラクターを選ぶ「ガールズオーディション2011」でグランプリ。2012年にドラマ「息もできない夏」(フジテレビ系)で女優デビュー。2014年公開の「魔女の宅急便」では映画デビューにして主人公のキキを演じ、第57回ブルーリボン賞の新人賞を受賞。2016年には連続テレビ小説「あさが来た」(NHK)にヒロインの長女・白岡千代役で出演した。JA全農あきた/秋田米「あきたこまち」CMに出演中。2017年1月13日(金)スタートのドラマ「下剋上受験」(TBS系/金曜22時~)に小学校の先生・小山みどり役で出演。主演映画「天使のいる図書館」が2月11日(土)に奈良県先行公開、18日(土)より全国順次公開。
 

詳しい情報はオスカープロモーション公式HPへ

 
 

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