PICK UP ACTRESS 浅川梨奈

PICK UP ACTRESS 浅川梨奈

PHOTO=名児耶洋 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

SUPER☆GiRLSからグラビア界を席巻
映画『咲-Saki-』でメインの少女雀士役

 
 
――「14の夜」に「咲-Saki-」と映画、ドラマ出演が続いていますが、元から女優の仕事にも意欲はあったんですか?

「私は芸能界に入ったきっかけが不純で(笑)。『高橋みなみさんとお仕事したい』というだけだったので、特に『何がやりたい』とかはなかったんですね。だから、いただいたお仕事は何でも全力で頑張る感じです」。

――普通に映画やドラマは観ていたんですか?

「好きですね。『科捜研の女』とか」。

――10代っぽくないドラマが真っ先に出ました。

「キュンキュンするのよりミステリー系のほうが好きです。青春モノを観ると『いいなー。こんなの私にはないよ!』って、苦しくなっちゃうので(笑)。殺人とか爆弾とか、謎を解いていくほうがハマります。『砂の塔~知りすぎた隣人』とか、そっち系。『夜行観覧車』も大好きでした」。

――ドラマから映画と続く「咲-Saki-」では浜辺美波さん、山田杏奈さんら同世代の女優さんと共演しましたが、アイドルとは違う空気感もありました?

「美波ちゃんは私と正反対でした。おしとやかだし本当に一生懸命で、1コ年下には全然見えなくて。私が大雑把だからかもしれませんけど(笑)。オーラが私やあいちゃん(廣田あいか)は原色系だと思うんです。それぞれのグループでも色モノなので(笑)。女優さんはパステル系のイメージがあって、美波ちゃんなら水色という感じがします。青系でも私なんかは蛍光の紺とかだから、ああいうふうにはなれない。すごく清純で『正統派とはこういうことなんだ』と思いました」。

――この作品に出演する以前は、麻雀に馴染みはなかったですよね?

「なかったです。撮影の1ヵ月前に先生を付けていただいて、その稽古に入る前に入門書をもらって、とりあえず牌の呼び方とか最低限のことは覚えていきました。ルールは難しかったし、そもそも『いち、に、さん、よん』じゃなくて『イー、リャン、サン、スー』だったり、マンズ、ピンズ、ソウズとか言葉を覚えるのが第一関門でした。でもルールを覚えたら奧が深くて、楽しいゲームだと感じました」。

――自然にハマれたような?

「はい。役を覚えれば覚えるほど、『こうしたらもっと点数が高くなる』と考えられたりするので。先入観で麻雀は大人がタバコを吸いながらやるイメージがありましたけど、実際は本当にクリアでオセロとかと変わらない。中高生とか、もっとたくさんの人にやっていただきたいです」。


――山田杏奈さんに取材したとき、清澄高校の5人でガチで対局したら「梨奈ちゃんが一番強い」とのことでした。

「私、負けるのがイヤで。演じた和(のどか)の理論派の打ち方と違って、どちらかというと優希みたいに『早く上がって逃げ切ろう』というタイプですけど、監督に『牌の扱い方が一番上手かった』と言ってもらえて、うれしかったです。『麻雀を心から愛してあげないと和になれない』と思って、誰よりも早く覚える努力はしていたから」。

――和は麻雀の全国中学生大会のチャンピオンで、ただ打てるだけでなく、強く見えないといけないわけですよね?

「だから牌を借りて、家でもずっと打ち方を練習しました。指に挟んでクルクル回したり、倒したり重ねたりするのも中学チャンピオンだったから一番速く、きれいに、慣れた手つきでやらないと、観る人も気持ち悪いだろうし。本当はマナー違反の強打も、あえてやりました。映像ということで、音を立てて。そしたらドラマを観たファンの方に『めっちゃ強打してる』とツイッターでいっぱい書かれて、『違うんだよ~!』という。でも気合いが入ると、本当に強く打っちゃうんですよね」。

――手さばきもカッコ良かったです。

「合宿を経て県大会に行った和は、親指で牌を持った瞬間、何を引いたか感じ取って、すごい高速で場に出していくので、できるだけスピーディーに持ってきて出す練習はしましたね。あと、原作にもあった右手でポンしてカッとやって、カッと持ってきてタタタターみたいなところは……伝わってます(笑)?」。

――最後に両手を広げてキメるところですね。

「あそこはマジで何回も練習したし、本番でも何回もやりました。腕の角度とか、いかにスムーズにシャンシャンできるか。1回1回集中して、OKが出た瞬間、『今日は終わった』と思ったんですけど、撮影はまだ全然ありました(笑)」。

――一方で、和はお嬢様でもあって、言葉づかいも丁寧で。

「言い慣れなさすぎて、どうしようかと。おしとやかに……とか、『ムリじゃね?』と思ったんですよ(笑)。事前の稽古で、まず歩き方から『おしとやかじゃない』と言われました。どうすればいいかわからなくて、いろいろ試行錯誤して、一周回って普通に歩いても違う。どうしても後ろ重心になりがちで、かと言って前重心にしたら違和感がすごくて。やっと見つけた方法が、土踏まずに力を入れること。いいバランスで歩けました。ガニ股でなく内股にもなり切らず。ただ、土踏まずには実際は力が入らないので、そこに力を入れる感覚で歩いていると、すごい筋肉痛になりました」。


――何でもないようなシーンでも、そんな苦労があったんだ。

「そうです。ドラマの1話の咲の栞を取ってあげてから歩くシーンは、慣れてなくて一生懸命歩きすぎていて反省しました。原作通りリュックサックを両手持ちにしていたんですけど、脇がめっちゃ締まっていて(笑)」。

――話し方は、合宿でずっと撮っていたりすると、逆に普段も丁寧になったり?

「ならなかったですねー。よく『役がうつる』と言いますけど、私はそこまで行けなくて。カットがかかって5分の休憩中に普通に戻っていました。『えっ、マジで?』とか(笑)。私も先輩に敬語は使いますけど、和ちゃんのは本当に丁寧。お嬢様ってすごいなーと思いました」。

――でも5分経って撮影に戻ったら、また切り替えられて?

「一生懸命やってました。ただ、和ちゃんの性格だと、上辺だけで『麻雀を好き』と言っているような人はイヤだろうし、そこは私も同じです。自分が本気で好きなものをミーハーな感じで言われると、マジでイヤなんですよ。だから心から麻雀を愛することが大事だと思って、突き詰めました。クランクアップして、今でも携帯麻雀をやっているぐらい、好きになれました」。

――和はいい子ですよね。気が強い優希が大泣きできるように、さり気なく咲を連れて仮眠室に行ったり。

「あまり感情を外に出さない子ですけど、麻雀に対する愛や仲間への思いやりが、後半になるにつれてだんだん出てきます。優希ちゃんとは長年一緒にいるので、彼女のことをわかっていて思いやっているのが、しっかり出た場面だったかな」。

――友だちにしたいタイプ?

「和ちゃんみたいな子がいたら、好きになってますね。だって、すごく熱を持っていて頑張り屋さんなうえに、めっちゃかわいくて……。今のは原作の話ですよ。実写の私のことじゃないですよ(笑)。それにスタイルも良くて女の子らしいし、『欠点はどこにあるんですか?』って感じ。私はわりと男勝りな性格なので、仲良くなるより、一歩引いて好きでいると思います。雲の上の存在、みたいな」。


 
 

キャッチフレーズに頼らずに
自分の知名度を上げたいです

 
 
――見た目も原作の和に寄せられましたね。

「髪は初めて染めて、ピンクベージュにしました。原作通り思い切りピンクにしたらコスプレ感が強くなるので、茶色を残して明るく。その分、リボンは原作では赤なのを、あえてピンクにしました。巨乳だから制服のサイズは誰よりもキツく、スカート丈も履いてないように見えるほど短く。背筋を良くすることや絶対領域にも気を付けました。まあ、2次元とまったく一緒というのは難しくて。私はKカップなんて持ち合わせてないし、肌も白くないし。でも、美波ちゃんの咲も杏奈ちゃんのまこもめっちゃ似ていたので、和も少しでも似せなきゃと頑張りました」。

――和はペンギンのぬいぐるみを抱いて対局にも臨んでいますが、梨奈さんにも大事にしているぬいぐるみ類はあります?

「ベッドの上はぬいぐるみに占領されています。特に昔の『プリキュア』のポルンちゃんというキャラクターのぬいぐるみは、私が5歳か6歳の頃から10年以上ずーっと一緒にいて、いまだに抱いて寝ています。黄ばんで汚いんですけど、汚いところすら愛おしくて。この前、『ぬいぐるみの病院』というのを見つけたので、まだ壊れてませんけど、何年かして壊れたら連れて行ってあげなきゃと思うくらい、大事にしています」。

――ということは、20歳を越えても一緒に寝たいと?

「あの子だけは一生連れ添うだろうな。他にもリラックマとかディズニーのキャラクターとかエルモとか『アイドリッシュセブン』や『ラブライブ!』のとか、ぬいぐるみですごいことになっていて。私、ベッドで肩身が狭いですもん(笑)。寒いと思うので、一緒に布団に入れてあげるんです。ヤバイやつなんですよ、私(笑)」。

――地方遠征に連れていったりも?

「ポルンちゃんは連れていきます。基本泊まりのときは、海外でも。北海道や九州も、茨城での撮影にも一緒に行きました。“荷物になる”とかは思いません。写真集の撮影でハワイに行ったときは、飛行機のなかで抱いて寝ました。毛布を掛けて、機内テレビを観て『面白いね』とか言いながら」。

――話し掛けたりもするんですか?

「私、しゃべり掛けちゃうんですよ。見つめているとポルンちゃんが話し掛けてくるから、『うん、うん』って。家でもいつも『おはよう』と『おやすみ』は言ってます。もう一回言いますけど、私、ヤバイやつなんです(笑)」。

――和と咲が手をつないで眠ったり、対局を交代するときにハイタッチから手を握り合うシーンもありますが、ああいうのはSUPER☆GiRLSでもやったりします?

「手をつないで寝ることはないです(笑)。何かに行く前に『頑張ってね』とかはありますけど、あんなにカッコ良くパーンというのはないですねー。ただ、1人がどんなに頑張っても結果はチームで出すから、みんながひとつにならなきゃいけないのは、麻雀部の団体戦と同じだと思いました」。


――梨奈さんは「理論派の打ち方はしない」とのことでしたが、日常でも理論派ではないんですか?

「勢い派ですね(笑)。何でも勢いで突破して生きてきました。データとか知りません。説明書も読まない人間です。見ても『もういい! やる!』で何とかなっちゃうので。もしわからなくなったら、諦める(笑)。面倒くさいから」。

――今後もスパガの活動やグラビアに加えて、女優も声が掛かればやっていこうと?

「何に関しても、自分に需要があればやりたいです。高橋みなみさんとレギュラーをやるために頑張っているので、不純ですけど(笑)、その目標は単純なようで難しいことだから。タレント力を上げないとバラエティには出られないし、求められる存在になれるようにコツコツ頑張っていきたいです」。

――グラビアも同じ姿勢で?

「やっていくほど、グラビアに対するプライドや『こうしたい』という気持ちが芽生えてきました。それはいいことだと思うので」。

――“1000年に一度の童顔巨乳”というキャッチフレーズにもプライドを持ってます?

「いやもう、普通に大人の顔になってきちゃったんですけどね。もともと年相応の顔と思っていたから、『話題性にありがとう』という感じでしたけど、篠崎愛ちゃん、天木じゅんちゃん、まりちゅう(長澤茉里奈)、私……と並ぶと『うーん?』となっちゃう。そろそろキャッチフレーズに頼らず、個人としての自分の知名度を上げていきたいと思います」。


――プライベートでは新たな趣味とかできました?

「ずっとですけど、お菓子作りが好きです。私の夢は、パティシエとかのほうに行くことなので。今は高2ですけど、将来は専門学校に行きたいと本気で考えています。なので、合間の時間に少しでもお菓子作りをしたくて」。

――本格的に作っているんですね。

「粉から作ったりもします。盛り付けのセンスがないので、見た目にも磨きをかけたいですけど、味はおいしいですよ。この前はフォンダンショコラを作りました。なかからチョコが溶け出してくるケーキ。よく作るのはガトーショコラやマドレーヌ系。あと、知り合いが米粉クッキーを作っていて、私もアイシング(着色した砂糖などでのコーティング)と一緒にやりたくて。絵のセンスもないので、頑張らないと」。


――麻雀も趣味になりそう?

「そうですね。難しそうな印象がありましたけど、実際始めたらすごく楽しかったし。『咲-Saki-』の実写化に当たって『たくさんの方に麻雀を身近に感じてほしい』という想いもあります。ドラマを観て麻雀を始めたという女の子のファンや、昔やっていてまたやり始めたという男性の方もいて、ひとつクリアできたかな。映画ではたくさんのかわいい女の子たちが白熱したバトルをしているので、観て麻雀を好きになってくれる方がさらに増えたらいいなと思います」。

 
 


 
 

浅川梨奈(あさかわ・なな)

生年月日:1999年4月3日(17歳)
出身地:埼玉県
血液型:B型
 
 

【CHECK IT】
「avexアイドルオーディション2012」に合格し、iDOL Streetストリート生の3期生に。2014年2月よりSUPER☆GiRLSに“第2章”メンバーとして加入。グループでの活動の傍ら、水着グラビアで数々の雑誌の表紙・巻頭を飾り、“1000年に一度の童顔巨乳”と話題になる。2017年1月に1st写真集「なないろ」(講談社)を発売。女優として2016年12月公開の映画「14の夜」などに出演。麻雀青春コミック「咲-Saki-」の実写化プロジェクトでメインキャラクターの原村和役。2016年12月放送のTVドラマ版(TBS・MBS系)に続き、映画版が2月3日(金)より公開。
 

詳しい情報はSUPER☆GiRLS公式へ

 
 

「咲-Saki-」



 
(C)小林 立/SQUARE ENIX・「咲」プロジェクト
 
 

直筆サイン入り自撮りチェキ応募はコチラ⇒