PICK UP ACTRESS 白石聖

PICK UP ACTRESS 白石聖

PHOTO=草刈雅之 HAIR&MAKE=鷲塚明寿美
STYLING=北川沙耶香 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

映画「栞」で主人公のしっかりした妹役
「PRINCE OF LEGEND」のヒロインも

 
 

――8月に20歳の誕生日がありましたが、当日は盛り上がったんですか?

「ドラマの撮影があって現場でお祝いをしていただいて、家に帰ってから、また母にお祝いしてもらった感じです」。

――日付が変わる瞬間は、「さよなら10代」的な気持ちにもなりました?

「あっという間に10代が過ぎちゃった感じはしました。20歳になってから『ああ、本当に終わっちゃったんだな』と、ちょっと寂しく思うこともあったんですけど、お酒が解禁になったのは楽しみ(笑)。人とのつき合い方も変わっていくのかなと思います」。

――もう飲んでいるんですか?

「宅飲みだけです。でも、全然飲めません」。

――映画「栞」は去年の6月に撮影したそうですが、劇中での聖さんと今の聖さんの見た目が、結構変わった印象がありました。

「変わったと思います。自分でも試写を観て『これ誰?』って思いました(笑)。自分なのに幼く見えたし、時の流れの速さを感じました」。


――1年ちょっと前とはいえ、ちょうど変わる時期だったんでしょうね。

「時間が経ってから観ると、もともと自分の映像を観るのがあまり好きじゃないこともあって、『ここはもっとこうすれば良かった』とか、やっぱり思ってしまいました」。

――女優としての成長も大きかったでしょうから。撮影期間中のことを何か、今でも覚えていたりはしますか?

「あまりいい話ではないかもしれませんけど、泊まっていたホテルがちょっと怖くて(笑)。友だちに『今こんなところにいるよ』って部屋の写真を送ろうとしてスマホで撮ったら、ぼやけた斑点みたいなものがたくさん写り込んでいたんです。肉眼では見えなかったんですが、私はそういうことが初めてだったので『ホコリかな?』と思ったら、どうやらそうでもなかったらしくて……」。

――他にも何かあったんですか?

「寝ているときにも足元のほうで何かヘンな音がして、冷蔵庫の音かと思っていたんですけど、あとで監督と話したら、他の共演者さんの部屋にはお札が貼ってあったそうです。私が見たり聞いたりしたものは、あながち気のせいでもなかったみたい。私はそういうことはあるだろうなとは思いつつ、まさか自分の身には起こらないと思ってました。いい思い出ではないですけど(笑)、そんなスピリチュアルな体験がありました」。

――貴重といえば貴重な体験かも。映画のほうは、聖さんが演じた高野遥の兄で、病院勤めの理学療法士の雅哉(三浦貴大)が主人公。父親の稔(鶴見辰吾)が不治の病に倒れるといった、やや重い話でしたが、演じる中で葛藤とかはありませんでした?

「私は当時、演技経験が本当にないままで入りましたけど、私のままで、役作りも『そんなにこだわらなくていい』とおっしゃってくれたので、やりやすくてありがたい現場でした」。


――遥は高校生にしては、すごくしっかりした子ですよね。病院で「兄がお世話になってます」とあいさつしたり、料理が得意そうだったり……。

「お母さんを早くに亡くして、お兄さんも家を出て、自立せざるを得なかったところはあると思います。家庭の中で子どもながらに、ある意味、母親的なものを背負わされていた部分があったので、そのひとつとして、料理とか家事ができるようになったのかなと思いました」。

――聖さんも自分でお弁当を作ったりはするんですか?

「まったく作らないです(笑)。ちょっと教わりたいですね」。

――そういう意味では、演技的に「自分のままで」というのはありつつ、必ずしも素の自分と重なる役でもなくて?

「お料理が上手とか自立してしっかりしているところは、私とはほど遠いです。ただ、兄に対する距離感やすれ違いは、多感な思春期に何となく通じるものがあるというか、私にもちょっとわかる部分ではありました。あと、監督に『陰はあるよね』と言われました(笑)。遥も陰の部分を兄にぶつけたりしているから、それで使ってもらえたのかなと思います」。

――それだけではないでしょうけど、オーディションで300人から選ばれた役なんですよね。涙するシーンが、手術前の父親と話すところなど3回ありましたが、気持ちを作る時間は必要でした? それとも、流れの中で自然に?

「自然に……ですね。泣くことに関して、プレッシャーはあまりなかったです。むしろ泣いたあとのアフターケア(?)、目が腫れてしまったり、メイクが崩れてしまうほうに気をつかいました」。

――役の気持ちになれば泣けると?

「気持ちというより、その場の空気感が特別だったので、『今、遥はこういう気持ちだ』とか考え直さなくても、自然にできました。きっと鶴見さんや三浦さんに支えられていた部分があったと思います」。


――普段は泣くことはあるほうですか?

「あまり泣かないです。泣いても許される相手があまりいないので(笑)。興奮して涙が出てくることはあるんですよ。ドラマとかを観ていて、悲しいとかではなくて『うわっ! 今の見た? ヤバイ!!』って高ぶって、『なんで泣いてるの?』と母にツッコまれることはあります(笑)。でも、悲しいとか悔しいとかで泣くことはないかな」。

――ドラマでも、悲しい場面で泣くわけではなく?

「考えさせられる作品で切ないシーンだと、やっぱり涙は出てきます。映像ではそういうことがありますけど、自分自身に関することでは泣かない感じです」。

 
 

早くに離れてしまった兄と溝があっても
本当は近くにいたいんだと思いました

 
 

――「栞」ではお兄さんに対して、最初に久しぶりに家に来たときは「何か作ってあげようか?」とかやさしく接してましたが、父親の本当の病状を知らせられると「お兄はこの家から逃げたじゃん!」と激高してました。あの兄妹の関係性については、どう考えました?

「早くに離れてしまったので、そこまで仲が良い兄妹ではなく、溝というか、内心思っていることはあるだろうなと思いました。兄に頼りなさも感じていただろうし。でも『逃げたじゃん!』とぶつかったところは、本心も出たんだろうけど、ちょっと違うことを言いすぎてしまった部分もあったんだと思います」。

――お父さんの病気へのショックだったり、自分には知らされてなかった憤りだったり、いろいろな感情が入れ混じったようでした。

「八つ当たりしてしまった部分もありました。『何か作ってあげようか?』のところを見ても、本当はお兄ちゃんと仲良くして、近くにいたいんだろうなと思います」。

――遥みたいにソファーで寝ることは、聖さんにもあります?

「あります(笑)。遥と同じようにテレビを観ながら携帯をいじっていたら眠くなってきて、ブランケットをかぶると、何か布団で寝るより気持ちいいんですよね。扇風機がいい感じに当たったりして、それで心地良くなって、寝落ちすることはあります」。


――一方、ドラマから映画と続く「PRINCE OF LEGEND」ではヒロインを演じています。14人もの王子に想われるヒロインというのは、気分良いものですか?

「いや……。そうでもないですね。むしろ、現場で女性キャストがいないのがキツかった部分もあります。居場所がないので。でも、私が演じた果音もずっと居場所がないと感じていたので、そこは同じだったかもしれません」。

――果音について「一番たくましいかも」とコメントしてました。

「そうなんですよ。最初に出た予告映像だと、逆ハーレムみたいなものかと思われるかもしれませんけど、実はそういうことではないんです。あれは劇中で果音が演技している部分が使われていたので、彼女の本性はまだ解禁されていませんでした」。

――王子キャラの男性はいいと思います?

「それはあまりないですね。でも私、『うたプリ(うたの☆プリンスさまっ♪)』が好きなので、応援してくださる方からは『うたプリが現実化してきたね』とコメントをいただいていて、確かにそうなのかなと思ったりはしました。でも、現実の男性に王子は求めません」。

――現実にいたら、引いてしまうような?

「うーん……。たぶん私のほうが男らしい部分があるので、逆に任せてほしいと思います(笑)」。


――「うたプリ」では美風藍推しなんですよね?

「そうです! 現実にいてくれたら、めちゃくちゃうれしいですけど、藍ちゃんはロボットなので、さすがにロボットまでは求めません(笑)」。

――それにしても、また大きなプロジェクトのヒロインに抜擢されましたね。相次ぎ大役を掴んでいくのは外野で見ている分には爽快ですが、ご本人的にはどんな心境ですか?

「(取材日時点では)まだどちらも公開されてなくて、観てくださった方の感想は入ってきてないんです。これから実感できればいいなと思います」。

――単純に忙しくなってきてますよね?

「まあ、去年初めて取材していただいたときと比べたら、そうなのかもしれないです」。

――もともとは声優志望でしたよね?

「はい。もちろん今もやりたいです。自分が本当にやりたいことは根本に残っているので、そこは変わりません。もちろん表に出るのも楽しいし、本職として今から声優になりたいわけではないですけど、せっかくこの世界でお仕事しているなら1回くらいやりたというのは、ずっと変わらないです」。


 
 


 
 

白石聖(しらいし・せい)

生年月日:1998年8月10日(20歳)
出身地:神奈川県
血液型:A型
 
【CHECK IT】
原宿でスカウトされて、2016年6月にドラマ「AKBラブナイト 恋工場」(テレビ朝日)で女優デビュー。これまでの主な出演作はドラマ「仰げば尊し」(TBS系)、「先に生まれただけの僕」(日本テレビ系)、「Missデビル 人事の悪魔・椿眞子」(日本テレビ系)、映画「ハルチカ」など。ドラマ「PRINCE OF LEGEND」(日本テレビ/水曜24:59~)に出演中。ラジオ「白石聖のわたくしごとですが…」(文化放送「レコメン!」内/火曜23:30頃~)にパーソナリティで出演中。映画「栞」は10月26日(金)より新宿バルト9ほか全国順次公開。10月28日(日)放送の第5回「ドラマ甲子園」大賞受賞作品「キミの墓石を建てに行こう。」(CSフジテレビTWO/19:30~)に出演。2019年春公開の映画「PRINCE OF LEGEND」に出演。
詳しい情報は公式HPへ
 
 

「栞」

詳しい情報は「栞」公式HPへ
 

 

 
 

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