FRESH ACTRESS 鶴嶋乃愛

FRESH ACTRESS 鶴嶋乃愛

PHOTO=河野英喜 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

「仮面ライダーゼロワン」で女優デビュー
モデルと別の顔で秘書型AIロボ役を好演

 
 

――乃愛さんはモデルとして活躍してきて、「仮面ライダーゼロワン」のイズ役で女優デビュー。演技は以前からやりたかったそうですね。

「小学6年生でお仕事を始めたときから、ずっとやりたいと思ってました。地元の高知から通っていたので、女優のオーディションを受けたのも『仮面ライダーゼロワン』が初めてで、決まってビックリしました」。

――ドラマや映画はよく観ていたんですか?

「小学5年生くらいから1人で映画を観に行ってましたし、ドラマも小さい頃からよく観てました」。

――小5の頃にどんな映画を?

「刑事モノとかジブリとか、いろいろです。初めて1人で映画館で観たのは『コクリコ坂から』でした」。

――特に好きな映画というと?

「『渇き。』ですね。シリアスなミステリーはすごく好き。同じ映画を何度も観るタイプで、『渇き。』は30回以上観ました。BGMのように流して観たりもします。あとは、福山雅治さんの『SCOOP!』も繰り返し観ましたし、昔のディズニー映画も好きです。『白雪姫』や『不思議の国のアリス』のレトロな雰囲気が良いんです」。


――イズは秘書型ヒューマギアですが、オーディションからそういう役柄として受けたんですか?

「AIのイズと(仮面ライダーバルキリーに変身する)唯阿の役を交互にやりました。私は普段から『AIっぽい』と言われていて(笑)、イズのほうがしっくりきました」。

――どんなときに「AIっぽい」と言われるんですか?

「ボーッとしているときもあるし、私、偏食なんです。好きなものはいっぱい食べますけど、食べないときは『本当にヒューマギアなの?』と言われるくらい、全然食べません」。

――どんな好き嫌いがあるんですか?

「お肉は好きですけど、野菜は全然ダメで、お寿司も食べられるのは5種類くらい。食べられないものが多くて、健康に良くないジャンクフードやグミとかお菓子が好きなんです(笑)」。

――感情の起伏もあまりないほうですか?

「1人でいるときは激しくてワーワー言ってますけど(笑)、人といるとスンとしていて、ヒューマギアっぽいです」。

――普段はロングヘアですよね。

「イズではウィッグをしていて、見た目が全然違います。知り合いも鶴嶋乃愛とイズは別人として観てもらっているみたいです」。

――演技レッスンも受けてなかった中で、イズを演じるのに試行錯誤はあったんですか?

「意外となかったです。1・2話の台本をもらって、家で何度か読んでいたら、自分の中でイズの理想像が仕上がって、監督に見せたら『いいんじゃない?』と。それから監督と話し合って決めた部分もありますけど、あまり悩むことはなかったです」。

――お腹の前で両手を重ねるポーズが、普段もつい出ちゃったりはしません?

「そんなにないですね。イズのときは声を高めにしたり、話し方に抑揚をつけないようにもしますけど、現場で『始めます』と言われたら切り替えるタイプで、ギリギリまで鶴嶋乃愛でいます」。


――初演技で切り替えは自然にできているわけですか?

「私はひとりっ子で妄想癖があって、自分で何役もやるひとり遊びを昔からしていたんです。お姫様も王子も自分でやったり(笑)。そういうことが役立っていると思います。小説を読んでいても、光景とかは細かく思い浮かびます」。

――ある意味、ひとり遊びが演技レッスンみたいになっていたんでしょうね。イズはちょいちょい面白い動きもしますよね。後ろのほうからタブレットを覗こうとして、ぴょこぴょこ背伸びしてたり(笑)。

「6・7・8話の監督がイズにユーモア溢れる演出をつけてくださってから、そういうのが増えました。ロボットとして演じていたイズを崩されたというか、面白おかしくしてもらえて。人間の役だといろいろな感情表現ができますけど、AIのイズは一定のテンションの中で、『こういうのはできる?』と要求してもらえると、お芝居している感覚が持てて嬉しいです」。

――仮面ライダーゼロワンに変身する或人に「滅亡迅雷.netがやって来ました」とかジェスチャーで伝えたところは、爆笑しました(笑)。

「あれは緊張しました。監督に『楽しみにしてるね』と言われて、自分で動きを考えてやったら、そのまま一発OKで使ってもらえました。本当はあんなに長くなる予定ではなかったみたいで、『ゼロワン』が始まって初めて『よっしゃ!』と思いました(笑)」。

――他に印象深い回はありますか?

「12・13話のお兄様(旧世代型ヒューマギア)のワズとのシーンは、すべて思い出深いです。イズに初めて感情が芽生えて、私の中で大切なお話になりました」。

――夏場の撮影ではイズは大変だったそうですね。

「この衣装は通気性が悪くて、ウィッグもかぶって耳にモジュールも付けているから、もう暑くて……。頭がクラクラして倒れそうになってました。冬場は耳元が暖かくていいです(笑)」。


 
 

映画では感情を出す場面に力が入って
手の甲に自分の爪の跡がついてました

 
 

――公開中の映画「仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション」では、どんな場面が印象に残っていますか?

「テレビシリーズでは見ることのない、イズの感情がバーッと出るシーンがお気に入りです。人間が感情を出すようなお芝居ではダメで、ヒューマギアとしてどこまで出していいのか、苦戦しました。監督から『もっと出していい』と言われながら、どういう声のトーン、表情、テンションでやればいいかいろいろ考えて、何回もやりました。胸に両手を当てていて、OKが出た頃には手の甲に自分の爪の跡がついていたので、すごく力が入っていたみたいです」。


――イズに「私も夢を持ちたいと思いました」という台詞がありました。乃愛さんの今の夢は何ですか?

「夢は毎日のように出てきますね。お仕事に限らず『あれやりたい。これやりたい』という。アンティーク調の家具を一気に買い揃えたい、とか(笑)。あと、パリとかヨーロッパに海外旅行に行きたいです」。

――東京で暮らすようになってから、生活で戸惑いはありませんでした?

「実家では掃除や洗濯は全部お母さん任せで、料理もしたことなかったんです。でも、ひとり暮らしを始めたら、意外と何でもできました。料理もカボチャのクリームパスタとか照り焼きチキンとか、いろいろ作ってます。最近はSNSで情報が豊富なので、調べたら何でもできます」。

――オフの日は何をしているんですか?

「友だちと約束して遠出することもありますけど、何もなければ家から一歩も出ません(笑)。行くとしても美術館で、屋外には出ませんね」。

――美術鑑賞が好きなんですか?

「好きです。アンリ・マティスさんの絵のポスターとかいろいろ集めていて、この前はポストカードを買いまくったら、友だちに引かれました(笑)」。

――来年は仕事でさらに躍進が見られるかと思いますが、目指す女優像はありますか?

「私、モデルさんとか女優さんとか、自分がやっていることに関しては目標や憧れを作らないようにしているんです。好きなのは女の子のアイドルさん。すごくキラキラしてますよね。私も小さい頃の最初の夢はアイドルでした」。

――どんなアイドルが好きなんですか?

「BLACKPINKさんはライブに2回くらい行きました。あとは乃木坂46さんや、指原莉乃さんがプロデュースする=LOVEさん、≠MEさんが大好き。大谷映美里さんと番組を一緒にやらせていただいていたことがありますけど、もともと曲を聴いてました。アイドルさんはキラキラしている裏ですごく努力していて、ドキュメンタリーを観るのも好きなんです。乃木坂46さんの『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』は何回も観て、何回も泣きました」。


――「仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション」に出演した生駒里奈さんが倒れる場面もありました。

「途中で『君の名は希望』を歌うところでも必ず泣きます。私は西野七瀬さんが好きだったんですけど、卒業されて、今は寺田蘭世さん推し。ファッションセンスがオシャレで『古着が好き』と言われていて、素敵な趣味を持ってらっしゃると思います」。

――モデルさんらしい見方ですね。

「私も古着を買いに高円寺に行ったりしますけど、自分の外見や見せ方にこだわりがある方は魅力的だと思います」。

――イズのいでたちにも、乃愛さんのこだわりが入ってますか?

「衣装は決まっていて、キャラクターデザインを見て、かわいいと思いました。ウィッグの前髪パッツンは自分が納得いくようにしたくて、いつも通っている美容師さんに相談したりします。これが三つめなんですよ。ネイルの色も自分で提案させてもらいました」。

――お話を伺っていると、乃愛さんは何でもできちゃうみたいですね。苦手なことはないですか?

「たくさんの人と関わることが苦手です(笑)。ひとり映画もひとり焼肉も大丈夫で、限られた人とは1対1でも会えますけど、3人とか4人で会うことは絶対しません。学校でも休み時間はひとりで本を読んでいて、部活もやってませんでした」。

――「ゼロワン」の現場には馴染んでいるんですよね?

「最初は自分の分厚い壁の中に籠りがちでした。唯阿役の井桁弘恵ちゃんが私が人見知りと聞いたらしくて、最初から話し掛けてくださったりして、徐々に馴染めました。でも、たぶん団体行動には向いてません」。

――そこを克服しようと頑張りはするんですか?

「それに関して、今は頑張らないです(笑)。たまに思い悩んでも、ストレスになることはやらないので(笑)」。

――では、来年頑張ろうと思っていることは?

「今やっていることは頑張りたいです。ずっとモデルをやってきたのが、今年『仮面ライダーゼロワン』に出させていただいて、人生の新たなページができました。来年もまた何かで、さらにワンステップ上がっていけたらいいなと思います」。


 
 


 
 

鶴嶋乃愛(つるしま・のあ)

生年月日:2001年5月24日(18歳)
出身地:高知県
血液型:B型
 
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2013年に「ピチレモン」(学研)のピチモオーディションでグランプリを受賞。2016年から「Popteen」(角川春樹事務所)で専属モデルを務める。2019年からWebマガジン「EMMARY」の4代目編集長に就任。ドラマ「仮面ライダーゼロワン」(テレビ朝日系/日曜9:00~)に出演中。映画「仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション」が公開中。
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「仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション」


 

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