PICK UP ACTRESS 黒崎レイナ

PICK UP ACTRESS 黒崎レイナ

PHOTO=松下茜 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

1986年が舞台のドラマ「ハイポジ」でヒロイン
二度目の青春を送る主人公の初恋の同級生役

 
 

――ドラマ「ハイポジ 1986年、二度目の青春。」でヒロインの小沢さつきを演じてますが、レイナさんは前回の取材の撮影中、ずっと中森明菜さんの「スローモーション」を鼻歌で歌っていて(笑)。劇中でも流れる昭和歌謡に興味あったんですか?

「もともと歌謡曲が好きで、原作を読んだら、ほとんどの曲を知ってました。ドラマの毎回のタイトルにもあの時代の曲名が使われていて、私の好きな安全地帯さんの『恋の予感』もありました」。


――お母さんの影響とか?

「親が音楽を好きで、ステレオで『愛はかげろう』とか『最後の雨』とか流していて、私も自然に歌謡曲を好きになりました。今のJ-POPと違う魅力があって、私の邦楽プレイリストの半分は昔の歌謡曲です。昭和の恋愛模様や人間模様が浮かびます」。

――中でも安全地帯が好きなんですか?

「好きです。特に『Friend』は玉置浩二さんの哀感漂う歌声が良いなーと思います。悲しいバラードで、感情がすごく伝わってきて、ホロッとして……。ゆっくりめで切ない曲調が、自分の中で入りやすいかもしれません。あと、中森明菜さんとか当時のアイドルも好きで、小さい頃から聴いてました」。

――とは言え、さつきが1人で「翼の折れたエンジェル」を聴いていたカセットウォークマンは、見たことがなかったのでは?

「初めて見て、『これがウォークマン? デカっ!』と思いました(笑)。ロボット感があって、どう開けるのかもわからなくて。カセットテープも触ったことがなかったんですけど、憧れの昭和時代に触れられた気がして、嬉しかったです」。

――他にも、劇中の86年と現代との違いを感じたことはありますか?

「今は携帯で情報とか何でも仕入れられて、連絡もピッと相手に飛ばせますけど、昔は待ち合わせに何かあって遅れても、相手に知らせられず、『あれ? 来ないな』みたいなすれ違いが起きたりしますよね。今の時代にない不便さが、何か良いなと思いました(笑)」。

――主人公の天野光彦は魂は46歳のまま、30年前の高校生の自分の中に戻って、初恋の相手だった同級生のさつきと遭遇しました。さつきには男子が憧れる美少女感が漂っていますが、見せ方とかで意識したことはありますか?

「さつきは一匹狼なところがあって、周りが素性を知らなくて、本人も話さないからこそ、高嶺の花というか、気になる存在になるのかなと思います。さつきとして現場にいるときは、他の人とあまりお話しないようにしていました」。


――カメラが回ってないときでも?

「そうですね。感情が出なさすぎても表情が死んでしまうから、あんばいが難しいんですけど、さつきは基本家族としか話さないので、その部分が見せられるように意識しました。クラスのマドンナということで、みんなの視線がこちらに集中するのは、経験なくて恥ずかしかったです(笑)」。

――レイナさんも普通に男子の視線は集めそうですけど。

「それはないです。私はさつきと真逆で、みんなと話したり遊んでいたので、『高嶺の花子さんはこういう感じなんだ』と新鮮でした」。

――さつきは台詞が少なくて、何を考えているかわからないところがありますが、光彦のことは最初から気になっていたのでしょうか?

「私は最初、『変な人だな』と思っていました(笑)。挙動不審で、話し言葉がお父さんっぽい。さつきとしても『何だろう?』みたいな感覚でしたけど、不良に絡まれて反撃したときに見直したんだと思います。いつもナヨナヨしてますけど、たまに男らしさが出るのは、女の子が惹かれるギャップですね」。

――そうなんでしょうけど、その前からウォークマンを一緒に聴かせたり、「翼の折れたエンジェル」のテープを「気に入ったなら」とあげたりもしていました。

「他の男の子にはしなかったでしょうね。でも、天野は自分の真正面に立って『聴きたい!』みたいな気持ちを出していて。今まで周りの男子は遠くから見ている感じだったから、新鮮だったのかなと思います。悪気もないようだったし、『一緒に聴く?』みたいな感覚でお芝居しました」。

――不良に絡まれたシーンでは、さつきが2人をやっつけて光彦を助けました。アクションの練習はしたんですか?

「前からキックボクシングをやっていたんです。『仮面ライダーエグゼイド』で8㎝のヒールを履いて跳び蹴りをする役を演じたので(笑)、体幹を鍛えようと思って。でも、ああいう立ち回りはしたことがなくて、撮影前に裏でちょっと蹴りを練習していたら、筋肉痛になってしまいました(笑)」。


――どの辺に来ました?

「下半身全体に。ちょっと動いただけなのに……って自分の体の鈍さに驚きました(笑)。そのアクションのあとに天野を連れて走るシーンがあって、脚がもつれそうでした。私は足の速さは平均ですけど、男性と比べたら遅くて。私が天野を引っ張って走るはずが、どんどん天野が前に出て、私が引っ張られる感じになりました(笑)。でも楽しかったし、アクションも少し披露できて良かったです」。

――かつ、手を繋いで走るって胸キュンですよね。後半にもそういうシーンは出てくるんですか?

「回を追うごとにさつきの感情が出て、天野との距離が徐々に縮まって、演じていてもドキドキしました。スタッフさんに『フーッ!』と言われたシーンもあります(笑)。さつきのおばあさんの喫茶店で天野と一緒にアルバイトするようになって、仕事をしないといけないのに天野のことが気になりつつもあるので、『私のことをどう思っているんだろう?』とつい考えてしまう。そんなドキドキ感を楽しんでいただけたら」。

 
 

「ハムラアキラ」で髪をオレンジに染めて
目の前が真っ白になる感覚を味わいました

 
 

――時代は違いますが、自分の高校時代も思い出します?

「いろいろなタイプの人がひとつの教室にいて、みんな元気。『高校生のエネルギーってこんな感じだった』と思いました。黒崎的に『みんな仲良くて楽しそうでいいな』と、さつき的に『何か騒がしいな』と、二つの気持ちで楽しんでいました」。

――レイナさんの高校時代はそんなに昔でもありませんが、光彦みたいにもう一度戻りたいとは思います?

「まったく思いません。高校時代は早く大人になりたかったし、やりたかったことが全部できたわけではないけど、十分楽しんだから、わざわざ戻らなくてもいいかな。でも、もし戻るなら、図書館デートをしたいです(笑)。同じ空間にいながら、しゃべりたくてもしゃべれない、微妙な距離感のあるシチュエーションに憧れます。それから、好きな人と隣りの席になって『教科書見せて』みたいな、甘酸っぱい感覚も味わいたいです(笑)」。

――それから、「ハムラアキラ~世界で最も不運な探偵~」の6・7話に、失踪した女子高生の水地佳奈役で出演します。

「初めて髪を染めました。しかも、オレンジという。最初に鏡で見たとき、『ライオンだ』と思いました(笑)。家族に『すごくない?』と見せて、キャッキャ言いながら写真を撮りました」。


――そのオレンジの髪で街を歩いたりも?

「しました。やっぱり珍しいから、皆さんの目線を感じましたね。撮影が終わったら、すぐ黒髪に戻しましたけど、その前に家でいろいろな髪型にして遊びました(笑)。編み込んでお団子を作ったり、普段は絶対しないツインテールにしたり。『エヴァンゲリオン』のアスカみたいなアニメキャラ感が出て、楽しかったです」。

――ドラマは楽しげな話ではないですよね?

「佳奈は複雑な環境で育った子で、パパ活をしていますけど、ちゃんとした理由があって。事件に巻き込まれて、すごく怖いシーンがありました。森で1月の気温が低い日に撮って、ノースリーブのワンピースの上に羽織りを着ていただけで寒かったんですけど、演技に入ったら、それどころではないくらい必死になりました。恐怖と焦りと怒りがワッと出て、目の前が真っ白になる感覚。今まで味わったことのない感情が生まれました」。

――あと、4月から来年3月までのカレンダーが発売になりました。自分の部屋にも飾っているんですか?

「大判サイズで家族はリビングの一番目立つところに飾りたいみたいですけど、やっぱり恥ずかしくて(笑)。でも、ファンの方もそういうところに飾ってくれると思うし、1年を共に過ごせるように四季折々の服やメイクや風景に、こだわりが詰まってます」。

――1年で誕生日とか以外に、自分だけの記念日はありますか?

「記念日はないですけど、お仕事ノートを作っているんですね。出演する作品のために自分がやらないといけないこと、やって感じたこと、作品を観て思ったこととか、全部メモしていて、それを見返して、『1年前のこの日はこれをしていたな』と思い返すことはあります」。

――そのノートは何冊くらいになったんですか?

「数えたことはないですけど、デビューした小6から、日記のようにつけてます」。


――そんなに続けているんですか。カレンダー合わせで、この4月辺りから始めたいことはあります?

「スカイダイビングとかスキューバダイビングとかアクティブなことをやりたいし、一人旅もしてみたいです。石川のガラス美術館に行きたくて。私は光るものが好きで……と言うとカラスみたいですけど(笑)、ガラスのオルゴールとか中身の見えるスケルトン系の作品が好きなので。あと、海外にも1人で行ってみたいです。ヨーロッパのイタリアとかフランスとかベルギーとか……」。

――ベルギーは最初に行く国としてはあまり挙がりませんが、何か目当てが?

「何だろう? チョコとかワッフルとか、甘いものがおいしそう(笑)。エジプトにも行きたいです。世界史を勉強したとき、エジプト文明に興味を持ったので。あと、趣味や特技も増やせたら。空手とかアクションに活かせることを始めたり、昔から絵を描くことが好きなので、それも仕事に活かして、グッズ化できたらいいですね」。

――やりたいことがたくさん出ました(笑)。

「でも、やっぱりメインはお芝居なので、今までやったことのないジャンルとかいろいろな作品に携わって、どんどん成長できたらいいなと思います」。

 
 


 
 

黒崎レイナ(くろさき・れいな)

生年月日:1998年11月11日(21歳)
出身地:愛知県
血液型:B型
 
【CHECK IT】
2011年にドラマ「ハガネの女 season2」(テレビ朝日系)で女優デビュー。主な出演作はドラマ「35歳の高校生」(日本テレビ系)、「仮面ライダーエグゼイド」(テレビ朝日系)、「中学聖日記」(TBS系)、「サイン-法医学者 柚木貴志の事件-」(テレビ朝日系)、映画「黒崎くんの言いなりになんてならない」、「劇場版 仮面ライダーエグゼイド トゥルー・エンディング」、「世界でいちばん長い写真」など。ドラマ「ハイポジ 1986年、二度目の青春。」(テレビ大阪/土曜24:56~、BSテレ東/土曜24:00~)に出演中。「ハムラアキラ~世界で最も不運な探偵~」(NHK/金曜22:00~)で2月28日放送の6話、3月6日放送の7話に出演。「黒崎レイナカレンダー2020-2021」発売記念のトーク&握手会を3月8日(日)に芳林堂書店高田馬場店で開催。
詳しい情報は公式HPへ
 
 

真夜中ドラマ「ハイポジ 1986年、二度目の青春。」

第7話放送に合わせ、番組公式ツイッター&インスタグラムで出演者たちと監督によるトークをLIVE配信。2月22日(土)23:30~24:45。

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詳しい情報は「ハイポジ 1986年、二度目の青春。」公式HPへ
 

 

©ドラマ「ハイポジ」製作委員会
 
 

ドラマ10「ハムラアキラ~世界で最も不運な探偵~」

詳しい情報は「ハムラアキラ~世界で最も不運な探偵~」公式HPへ
 

 

 
 
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