PICK UP ACTRESS 新木優子

PICK UP ACTRESS 新木優子

PHOTO=城方雅孝 INTERVIEW=斉藤貴志

7年越しの恋愛を描く映画でヒロイン
自分と役の共通点から人物像を掴んで

――主演やヒロインの作品が続いてますね。

「忙しくさせていただいていることは幸せだと思います。自信にもつながっています」。

――「僕らのごはんは明日で待ってる」は、新木さんが演じる小春と中島裕翔さんが演じる亮太の7年越しの物語ですが、その“7年”というスパンについて考えた部分はあります?

「撮影に入る前は『2人が過ごしてきた7年の月日を丁寧に表現できたら』と思っていました。でも撮影期間が1ヵ月あって、その1ヵ月の間に中島さんとの関係性も徐々に変わり、ほぼ順撮りということもあって、意識しなくても自然に切り替えていけました」。

――1ヵ月に7年分の時間が濃縮されていたんですね。

「自分で『何年後だからこう』とか考えなくても、自然に『今の2人の関係はこれぐらいだから、こうだな』となりました」。

――新木さん自身の7年を振り返ったりは?

「7年前は16歳? 全然変わりましたね。お仕事の量も違いますし、モデルのお仕事もまだやっていなかったので。普通の高校生から、お仕事が主軸になるようになったので、180度違うと思います」。


――当然ながら、モノの考え方も変わって?

「まず、お金に対する感覚が変わりました。高校生の頃はとりあえず友だちと遊ぶお小遣いがあって、その場をしのげれば大丈夫でしたけど(笑)、今は自分で働いて管理しないといけない。精神面でも、高校生の頃は自分のやりたいことだけを一心不乱に頑張っていたのが、今は『自分が動くことによって、見てくださる方も幸せな気持ちになれる存在になりたい』と思っています」。

――「ぼくごは」では最初の高校生時代から、スムーズに入れました?

「はい。『まだ高校生なんて最近のこと!』と思えたので(笑)。何より衣裳が制服で、気持ちも高校生に戻って楽しかったです。クラスメイト役の皆さんも、教室で本当のいちクラスの雰囲気を作ってくださって」。

――体育祭で亮太とやった米袋ジャンプは、実際難しかったんですか?

「練習ではちょっとの距離しか跳ばなかったので、『大丈夫そうだね』と2人で話していたんです。それが本番になったら、50mぐらい米袋に入って跳んで(笑)。長くなると大変でした。2人のタイミングがズレてきたり、米袋を引っ張る手が疲れてきたり」。


――この映画は本当に印象に残る場面が多くて。米袋に入って倒れた状態で告白というのも、なかなかないですよね(笑)。

「そうですね。ツンツンしながら、伝えたいことだけパッと伝えるのが小春らしいというか。実は中学の頃から亮太を想っていたので、ドキドキしていたとは思うんです。だからこそ、ああいう振る舞いになるのがかわいらしいなと」。

――小春の飄々とした変わり者っぽいトーンは、演じていてどうでしたか?

「自分のなかで小春との共通点をたくさん見つけられましたね。ポジティブなところ、ハッキリものを言うところ。そういう自分と近い部分から入って、小春のいろいろな面を見つけていくのが楽しかったです」。

――小春という人間が腑に落ちたきっかけのシーンはありました?

「最初の高校生の頃ですね。亮太に『あのさ、葉山くん、米袋ジャンプになったけど、いいよね?』と言ったり、教室での2人のやり取りで『小春はこんな女の子なんだ』という人物像が、スッと自分のなかで出来上がりました。好きな人には普通あまり近づけないと思うんですけど、小春は自分から行って話し掛けたり、死んだ人の出てくる本をいっぱい持ってきたり。そういう行動が小春らしさだと、教室のシーンで思いました」。


――土手で兄の死をずっと引きずる亮太に「私、今のところ死ぬ予定ないから」とVサインをしたのは、かわいかったですね。

「あのVサインは『小春はきっとこういうことをする』というのがあったので、アクションは起こしやすかったですね」。

――自分で観ると、あの場面はどう映りました?

「本当にインフルエンザで休んでいたのかな? って(笑)。治りかけていたと思うんですけど、好きな人が家に来てくれたわけで、うれしいのが伝わってきて、かわいらしいなと感じました」。

――「絶対ケンタッキーと同じ味にしてやる」って家でフライドチキンを作ったのも、小春の何かを象徴していたと思います?

「やると言ったら通さないと気が済まないのもあるし、『普通に買えばいいのに』と思いましたけど(笑)、そういう意地っ張りなところも小春らしいですよね」。

――あと、大学生になってラブラブだったのに、唐突にファミレスで平然と別れ話をするところは、どんなことを考えて臨みました?

「あまり考えず、当たり前のことのように言おうとしました。『もう決定事項だから』という感じで、気張らずにいつも通りで。でないと、亮太から本当に別れたいのか不審がられるので。逆に普通に行くことを意識しました」。


経験を仕事に生かすことから
新しい自分で挑戦する1年に

――小春目線でなく新木さんとしても、亮太という男性には惹かれそう?

「亮太はネガティブで草食系男子ではありますけど、その分、1人の相手に対する想いが強くて。その相手にしたら一途に自分だけを想ってくれるのはすごく誠実で、素敵だと思いました。私自身も好きなタイプの男性ですね」。

――新木さんも「ちゃんとしてる」人が好きだと?

「そうですね。2人でケンタッキーを食べているときも、亮太は手を拭くんですよね。細かいことですけど、そういうところはいいと思いました。『ちゃんとしてる』って、こういうことなんだなと」。

――ごはんを食べながらのキスシーンも初めて見ました。

「『モグモグしているところに来ないで』という心配もあったんですけど(笑)、中島さんがうまくタイミングを取ってくださって。私はただ食べていただけで、特に苦労はしませんでした」。

――全体的に、何らかの理由で時間がかかったシーンはありませんでした?

「ひとつだけ、大変だったところがありました。秘密にしていたことを乗り越えて、『2人で生きていこう』となる公園のシーンです。前日の撮影でまったく違う意味で涙を流したから、自分のなかで気持ちの切り替えがうまく行かず、すごく時間をかけてしまいました」。

――気持ち待ちの時間を取ってもらって?

「そうですね。監督さんや現場のスタッフさんが支えてくださって。声を掛けていただいたり、響く曲を聴いたりしました。星野源さんの曲でした」。

――逆に、前日の小春が珍しく涙するシーンは、そう難しくもなく?

「そこは小春の気持ちを考えて入れたので。ただ、そのシーンのことを考えすぎたから、次の日の気持ちが追いつかなかったのかもしれません」。


――『ぼくごは』は新年1月7日からの公開になります。

「寒い時期なので、この映画を観たらホッコリしていただけて、気持ちも暖かくなるんじゃないかと思います」。

――2016年は新木さんにとって、仕事的には良い年だったと思いますが、仕事以外でも良いことはありました?

「年明け早々に温泉旅行に行ったり、リラックスする時間があったのは良かったです。ちょうどそのあとから、『ぼくごは』の撮影があったので」。

――3月に取材させてもらったときは「ペン習字を始めたい」とのことでしたが。

「あーっ……。始めたんですけど、気がついたら終わっていました(笑)。まず本を買って、自分で1冊終わらせようと思ったのが、途中でやらなくなって。でも、半分ぐらいはやりましたよ(笑)」。

――12月には23歳の誕生日もありましたね。特に区切りでもない年齢ですが、23歳を迎える心境はどんなものでした?

「大学生活が終わってから初めての誕生日で、自分のなかではけっこう大きい区切りでした。実は昔、『お仕事がうまくいってなかったら、辞める年が23歳くらいかな』と思っていて。今、いろいろなお仕事をさせていただいているので、当時の自分に『どうだ!』と言いたいのもあります(笑)」。

――2017年はさらなる飛躍を期待しています。

「今までとまた違う新しい自分を見つけて、いろいろなことに挑戦する1年にしたいです。ありがたいことに年明け早々に今までやったことのない役を演じさせていただくことが決まっているので、出だしから新しい自分を見つけられたら」。

――もうペン習字をやる暇はなさそうですね(笑)。

「でも、アクティブな趣味を増やしたいと思っています。ボルダリングをやってみたいんですよね。気分転換になるし。そっちもほど良く挑戦していきたいです」。


 


 
 

新木優子(あらき・ゆうこ)

生年月日:1993年12月15日(23歳)
出身地:東京都
血液型:A型

 
 

【CHECK IT】
スカウトをきっかけに芸能界入り。2015年に映画「風のたより」、2016年に映画「インターン!」、ドラマ「ラブラブエイリアン」(フジテレビ系)で主演。現在、バラエティ「1個だけイエロー」(メ~テレ/水曜24:20~)にMCで出演中。チョコラBB、ハウスメイトのCMがオンエア中。2014年より「non-no」(集英社)で専属モデルも務めている。ヒロインを務めた映画「僕らのごはんは明日で待ってる」は1月7日(土)より公開。
 

詳しい情報は公式HPへ

 
 

「僕らのごはんは明日で待ってる」

詳しい情報は公式HPへ

高校生のときに出会い、つき合い始めた亮太と小春。亮太は無口でネガティブ、小春は太陽のように明るく超ポジティブ。2人が大学生になったある日、突然小春は亮太に別れを切り出す。実は、小春は亮太に言えない秘密を抱えていた。別れの理由がわからないまま、亮太はその後も何度も真っすぐな想いを伝えるが、小春はまったく取り合わない。社会人になり、小春の隠す真実を知った亮太は彼女のもとに再び走り出す。出会いから7年、運命の恋が再び動き始める。
●出演/中島裕翔、新木優子、美山加恋、岡山天音ほか●監督・脚本/市井昌秀●原作/瀬尾まいこ●配給/アスミック・エース
 

 

 
 

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