PICK UP ACTRESS 浅川梨奈

PICK UP ACTRESS 浅川梨奈

PHOTO=小澤太一 HAIR&MAKE=高橋亮
STYLING=椎名倉平 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

映画「リケ恋」に主演
理系女子の役で恋を検証

 
 

――ドラマに続き映画版が公開される「リケ恋~理系が恋に落ちたので証明してみた。~」で理工学部の大学院生・氷室菖蒲を演じていますが、梨奈さんには理系要素はありますか?

「勉強の要素は何もないです。学校では休み時間だけが好きで、テストは点数1ケタが当たり前だったので(笑)」。

――歌やダンスを理論的に習得したりは?

「本当に感覚で生きている人間なので、理論とかまったく考えたことがありません。理系の方の思考回路は難しいなと思いました」。

――「honey」に出演したときはバスケが得意な役ということで、SUPER☆GiRLSのツアーにもバスケットボールを持参して練習したそうですが、今回は理系女子を演じるために何かしました?

「とりあえず台本に難しい単語がありすぎて、意味をわからないまま言いたくなかったので、めちゃめちゃ調べて台本の余白に赤ペンでメモしてました」。

――“指数関数”とか“素数表現多項式”とか……。

「そうそう。ワケがわからないことだらけだったから、携帯の検索履歴が理系関連ばかりになりました(笑)」。


――でも、梨奈さんはトークの受け答えの回転が速いし、いわゆる地頭はかなり良さそう。

「たぶん。いやいや、そんなことはないです(笑)」。

――頑張れば勉強もできたのでは?

「そう言われ続けてきましたけど、頑張らないので(笑)、『やればできるから』と言われても、『いや、できません』って生きてきました」。

――劇中では難しい言葉の多い長台詞もありました。「境界線をなくす」という話題で角度誤差がどうの、速度誤差がどうのとか……。

「ドラマでもそういうのがあって、お腹が痛くなりました(笑)。練習しすぎて途中でかえってワケがわからなくなって、呪文のように唱えてましたね。本番直前までロケバスで(相手役の)西銘(駿)に確認してもらって、スタッフさんと『本番で3回以内でうまく言えたら、西銘にアイスクリームをおごってもらおう』と言ってたんですけど(笑)、2回目でOKが出ました」。

――菖蒲の見た目や振る舞いで理系っぽさを出すために意識したことはあります?

「できるだけバカが出ないように気をつけました(笑)。あと、頭の良い方って一点を見つめてしゃべるイメージがあるので、集中してブレずに真っすぐ伝える感じで、目を泳がせずに話すことは意識しました」。


――そういう頭の良い人が周りにいるんですか?

「というか、オタクと一緒だなと思いました。ジャンルが理系かアイドルかという違いだけで、オタクの人も自分の好きなことに関しては、目を見てまっすぐ伝えようとしますから」。

――なるほど。頭の良い人も、言ってみれば勉強オタクですからね。

「そう。周りがポカンとしていても自分の中では理解していて、噛み砕いて言葉を発しているわけだから」。

――そういう意味では、もともとアイドルヲタで今はゲーマーの梨奈さんにも、共通点はあると?

「どうですかね? 私はしゃべるとめちゃくちゃ早口になりますけど、好きなことを人に話すときは一点を見つめて『これはこうで』と言ってると思います」。

――メガネをクイッと上げるのもポイントでした?

「それはやり過ぎると違和感があるから、大事なところだけですね。原作を忠実に再現したかったので、現場にマンガを置いておいて、『ここでメガネを外す。ここで上げる』というのを見てました。菖蒲ちゃんは一見冷たい子に見えて、実は繊細な乙女なので、デレの部分のほうを特に意識しました」。

――「リケ恋」は恋愛感情を科学的に証明しようと、菖蒲たちが大真面目に実験をするのがおかしいですが、梨奈さんたちは真剣な表情で演技をしていました。視聴者として観たら、ツボだったのはどの辺ですか?

「映画版では、総じて桜田通さんが最高でしたね」。

――菖蒲たちとは逆に文系で、哲学を研究している神凪悠役ですね。

「現場でも笑わせてくるんですよ。相合傘の実験で、テストでは抑えて本番でおふざけを入れてくるから、笑いをこらえるのに必死。フレームアウトした瞬間、『もう無理!』って、ずっと笑ってました(笑)。あと、温泉上がりの西銘の浴衣の場面も、本当にしんどかったです(笑)」。

――西銘さんが演じる雪村心夜が「俺の浴衣姿に何か感じるか?」と腕をはだけるところですね。

「私、あそこは通さんを見ていて、西銘が現れたらあの格好だったから、本気で笑いそうになりました。通さんも笑いそうになったらしくて、終わったあとはみんなで西銘をフルボッコでした(笑)」。


 
 

演技をゼロから深く学んで
モテ方も研究したいです(笑)

 
 

――クライマックスではシリアスな恋愛模様が描かれて、菖蒲と雪村のキスシーンもありました。

「キスしている最中に柔道部員が走ってくるところで、西銘がブフッと笑ったんですよ(笑)。それで『ちょっと待って!』とNGになりました。だいぶ仲良くなっていたので『ふざけるなよ~』とか言いながら、楽しく撮りました」。

――キュンとする感じではなかったと?

「撮っているときはなかったです。出来上がったのを観たら、西銘のキスの仕方に慣れてない感じが出ていて、雪村っぽいと思いました。でも、西銘が坂道を転げ落ちてくるところは、仮面ライダー感が否めなかったです(笑)」。


――西銘さんは仮面ライダーゴーストでしたから。

「今回のキャストはほとんど、(特撮モノに出ているので)変身できる人たちなんですよ。私が唯一くらいに変身できないから、いいなと思ってました(笑)」。

――ずっと「西銘」と呼んでますが、最初からフランクな感じだったんですか?

「初めて会ったときは『西銘さん』で、その次から『西銘くん』になって、映画撮影の3日目くらいには彼が『おい、西銘』と呼ばれていたんです(笑)。たぶん桜田通さんがインして、仲が深まったと思います。通さんって全員を客観的に見ながら、いい意味で輪をグチャグチャにしてくれるんです。おかげでみんながまとまりました」。

――梨奈さんはそういう輪にすぐ溶け込めるタイプ?

「溶け込もうとします。人見知りですけど、現場ではそれが出ません。できるだけ共演者との距離を詰めておかないと、いざお芝居したら相手の感覚が掴めなかったりもするし、いろいろな作品をやらせてもらって、現場の雰囲気作りの大切さを学びました。特に自分が主演なら、スタッフさんの名前も一番に覚えるように気をつけています」。

――さすがの心掛け。「リケ恋」の合宿シーンの撮影は、実際に合宿みたいな感じだったんですか?

「秩父の山奥で1週間泊まり込みでした。時間が空いたらコンビニまでバスを出してもらって、10分くらいかかりましたけど、炭酸やお菓子をいっぱい買ってきて、パーティーもしました。夜は1人部屋がイヤすぎて、矢野優花ちゃんと鈴木つく詩ちゃんの部屋に行って川の字になって寝たり、朝6時に起きて3人で温泉に入ったりました」。

――楽しそうですね。心拍数の検証として、壁ドンや顎クイや頭ポンポンのシーンもありました。

「あれも通さんが面白くてキツかったな~(笑)。普通、頭をポンポンポンじゃないですか。通さんはポンポンポン、スリスリスリ、ポンポン、スリスリ……って、途中からリズムに合わせ始めたんですよ。それがシュールすぎて、菖蒲は心拍数を上げたくなくて無になっているのに『笑わせないで~!』って大変でした(笑)」。

――梨奈さん自身だったら、どれで心拍数が上がりそうですか?

「やっぱりポンポンかな? 壁ドンや顎クイより、頭をポンポンとか、袖をクルッとめくってくれるほうが、女の子は好きじゃないかと思います」。

――「ムード値が最高のデートプラン」という話も出てましたが、梨奈さんがそういうプランを作るとしたら?

「とりあえずドライブ。水族館や遊園地の定番コースのあとで、夜景を見に行きたいです。夜景はいいですよね。独り身だとシーズンによっては、ただ死にたくなりますけど(笑)」。


――今後、理系ネタではなくても研究したいことはありますか?

「私はありがたいことにオーディションというものを受けずにいろいろな映画やドラマをやらせてもらってきましたけど、やっぱりオーディションやワークショップを受けて、演技をゼロから深く研究していきたいです。私は飽き性なのに、お芝居はずっと楽しくやれているので」。

――仕事以外では?

「どうやったらモテるかを研究したいです(笑)」。

――梨奈さんなら何もしなくてもモテるでしょう。

「いやもう、本当にモテないので、女としての魅力を研究していきたいです。来年のクリスマスには独り身ではなくなるようになりたいです(笑)」。

――どんな女性が魅力的だと思いますか?

「隙のある女の子。よく言うじゃないですか。私からしたら『隙って何なんだ?』って話なんですけど(笑)」。

――今の梨奈さんには隙がないと?

「そう言われます。自分では隙だらけでスカスカだと思っているのに(笑)、ダメらしいので隙の勉強をしたいです」。

――自分がアイドルを卒業したので、もうアイドルは研究もチェックもしませんか?

「もう2次元に行っているので、しないかもしれないです。私がモテない理由はここですね。2次元のゲーム画面では3人の恋人がいますけど(笑)、今の推しは『オンエア!』という声優育成アプリの冠嵐真。ハムスターの被りものをしている17歳の子で、かわいいんですよ。私は基本ツンデレでクールな子が好きだったんですけど、嵐真はSっ気がまったくないし、ゲーマーでオタクでどちらかと言うと変人。モブキャラみたいな感じで、『愛してあげなきゃ』って応援したくなっちゃう(笑)」。


――熱いですね(笑)。

「今は彼らのために一生懸命仕事をしたい。3次元は諦めました(笑)」。

――さっきの「モテたい」という話と違ってませんか(笑)?

「闇が深いと人ってこうなるんですよ(笑)。なので、リアルは追い掛けないかもしれませんけど、ゲームは好きなので2次元は極めます。そっちのお仕事もしたいと思っているので」。

――声優ということですか?

「はい。すごくやりたいです。と言っても、私はまだまだ足りないところだらけなので、自分がやりたいお仕事をできるように頑張りたいと思っています」。

 
 


 
 

浅川梨奈(あさかわ・なな)

生年月日:1999年4月3日(19歳)
出身地:埼玉県
血液型:B型
 
【CHECK IT】
「avexアイドルオーディション2012」に合格して、2014年2月よりSUPER☆GiRLSに加入。2019年1月に卒業。女優としての主な出演作は、映画「咲-Saki-」、「人狼ゲーム マッドランド」、「恋と嘘」、「honey」、「トウキョウ・リビング・デッド・アイドル」、ドラマ「ファイブ」(フジテレビ)、「さくらの親子丼」(東海テレビ・フジテレビ系)など。「劇場版 リケ恋~理系が恋に落ちたので証明してみた。~」は2月1日(金)よりシネ・リーブル池袋ほか全国順次ロードショー。2019年は他に「BACK STREET GIRLS-ゴクドルズ-」(2月8日(金)~)、「クロガラス2」、「映画 としまえん」、「血まみれスケバンチェーンソーRED」などの公開が控える。
 
 

「劇場版 リケ恋~理系が恋に落ちたので証明してみた。~」

 
詳しい情報は「劇場版 リケ恋~理系が恋に落ちたので証明してみた。~」公式HPへ
 

 

 

 

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