PICK UP ACTRESS 福原遥

PICK UP ACTRESS 福原遥

PHOTO=小澤太一 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

「レンタル救世主」で天真爛漫女子の役
ストーリーの軸になる6話で恋の勝負を

――「レンタル救世主」に「グッドモーニング・コール」と観ていると、遥さんもコミカルな演技が得意になってきた感じですかね?

「えーっ!? 得意……じゃないです、全然。『レンタル救世主』も最初コメディの部分が多くて、共演者の方が個性の強い役ばかりで、自分の役は個性を出し切れていないんじゃないかと思っていました」。

――埋もれてはいけないと?

「皆さんがどんな感じで演じているのか、自分が出ていないシーンの撮影を見学に行ったりもしました」。

――遥さんが演じるハイジこと葉石りさ子は、テンションを高めてやっているような?

「めっちゃテンション高いですよね。でも今度放送の6話で、本当に天真爛漫なんだとわかると思います。すごく子どもっぽい一面をたくさん持っていて」。

――恋愛マンガのパターンに沿って、告白を成功させようとしたり。

「それを本気でやろうとしているのもかわいいなーと思うし、本当に本気なんだと伝わってくるんですよね」。


――この取材日時点で撮影直前ですが、そこを面白く見せようと?

「どうやって見せたらいいんだろう? たぶんハイジは早口でパーッと話すと思うんですけど、悩みますね」。

――さっきの「個性を出せているか」という点は、今のところオンエアを観るとどうですか?

「反省点はいろいろあります。もっと元気にやったり、表情もテキパキ、パッパパッパと変わったほうが面白いなと思ったり」。

――志田未来さんが演じる地蔵先輩にラップで「彼氏できたことない」と指摘されて、急に泣きそうな顔になったりもしました。

「そこももうちょっとできたんじゃないかと今では反省してます。最後にワーンと泣いたりしたら、面白かったのかな?って」。


――テレビで観ている分には、遥さんのハイジも十分面白いですけど、今年1月から出演していた「ウレロ☆無限大少女」での経験も生きていたり?

「それはあると思います。面白いシーンも恥ずかしがらずに堂々とできるようにはなりました」。

――それで、6話はハイジが話の中心になる回ですね。

「台詞を覚えるのでいっぱいいっぱいです。台本をもらって自分の台詞にラインマーカーを引いていたら、ピンクだらけになりました(笑)。うれしかったんですけど、ビックリしすぎちゃって。今は『どうしよう……』って不安だらけです」。

――主演した「グッドモーニング・コール」でもなかったような台詞の量とか?

「めっちゃ多いです。掛け合いだったら、やっていくうちに覚えますけど、ハイジはみんなの前で1人で自分の思いをただ伝えるので。しかも、すごいメンバーばかりだから、緊張しちゃいそう」。

――6話の台本を読んで、ハイジについて改めて考えたこともありました?

「ありましたね。まずハイジの私服が出てきて、私はかわいい感じで着飾っているのかと想像していたら、意外とカジュアルで大人っぽくて。自分ではハイジの気持ちをわかっているつもりでも、見せ方や表情がうまくできないのが悔しくて、何回もやったりしています」。

――生みの苦しみの真っ最中みたいな?

「監督と『ああしてみようか』『こうしようか』って話し合いながらやってます。全然違う形でいろいろ撮って、結局どうなるのか想像つかなくて。放送で観るのが楽しみなような、ちょっと怖いような……(笑)」。

――でも、ハイジの気持ちはわかっていると。

「たぶん、自分に自信がないんだと思うんですよ。自分の中身が空っぽだから、それがバレたら周りに誰もいなくなっちゃう恐怖心がすごくある子なんだなと。だからこそ、外側を固めたくなっちゃうんですよね。私も自信がないところは似てると思います」。

――遥さんにも自信がない部分が?

「全然ないです。外見もそうだし、お仕事をしていて自信がなくなることもあるし」。


――遥さんに「外見に自信がない」と言われても困りますが(笑)。ハイジはネットで動画を配信して人気者の自分のイメージを守ろうとしているようですね。

「自分が周りにどう見られるかをすごく意識していて、友だちの中心にいたがるような子はたまにいますよね。私も『こういうふうになりたい』と思って努力することはありますけど、本当の自分の良さを出していきたいです」。

――6話でのハイジは本気で恋している感じもあって。

「好きになったらとことん好きで、一生懸命頑張るのはハイジの良さというか。そこを視聴者の皆さんにも応援したいと思ってもらいたいんです。今までは性格が悪い子にも見えただろうし、私もそう思う部分がありましたけど、本当は素直で一途に頑張ろうとしている子だというのを、一番に伝えたくて」。

――確かに、最初はチャラい感じがしました。

「そうですよね。ベラベラしゃべって『何だ、こいつ?』と思われていたかもしれません。キャラ的にもギャーギャー言って、子どもみたいにうるさいイメージもあって。それをどう応援してもらうか、という」。

――それにしても、ハイジが恋するならレンタル彼氏の葵に本気になる展開かと思ってました。

「私もそう思ってました。葵くんにも本音っぽいこともちょいちょい言ってたので。だから、6話の台本を見てビックリしました。『薫さんのほうなんだ!』と。葵くんはやっぱり、周りからの見た目が大きかったのかな?」。

――薫には本音を言い合えるところで惹かれたようで。

「たぶんハイジの周りには、何でも言い合える人がいなかったと思うんです。本当の自分を隠して外側をいろいろ飾っていないと、自分が壊れちゃう。ちょっとツンと触られたら、バーッと崩れちゃう感じだったのが、薫さんが支えになってくれて。初めてそういう人に出会ったからこそ、すごく好きになっちゃったんだろうなと思います」。

演技で悩んでいるときは苦しいけど
終われば「一歩進めた」と思えます

――地蔵先輩に対抗して、遥さんもラップをやるんですよね?

「ラップは本当に難しいです。先生に教えてもらったんですけど、まず言葉を切るところが全然わからなくて。音程とかもわからない。先生がやるのを完コピして、言えるようになったら、自分で感情を乗せていく感じでした」。

――撮影直前ですが、もう仕上がりました?

「いやー、焦ってます。台詞も多くて、時間があと少ししかないから、今すごく追われていてハラハラしますね」。

――オンエアでどうなっているか、楽しみにしています。ちなみに、遥さんはレンタル救世主に頼みたいことはありますか?

「私、すごく忘れっぽいから、言われたことを全部メモってもらって、『1時間後にこれをやらないと』とか言ってほしい(笑)」。

――そういうのを自分では覚えられないわけですか?

「忘れちゃいます。『あれを持ったかな?』とか。『お財布がない!』って、騒ぎまくってバッグのなかを探していたら、脇に挟んでいたり(笑)」。

――ベタなコントみたいに(笑)。

「携帯やPASMOケースはよく使うから、いろんなところに入れちゃって。5分後に使うのにリュックに入れたら取りにくいのでポケットに入れたら、ポケットに入れたことを忘れちゃって、改札の前で『ない、ない、ない!』ってリュックのなかを探していたこともあります(笑)」。

――今年ももう残り2ヵ月を切りましたが、今のところ、良い1年になりそうですか?

「そうですね。たくさんの役をやらせてもらって。まだ全然勉強不足なので、もっともっと頑張りたいです」。

――「グッドモーニング・コール」ではキスシーンがファンの皆さんをざわつかせました。

「あのときも最初のほうはすごく緊張しました。本当にわからなくて、『どうしよう?』と思いながらやってましたけど、途中からはだいぶ菜緒のこともわかってきたから、すんなりお芝居できるようになりました」。


――最初にわからなかったというのは、恋愛の距離感?

「それもあります。『なぜここでこんな行動をするんだろう?』とか、考えたらキリがなくなっちゃって。『菜緒は自分勝手なところがあるな』とか『なんで泣いちゃうんだろう?』とかいろいろ考えたけど、菜緒の性格だと受け止めました。『こういう子なんだ』と思って」。

――来年公開の映画「チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~」の撮影で、アメリカにも行ったんですよね?

「行きました。ホテルがすごくきれいで、プールも付いていて、みんなで入りました。空き時間にショッピングモールに行ったり、アメリカでの撮影は本当に楽しい毎日でした。でも、行く前は毎日ダンス、ダンス、ダンス。みんなヘトヘトになりながら朝から夜まで練習して、すごかったですね」。

――体は大丈夫だったんですか?

「実は太ももの裏が肉離れしちゃって。初めてのことで『あれ? 脚が上がらない……』となりました。歩くときもちょっと痛くて、病院に行ったら2週間は休むように言われたんですけど、『そんなの無理!』と思って」。

――2週間のブランクは大きいですよね。

「でもテーピングしてもらったら、ビックリすることに痛みがなくなって。それで練習を続けました」。

――仕事以外でも、今年いいことはありました?

「すごく充実してましたね。仕事の合間に、友だちと『今日の○時なら1時間だけ大丈夫かも』という会い方をけっこうしました。時間が限られているなかで会うと特別な感じがあって、かえって楽しくて」。


――そういうときに会う店を開拓したりも?

「お店はあまり気にしてなくて、しゃべれればいい感じでした。むしろ『混んでいるところはイヤ』って、隠れ家みたいな感じで、ゆっくりできるお店に行きましたね」。

――年末には大掃除もするんですか?

「すると思います。一気にバーッときれいにするのが好きです。普段から自分で掃除はしてますけど、隅っこの汚れとか拭いたりするのが楽しくて」。

――他に、1年の締めで何かしておこうとは?

「やっぱり『レンタル救世主』を悔いの残らないようにやりたいです。考えすぎてお芝居が複雑になるのもイヤだし、考えなさすぎてもダメだし。もう難しくて、全部正解を教えてほしい(笑)。最近思うのは、現場で『こうして』と言われたことに対して、なぜそうなるのか、すぐ理解できる力がほしいです(笑)」。

――表面的なことをやるだけではなく。

「今は『なんでだろう?』と考えちゃいますね。OKが出たからできていたのかなとは思いますけど、自分でもっと理解してやっていたら、絶対もっといいものができていたのに。『なぜこのシーンでこういう表情なんだろう?』とか、考えすぎですかね?」。


――そういう性格だとか?

「そう。深く考えすぎて、逆に頭がゴチャゴチャしちゃいます。楽しくやることが一番だと思うんですけど。でも、どんなにすごい役者さんでも、役をどう演じればいいか悩んで、終わるまで不安だと聞いたことがあって。だから、自分もそういう方たちみたいに悩めるのはうれしいなと思います」。

――悩んでいる最中は苦しくても。

「すごく苦しいけど、撮り終わったら『一歩進めたかな』という想いはあるので」。

 


 
 

福原遥(ふくはら・はるか)

生年月日:1998年8月28日(18歳)
出身地:埼玉県
血液型:A型

 
 

【CHECK IT】
子役として2005年に小学1年生でデビュー。2009年3月30日からスタートした子ども向け料理番組「クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!」(NHK Eテレ)で主人公の柊まいん役をアニメ・実写パート共に務め、爆発的人気を呼ぶ。2016年は「ウレロ☆無限大少女」(テレビ東京ほか)、「MARS~ただ、君を愛してる~」(日本テレビほか)などに出演。ドラマ「レンタル救世主」(日本テレビ系/日曜22:30~)、「グッドモーニング・コール」(フジテレビ系/水曜深夜)に出演中。

詳しい情報は公式サイト

 

ドラマ「レンタル救世主」公式サイト

 



 
 

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