PICK UP ACTRESS 浜辺美波

PICK UP ACTRESS 浜辺美波

PHOTO=城方雅孝 HAIR&MAKE=鎌田順子
STYLING=有咲 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

「賭ケグルイ」でギャンブル狂の役
清楚から豹変して狂気を見せる演技も

 
 

――「賭ケグルイ」で演じている蛇喰夢子は、清楚に見えてギャンブル狂という強烈なキャラクターですね。

「お話をいただく前に原作マンガの1巻だけ読んだことがあって、どんなお話で夢子ちゃんがどんな女の子か知っていたので、私にこの役が来たことにビックリしました。でも、ギャンブルをして豹変するところも、普段のかわいらしくてちょっと天然なところも、今までやったことのないような女の子だったので、ずっと楽しみで撮影中も楽しんで演じられたと思います」。

――演じる上で気を配ったことはありました?

「原作で夢子ちゃんの本当の素の部分は描かれてないんですね。家族構成とか、なぜあの学校に入ったのかもわからない。だから仲良くなった3人で同じ時間を過ごしても、本当は何を考えているのか、まったく見せないことを大事にしました」。

――ミステリアスな少女になりました。

「夢子ちゃんの中で芯を通すものはギャンブルだし、唯一興味あるのもギャンブル。本当に素の部分は私もよくわからなくて、冷たい人間なのかなとも思いました。そういうところは、振り返ったときの真顔とかで出していけたらと思いました」。


――最初に早乙女芽亜里(森川葵)と勝負したとき、高揚して「さあ、さあ、さあ! 賭け狂いましょう!」と言った辺りは、ゾクッとするような狂気を感じました。おとなしいイメージの美波さんが、あそこはどんな状態で演じていたんですか?

「撮影当日まではすごく不安がありました。でも、森川さんが本当に場を盛り上げるようなお芝居をされていたので、私もやりやすかったです。無理に狂わなくても自然な流れでテンションが上がって、初めて大声を出したときに『出しすぎかな?』とか雑念みたいなものが消えて、汗をかくくらい賭け狂えました」。

――そういうところで、「この役が来てビックリ」だったんでしょうけど。

「そうですね。今までの役と違っていたので、私にやれると思って声を掛けてくださったのが驚きでした」。

――そこは自然にできたとして、自分で意識的に役に色を付けたところはあります?

「鈴井涼太さん(高杉真宙)にはかわいらしくして、うまく転がすというか(笑)、かわいらしすぎるくらいクルンといきたいというのは、とてもありました。テンションを上げて、声もかわいらしく。喜んだりするのも、ウソくさいくらいにやりたいと思いました」。

――そういうウソくささも、いい意味で出ていたと思います。撮影はもう全部終わったそうですが、他にも今までにない感じのことはありました?

「勝負のネタばらしとかギャンブルのルール説明とか、オフ台詞っぽいところも全部オン台詞で、どんな長いシーンもほぼ一連で撮ったんですね。誰かの長い台詞のあとで短い台詞で噛んじゃったりすると申し訳ないことになるので、自分にプレッシャーをかけて間違えず言うためにメンタルは強くなりました。今後どんな撮影方法でどれくらい長回しをしても、動じない心はできたと思います。あと、森川さんのキメるところはパッとキメるお芝居を間近で見られたり、学ぶことはたくさんありあした」。


――やっぱり若手実力派女優の代表格の森川葵さんとの掛け合いは、刺激になりましたか?

「はい。映像を観てもわかる通り、取れそうなくらい目を見開いたり、“ここをキメて、ここを強調して、ここは抑えて”みたいなことを、よく理解してやってらっしゃって、すごく魅力的な女優さんだなと感じました」。

――他にもいろいろな相手とギャンブル勝負があります。

「(西洞院百合子役の)岡本夏美さんとは以前も『咲-Saki-』で共演させていただいて、敵対する相手ではあるんですけど、息の合った賭けが見せられたかと思います」。

――番組HPで英勉監督が美波さんについて「撮影初日から、出し惜しみせずに色々やってくれて、とても良かったです。でも、まだまだ持っていますよ、奴は。早く貯金を出しなさい」とのコメントがありました。貯金、出せました(笑)?

「その監督のコメントが出たのが、2話の投票ジャンケンのネタばらしの撮影のあとで、自分では出し切ったつもりだったのに、『まだ求められている……』って焦りはありました(笑)」。

――その後の撮影では?

「どうなんですかね? ネタばらしのときとか台詞がすごく長くて、ナチュラルに言えば言えるんですけど、強弱を付けたり言い方とか間の取り方とか、たくさん悩みました。毎回『これは初めてやるけど、イケるな』とか思いながら。『まだ2回目の賭け狂いだから』とか言われて焦りながらやってましたけど、だんだんテンションが上がった賭け狂いが見えていたらいいなと、心から思います」。


――自分で出来上がった映像を観ると?

「やってるときは1シーンごとにMAXを出すだけだったので、どう繋がっているか想像できなかったのが、観たらみんなカッコ良くて、『賭ケグルイ』という作品の色が見えて、全体を通して面白かったから安心しました」。

――自分が演じた夢子については?

「自分ではやっぱりヘンな顔をしながら観ちゃうくらい、思うところはたくさんありました。でも、それ以上に現場では全力を出して演じることができたので、どの話も楽しみになりましたし、これまで以上に1話ごとに繰り返し観直しちゃうと思いました」。

 
 

ゾクゾクするのは本屋さんで
どの本を買うか選ぶときです

 
 

――美波さん自身は、狂うほどのめり込むようなものはありますか?

「そこまでではないですけど、コンビニで買ってシールを集めたら何かもらえるようなものには、すごくハマります(笑)。パンとかよく食べるんですけど、袋のシールをはがして集めて交換しに行くのが、すごく楽しいわけではなくても何か楽しくて、タオルとかもらってます」。

――美波さんは食べることが大好きですよね? 食べ物で毎日でも求めてしまうものがあったりはしません?

「甘いものが好きなので、お仕事の前にチョコレートを食べたりはしちゃいます。今回は大変なときは3日間撮って、1日休んで、また3日間ということがあったんですけど、ひと段落したら甘いものをガツガツ食べる日を作って、休んでまた入ることをしていました」。

――夢子はギャンブルに「ゾクゾクしてたぎってしまいます~」とも言ってましたが、美波さんにとってゾクゾクするものは?

「テンションが上がるとかワクワクするという意味では、本屋さんで本を選ぶときですね。どれぐらいのお金があって何を買おうか、夢中になります」。


――ギャンブル自体は未成年でやったことはないでしょうけど、興味はありますか? 宝くじくらいは買いたいとか……。

「浜辺家ではギャンブルをする人がいなくて、無縁の生活をしています。宝くじも仮に100万円でも1万円でも当たって、そこで運を使ってしまわないように買わないことにしているんです。ただ私は、お祭りでクジを買うのは好きです」。

――そういうときとか、運はいいほうですか?

「私はついているほうだと最近よく感じます。この世界に入れたことも運が良かったと思いますし。私が受けた東宝シンデレラオーディションは、いつも2人くらいしか採らないのに、その年に限って10人くらい採ってくれて、しかも中2くらいの子がちょうどいいのに、当時小4だった私を入れてくれて……。そういうところで、ついていたなと思います」。

――最近でも運が良かったことはありました?

「夏に『キミスイ(君の膵臓をたべたい)』をたくさん観ていただけて、釜山に行けたりしましたし、『1歳若かったら、この役は来なかったな』ということが多いので、年齢的なことも含めて恵まれているなと思います」。

――「咲-Saki-」で覚えた麻雀はやらないんですか?

「実際に牌を使ってはやりませんけど、待ち時間にアプリゲームでやっています。マネージャーさんもやっていて、ブーッてロンした音とか鳴ると、無性にやりたくなります(笑)」。

――新しい作品に入るときとか、夢子のように緊張感も楽しめます?

「私はまったく楽しめないかなと思います。緊張にとても弱くて、『ここで成功したらカッコイイな』と思うときに限って、毎回失敗しちゃうタイプ(笑)です。たとえば長い台詞があってメイキングを撮っていて、『ここを一発で言えたら』と思ったら、5回くらいやっちゃうパターンですね(笑)」。


――緊張をほぐすために何かしたりは?

「オーディションとかでよくやっていたのは、皆さんが緊張して真剣な顔をしているときに、わざと余裕そうな顔をすることです。そういう雰囲気を作ることで、余裕があるような声も出ます」。

――撮影現場でもやってます?

「堂々としていようとは思います。最近よく『緊張してなさそうに見える』と言われるので、できているのかな? 本当は真顔のときはだいたい緊張しているんですけど、まだバレてないみたいです(笑)」。

――最後にムチャ振りですが、女優業とギャンブルに通じるところはあると思いますか?

「多いと思います。私にとっての一番の賭けは、中学を卒業して高校に入るタイミングで上京したことでした。何があるかわからず、いろいろな人の考えが飛び交っていて、どんでん返しがあるかもしれない。それでもやっていきたい職業なので、何があるかわからないのが面白いところだとも思います」。

――人生的なリスクもありつつ。

「そうですね。いろいろなものを賭けているなと思います」。


 
 


 
 

浜辺美波(はまべ・みなみ)

生年月日:2000年8月29日(17歳)
出身地:石川県
血液型:B型
 
【CHECK IT】
2011年に第7回「東宝シンデレラ」オーディションでニュージェネレーション賞を受賞。これまでの主な出演作は、映画「逆転裁判」、「エイプリルフールズ」、「咲-Saki-」、ドラマ「まれ」(NHK)、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(フジテレビ系)、「無痛~診える目~」(フジテレビ系)など。2017年には主演映画「君の膵臓をたべたい」が大ヒットした。主演ドラマ「賭ケグルイ」(MBS/日曜24:50、TBS/火曜25:28~)が放送中。「ボキャブライダー on TV」(NHK Eテレ/月曜5:50~ほか)に出演中。映画「咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A」が公開中。4月27日(金)公開の「となりの怪物くん」、2018年公開の「センセイ君主」に出演。
詳しい情報は公式HP
 
 

「賭ケグルイ」

詳しい情報は公式HP
 

 

 

 

(c)河本ほむら・尚村透/SQUARE ENIX・ドラマ「賭ケグルイ」製作委員会・MBS

 
 

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