PICK UP ACTRESS 畑芽育

PICK UP ACTRESS 畑芽育

PHOTO=河野英喜 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

ドラマ「荒ぶる季節の乙女どもよ。」に出演中
おおらかな役柄ながら強い感情が出る場面も

 
 

――「荒ぶる季節の乙女どもよ。」で文芸部に所属する“もーちん”こと須藤百々子を演じていますが、芽育さんは文学に馴染みはありますか?

「あまり本を読んだことはなかったんですけど、文芸部の役なので、もーちんの愛読書ということになっている『アルジャーノンに花束を』を買って読んだりしました」。

――名作と言われてますが、どう思いました?

「私にはちょっと難しく感じました。普段ドラマや映画もコミカルで愉快なものを観がちなので。他にも自分が興味ある分野の本を買ったり、共演した玉城ティナさんから吉本ばななさんの『とかげ』を『面白かったから芽育ちゃんにあげる』ということでいただきました」。

――自分の好きな本の傾向は見えてきました?

「完全なフィクションより実話を元にしたノンフィクションっぽい作品とか、人間模様がリアルに描かれている作品が好きかなと思います」。


――部活のことだと、芽育さんは中学でバレー部だったんですよね?

「体験入部して楽しかったので入ったんですけど、顧問の先生が異動して、バレー部がなくなってしまって。球技がもともと好きだったので、流れでバスケ部に移りました」。

――あえて背が高いほうが有利なスポーツを選んだんですか?

「背が伸びるかなと期待も込めて入りました。でも全然伸びなくて(笑)、リベロをやってました」。

――文芸部って何をやるか、わからなくはなかったですか?

「私の学校生活で文芸部というものを目にしたことがなかったので、『こういう部活もあるんだ』って感じでした。ひとつの小説をみんなで読んだりするシーンがあって、知的な人たちが集まっているんだと思いました」。

――「荒乙(荒ぶる季節の乙女どもよ。)」の文芸部は部員5人で、変わり者が多くて“掃き溜め”と揶揄されている設定ですが、その中でもーちんはニュートラルな感じですね。

「普通の子でもないですけど、癖があるというより自然体な感じで、ちょっと面白いことを言い出したり、わがままな部分があったりもします」。


――おおらかでやさしくて、友だち思いという。

「演じやすいキャラクターでした。私自身もどちらかといえば、おおらかだと思います。神経質ではなくて、何でも肯定するタイプなので」。

――ストレスは溜まらなかったり?

「逆に、ストレスは溜まりやすいかもしれません。何を言われても『いいんじゃない?』ってOKしがちで、本心を出すのがヘタだったりします」。

――友だち思いなところも重なります?

「友だちはたくさんいるほうではないので、私とつき合ってくれる子たちに感謝しながら生きることをモットーにしています。友だちに助けられることも多いので、私も受け取るばかりではなく、『相談があれば何でも話して』と伝えていて、相談されたら親身になって聴きます」。

――もーちんは高1で今まで恋をしたことがないという設定もありますが、そういう子は珍しいですかね?

「私の周りでは初恋が早い子が多くて、私自身も小学生でした。それが恋と呼べたのか、わかりませんけど。だから、もーちんは本当にウブで、恋や異性に興味はなかったのかなと思って新鮮です。そういう子も絶対いるはずなので、誰かに共感してもらえたら嬉しいです」。

――“性”がテーマになっているドラマでもありますが、もーちんを演じる上で、あまり難しかったところはなく?

「入り込むところに行き着くまでは葛藤しましたけど、一度役に入り込んでからは、『ここはどうしよう?』とか『この台詞はどう吐き出そう?』とか考えず、ナチュラルにできたと思います。いろいろ調べたり、監督から経験談を聞いたり、文芸部のみんなとたくさんお話ししていく中で、自分なりに感情の火種をつけられました。結果が出ていたらいいなと思いながら、オンエアを観ています」。

――もーちんの見せ場もあるんでしょうね。

「話を追うごとにもーちんに変化があって、おおらかでやさしいだけではない強い感情が出たりもします。そういう一面を見せたくて頑張りました。特に6話がすごく印象に残っています」。

――今までの役ではなかった顔を見せていたり?

「そうかもしれません。恋愛する役が今までなくて、初めて好きになったのが同性ということで、私にとって新鮮な感情でした。とてもいい経験になりました」。


――普段もそんなに強い感情を出すことはない?

「あんなに高ぶることはないです。周りが良い人ばかりだからか、怒ることはほとんどありません。たまに嫌な文章を見て、自分のことではなくても大切な人が傷ついていたりすると、ちょっと腹が立ちますけど、それをバーッと吐き出すこともないので、役で発散できるのが楽しかったりします」。

――泣いたりもしないと。

「泣くことは意外とあるかもしれません(笑)。悩んで解決しなかったときは、シクシク泣いて発散しています」。

 
 

外見は少しずつ大人っぽくなって
等身大のまま生きていければいいかな

 
 

――今回のような学園モノで同世代が多い現場だと、芽育さんはすぐ馴染めるほうですか?

「助けてもらいながらでないと、なかなか打ち解けられません。同世代と言っても先輩方が多いので、どうやって踏み入ろうか悩んでいたんですけど、やさしい人ばかりで、私が輪に入れるようにしてくれたので、とても居やすかったです」。

――空き時間もみんなで話していたり?

「そんなに中身のある会話ではなくて、どうでもいい話を延々として、時間が過ぎていました(笑)」。

――劇中の文芸部みたいに「死ぬ前にしたいこと」について話したりはしなかったわけですね(笑)。

「でも考えてみたら、あと60年は生きるだろうから、いっぱいありますね。定番だと、世界一周とか。お仕事だったら、制作する側に立つのも素敵な経験になると思います。難しいとは思いますけど、いつかやってみたいです」。


――畑監督はどんな映画を撮るのでしょう?

「自分がやっていて楽しいのは、等身大でハッピーエンドのお話だから、そういう役者さんたちが伸び伸びとお芝居できる作品を作れたらいいなと、大まかに思います」。

――バッドエンドの作品は観ないんですか?

「めちゃめちゃ観ます(笑)。韓国映画の刑事モノやミステリーはバッドエンドが多くて、モヤモヤしながら終わるのも好きです。でも、観た人が幸せな気持ちになるのは映画の本質じゃないですか。自分が作るなら、そういうのがいいかなって」。

――韓国映画といえば、独学で韓国語を話せるようになったそうですね。

「これからグローバルな世界になっていくから、何か言語を話せたらいいなと思っていました。暇なときに韓国ドラマを観ていて、一番身近だったのが韓国語だったんです」。

――でも、難しくないですか?

「英語より全然簡単でした。ハングルの文字を1日で覚えちゃったら、文法は日本語と似ているので、1年くらいで一気にできようになりました。1回やる気が出ると止まらなくて、ハマリにハマって、どんどん勉強していきました」。


――独学というのは、どんな形で?

「ネットに転がっている韓国語の記事を読んだり、韓国ドラマを文字起こしして翻訳したり。あとは本を買ったり、韓国のカルチャーに目を配っていたら、だんだん言葉を覚えられました」。

――韓国ドラマはどんな作品を観てました?

「最近だと、流行りの『愛の不時着』や『梨泰院クラス』、『サイコだけど大丈夫』とか。あと、昔の作品もよく観ます。『コーヒープリンス1号店』とか『美男ですね』とか、日本でリメイクされたものも多いので、原作を観たい気持ちもありました」。 

――インスタでは「18年で一番濃い夏」とコメントしていましたが、主に「荒乙」を撮っていたんですか?

「私の18歳の夏はこのドラマに捧げました。ずっと静岡の伊東で撮影していて、みんなとディープな時間を過ごして、夏の現場が久しぶりだったので、アドレナリンがめちゃめちゃ出ていたかもしれません」。

――高校最後の夏でもありました。

「そう言えば、そうでした。ドラマの思い出しかありませんけど、状況も状況だし、頻繁に遊びに行くタイプでもないので、むしろ撮影が入っていて良かったです。何もなければ、あんな素敵な夏は過ごせませんでした」。


――ともあれ、あと半年足らずで高校も卒業ですが、「女子高生の無駄づかい」ではロリと呼ばれる役だった芽育さんも、大人っぽさが出てきました?

「『外見のわりに大人っぽい』と言われることは多くなりました。着る服も1年半くらい前からだいぶ変わりました。『何かあったの?』と聞かれます。別に何もないんですけど(笑)、現場で担当してもらうメイクさんにいろいろ教わって、美容や容姿に興味が出てきました。ちょっと意識が変わって体を鍛えてみたり、外見も少しずつ大人になれたらいいなと思います」。

――無理に大人っぽくなろうとはせずに?

「そこはどっちでもいいんです。私が18歳と言うと、『もっと若いかと思ってた』と言う人も『20歳を越えてると思ってた』と言う人もいて、役の幅が広がるから良いことかなと。だから特に飾らず、等身大のまま生きていければいいなと思います」。

――差し当たって、この秋にしたいことはありますか?

「今はなかなかお出掛けとかできませんが、基本はインドア派なので、ずっと家で楽しめるタイプです。コロナが収まったら、近場でもいいから温泉に行けたら。友だちか家族と出かけて、たまにはそういうところでリラックスしたいです」。

 
 


 
 

畑芽育(はた・めい)

生年月日:2002年4月10日(18歳)
出身地:東京都
血液型:O型
 
【CHECK IT】
1歳から芸能界で活動。主な出演作はドラマ「家政夫のミタゾノ」(テレビ朝日系)、「99.9-刑事専門弁護士-SEASONⅡ」(TBS系)、「都立水商!~令和~」(MBS・TBS)、「女子高生の無駄づかい」(テレビ朝日系)、映画「Ghosting」など。ドラマ「荒ぶる季節の乙女どもよ。」(MBS/火曜24:59~、TBS/火曜25:28~)、ミニドラマ「ざんねんないきもの事典」(テレビ東京/水曜24:52~)に出演中。

 
 

「荒ぶる季節の乙女どもよ。」

詳しい情報は「荒ぶる季節の乙女どもよ。」公式サイトへ
 

 

 

 
 
 
 

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