PICK UP ACTRESS 早見あかり

PICK UP ACTRESS 早見あかり

PHOTO=小澤太一 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

高校生の投資ドラマ「インベスターZ」で
主人公の先輩でお嬢様のヒロインに

 
 

――全国屈指の進学校で秘密裏に学園の運営資金を生み出す投資部を描く「インベスターZ」に出演中ですが、投資に関する予備知識はありました?

「興味はあったけど、知識はなかったです。難しそうなイメージがあって『失敗したら怖い』という感じなので、あまり深く知ろうとはしませんでした」。

――ドラマの撮影に入る前には、原作マンガを読んだんですよね?

「読みました。面白かったし、とても勉強になりました。もともと株を買って売って差額で儲けるみたいなことは何となく知っていて、どういうふうに行われるのかがわかってなかったのが『こういうことだったのね』みたいになった感じです。台本を読んでいても撮影していても、全部を通して学ぶことが多かったです」。

――撮影は放送開始前に全部終わっていたそうで。

「4月くらいに撮りました。ちょっと経って忘れつつある知識を、放送でまた思い出したいです。オーディオコメンタリーの収録で1話を初めて観たんですけど、台本の文字だけだと難しく感じたことが、映像になって説明のテロップが入るとわかりやすくなってました。最後に“投資にはリスクが伴う”という注意も書いてありましたけど、確かに観ていて『すごく簡単』と思ってしまうくらい、丁寧に伝えられていて良かったです」。


――劇中に出てくる投資のノウハウに関して、たとえば“利確”とか“損切り”とかは理解できました?

「そういうのも細かく説明されていて、わかりやすかったです。ただ、とにかく台詞が難しくて……。台本を読んでいると、意味がわからないだけではなく、読み方がわからない言葉もあったりするんです。こんなに『勉強しよう』と思ったのは久しぶりでした。読み方を調べて意味がわかっても、実際に台詞にすると言い慣れてなさすぎて、口から出るときに違和感がありました」。

――どんな言葉に手こずったんですか?

「もう忘れちゃいましたけど、長い言葉で、久しぶりに台本に息継ぎの位置を書きました(笑)。お芝居を始めた頃は『ここでブレス』みたいな目安を書いていて、だんだん自然にできるようになってきましたけど、今回はひと息で行こうとしたら最後に足りないとか、そういうことが多かったです」。

――その上で感情も乗せないといけないし。

「私が演じた藤田美雪は何かを説明する台詞が多かったので、感情を乗せるより情報をきちっと伝えることが一番大事でした。1話の最初に、主人公の財前に『株式投資はこうするんだよ』と説明するシーンから、ポイントを視聴者にもわかりやすく話さないといけなくて、そこはすごく苦労しました」。

――投資の話でありつつ、人生にも通じると感じたこともありませんでした?

「投資部の6人は本当に頭が切れる人たちで、お金のこと以外にもたくさん学べました。上昇志向が強い秀才たちが前のめりにいろいろなことをしていく姿に、『私も日ごろからちゃんと勉強しなきゃ』とちょっと思いました」。

――投資部キャプテンの神代は財前に「一流になれないものを目指すのは無駄な努力」と言っていました。

「神代は『野球部に入りたい』と言っていた財前に、『時間の無駄』というひと言で、今まで彼がやってきたことをすべて切り捨てて、『頭の良さを生かすには投資をやるしかない』と言いました。すごい台詞ですよね。それで財前も投資にのめり込んでいくので、すごい世界だと思いました」。


――共感したんですか?

「必ずしも共感できるものではないです。あまりに頭が切れすぎるから、言ってることが凡人としては理解できなかったりもします」。

――でも、共感できる言葉もありました?

「財前が1年間投資をした中で学んだことを、投資部に掲げる標語みたいにして、最後にドーンと出すんですけど、その言葉はいいなと思いました」。

――藤田美雪役については「原作のハキハキとしながらも友だちを思いやる心を持ち合わせている部分をうまく出せたら」とコメントしてましたが、その辺が核でしたか?

「美雪は道塾学園を創立した藤田家のお嬢様なので、自己チューというか見栄っ張りみたいなところもありつつ、コネを一番持っていて、財前を支えているんです。頼まれたら、絶対文句を言いながらもやってあげる良き先輩だと思います。キツイけどやさしさも見え隠れするのが、美雪らしいところですね」。

――お嬢様という部分も意識はしたんですか?

「当たり前に豪邸に帰ってきて執事の方がいて、最初に撮影に行ったときは豪邸すぎてビックリしましたけど(笑)、その中でいかに自然に振る舞うかは考えました」。

――原作とは設定が違う部分もありますが、早見さんなりに色を付けた部分も?

「原作とは向き合う相手が変わっただけで、女子校で女の子の友だちにも厳しいことを言いながらやさしかったので、ドラマで道塾投資部で財前の先輩になっても、基本的に原作に忠実に演じました。私ももともとハキハキしゃべったりする人間ですし。ただ、ドラマのオリジナルキャラクターも含め、みんな個性がわかりやすく際立っているので、美雪はわりと普通っぽく演じました」。


 
 

貯金が趣味で当たり前だった考えが
違うのかもしれないと覆されました

 
 

――投資部の面々について「必ずしも理解できない」とのことでしたが、自分が演じた美雪についても、考え方が違うところがあったり?

「考え方以前に、取り巻く環境が違いすぎますね。子どもの頃から当たり前のように投資をやっていた設定で、私には言うことがいちいち信じられません(笑)。そもそも6人の高校生が投資をして学園の運営資金を作っているというのが、まず意味がわからない(笑)。それを受け入れていく財前はすごいなと思います」。

――高校生役は久しぶりでしたっけ?

「最近でもやらせていただいてますけど、見た目的にそろそろ厳しいんじゃないかと感じるので、ずっと『いつ最後になるだろう?』と思ってます(笑)。今回は男女とも原作のマンガの制服に忠実にした結果、特徴的な衣裳になって、『これはコスプレだよ』みたいな感じが出てますよね。普通のセーラー服だと『ギリギリ?』と自分の中では思っていて、そこに対するツッコミは無視します(笑)」。

――最初に「投資に興味はあったけど」という話が出ましたが、「インベスターZ」で学んだことを実践したい気持ちにはなりませんでした?

「私は貯金が趣味なんですね(笑)。通帳にお金が増えていくのがうれしいし、頑張り甲斐もあるので、自分にとって一番の指標みたいなものだったんです。でも、『インベスターZ』の中で『銀行にお金を入れ続けていてもいかがなものか?』みたいな話が出てきて……。自分で当たり前だと思っていたことが、もしかしたら違うのかもしれない。そういうことを勉強できたので、株式投資かFXか、どうにかこうにか知識を身に付けたら、良い形になるのではないかと思いました。そんなに簡単にできることではないにせよ、当たり前が覆されたのが新たな発見になって、楽しかったです」。


――貯金をしているのは、何かを買う目標があって?

「最終的に家を買うのが大きな目標です。でも、それ以前にこの世界は安定してないので、もし何かが起きたときのための保険みたいなものです」。

――女優として将来を嘱望されている早見さんでも、備えはしておこうと。

「何が起きるかわからない難しい世界で、そのリスクが楽しかったりもしますけど、いざというときに『どうしよう? 生きていけない……』ということにならないように、貯金はしています」。

――もし投資で大金が入ったら?

「やっぱり家を買いたいです。貯金では今すぐになんて全然無理なので」。


――そこそこの儲けが出たくらいだったら?

「新しいソファーが欲しいです。この前、家でたこ焼きパーティーをして、キムチをたこ焼きの中に入れようと細かく刻んだんですね。それを持っていたら転んでしまって、キムチがブワーッと飛び散ってしまったんです(笑)。細かく刻んでいたから、ソファーに大量のキムチが付いてしまいました。カバーを外して洗えるタイプではないので、一生懸命拭いたんだけど……。というのが買いたい理由です(笑)」。

――転んでキムチをぶちまけるって、コントみたいですね(笑)。

「本当にコントみたいでした(笑)。その前から数回滑ってはいたんです。長いパンツを穿いていて、外に出るときは3~4回折るのを伸ばしたままで歩いていたら、裾が何回か引っ掛かってしまって……。『これは危ないな』と思っていたんですけど、ついにキムチを持った瞬間にスッ転んで、『エーーーッ!?』となりました(笑)」。

――もし本当に投資をするとなったら、向いていると思いますか?

「絶対に向いてないです。トロいので(笑)。パッパッパッと決断しないとダメじゃないですか。私も決断力はまああると思いますけど、決断できても俊敏さがないという感じです。ネットショッピングでもいったんカゴに入れてから考えたりするので、あまりうまくできない気がします」。

――「インベスターZ」の放送が始まった中で、プライベートでは夏場に盛り上がることはありますか?

「夏は嫌いなんです(笑)。焼けるのでなるべく日中は動きたくなくて、今年はさらに暑いから。外に出なくて済むなら出たくないですね」。

――外での撮影もあるでしょうけど。

「大変ですね。あと、日差しがまぶしくて目が開かなくなっちゃうんです。ドラマや映画でカメラに映されているのに開かないから、目を慣れさせるためにずっと太陽のほうを見ていたりするので、すごく苦労します」。

――ちょっとした夏のお楽しみもないですか?

「強いて言うなら、夜のお祭りとか? 浴衣を着て行ったことが、小さい頃しかないんです。4年前から自分で着付けができるようになったので、『行きたい』と言ってるんですけど、結局行けてません。だから今年は、自分で着付けた浴衣でお祭りに行きたいです」。



 


 
 

早見あかり(はやみ・あかり)

生年月日:1995年3月17日(23歳)
出身地:東京都
血液型:A型

 
【CHECK IT】
2011年より本格的に女優活動を開始。主な出演作はドラマ「マッサン」(NHK)、「ラーメン大好き小泉さん」(フジテレビ系)、「デッドストック~未知への挑戦~」(テレビ東京系)、「鳴門秘帖」(NHK BSプレミアム)、映画「百瀬、こっちを向いて。」、「忘れないと誓ったぼくがいた」、「恋妻家宮本」、「銀魂」など。ドラマ25「インベスターZ」(テレビ東京/金曜24:52~ ほか)に出演中。映画「走れ!T校バスケット部」が11月3日(土)より公開。
詳しい情報は公式HPへ
 
 

「インベスターZ」

詳しい情報は公式HPへ
 

 

 

 
 

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