PICK UP ACTRESS 飯豊まりえ

PICK UP ACTRESS 飯豊まりえ

PHOTO=小澤太一 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

映画「きょうのキラ君」でヒロイン
原作通りの胸キュンと一途さを体現

 
 

――「きょうのキラ君」の原作のような少女マンガは読むほうですか?

「あまり読みませんでした。みんなが『ちゃお』や『りぼん』を読み始めても、まったく読まなくて。小さい頃は文字を見るのが好きじゃなかったので(笑)。今回初めて“THE少女マンガ”という作品を読んで、すごくハマりました。ファンになった状態からニノ役をやらせていただくことが決まったので、すごくうれしかったです」。

――“カーテンの刑”とか、どうでした?

「最初は『なんだ、これ?』と思いました(笑)。すごくSっぷりがあるじゃないですか。密室みたいなところで。演じるうえで恥ずかしさはあってドキドキしましたけど、撮影自体はやりやすい環境だったので、緊張はしませんでした」。

――キラ君におでこにシールを貼られて「体が浮いちゃうんじゃないかってくらい、うれいしい気持ちになった」という台詞もありましたが、そういう気持ちはわかります?

「わかりますよ! たとえば身近な男性から名字で呼ばれていたのに、急に下の名前で呼ばれたら、体が浮いちゃうんじゃないかと思います。カッコイイなと思っていたり尊敬している人に、いきなり距離を縮められたら」。


――実際そういう経験があるんですか?

「ありますね。現場で大人の俳優さんに下の名前で呼ばれたり。女性に言われると素直にうれしいですけど、男性に言われると免疫がないのでドキッとしちゃいます(笑)」。

――今回はやっぱり、原作のニノのイメージも大事にしたんですか?

「そうですね。しゃべり方や声のトーンは、できるだけイメージに近づけるようにしました。自分の素とは違っていたので、そこは意識して」。

――オドオドした感じでしゃべったり?

「はい。『プラダを着た悪魔』のようなシンデレラストーリーにしたかったので、最初は猫背で自信なさそうな感じで、ストレートにモノを言えないようにしたり。前髪を切ってからはどんどん明るく、笑顔も多くしていって、メリハリを付けました。そういうのは自分のなかで考えてやっていたんですけど、台詞の言い回しとかはできるだけ現場で作っていくようにしました」。

――歩き方だけでも「ニノだ」と感じました。

「タッタッタッター、みたいな(笑)。川村(泰祐)監督がそういう歩き方をしていたんです」。


――演技指導で?

「ではなく、いつもの監督の振る舞いを役に取り入れました(笑)。奇跡的に近いところにモデルがいたと思って、盗もうとしました」。

――最初は「人と目を合わせるのが怖い」ということで、目が見えないくらい前髪がかかっていましたが、ものを見にくくなかったですか?

「見づらいですし、自然と気持ちが暗くなりました。視界がシャットダウンされているから。逆にポジティブな気持ちになりたい人は、前髪から切ったほうがいいと思いましたね(笑)。あれは本当に邪魔で、カメラが回ってないときは常に手で髪を上げていました」。

――その前髪を自らハサミで切るシーンは、一発でOKを出さないといけなかったり?

「『3回くらいチャンスはあるけど、できれば1回でキメてほしい』と言われました。本番はうまく切れて良かったです」。

――そこで意を決して「私、365日、キラ君と一緒にいます!」と訴えて。

「ニノちゃんは他人と向き合うのをやめていたけど、病気から逃げたいキラ君に『私は逃げないです!』と決意表明する大事なシーンだったので、一番エネルギーを使いました」。


 
 

自分がやりたいことよりも相手が
好きなことを一緒にやりたいです

 
 

――病院でも泣きながら「私はキラ君がとっても好きです。逃げません!」と叫んだり。ああいうシリアスなシーンはプレッシャーもかかりました?

「緊張はしました。でも、どちらかというと、本当にただキラ君をかわいそうに思っていて。撮影中はずっと、リアルにキラ君を好きにならなきゃと考えていました。2人で時間を過ごすデートのシーンも多くて、そういう場面は自由演技だったりしたので。遊園地のシーンは本当に『楽しんできて』ということで、なかではカメラしか回ってなかったんです」。

――演出があったわけではなく。

「任されていたからこそ、本当に2人の息が合わないとダメで。キラ君役の(中川)大志くんをもともと知っていたのが大きくて、やりやすかったです」。

――デート中のイチャつき方も自然に?

「そこは大志くんを信頼していたので、大丈夫だろうと。不安があると、どうしても出ちゃうじゃないですか。『ここからはもう楽しもう』というふうにしていたので、素ではないですけど、ニノちゃんとキラ君らしい部分が出ていたんじゃないかと思います」。

――でも動物園デートのときは、いろいろな動物のことを説明する台詞が大変だったのでは?

「あれは当日台本だったので、本当に大変でした。直前まで雨も降ってましたし、2月に撮ったのですごく寒くて。しかも陽が落ちる関係でワンカットしか撮れない。そういうところでも、焦らないような空気作りを大志くんがしてくれたので、ありがたかったです」。

――インコのセンセーとのお芝居は、スムーズに行ったんですか?

「いや、私はもともと鳥がすごく苦手なんです。羽をバタバタするとゾワッとして。だから仲良くなるまでにちょっと時間がかかりましたけど、ごはん休憩のときも一緒に食べたり、役作りのひとつとしてやっていましたね」。


――カメラが回ってなくても「インコ先生、ごはんをどうぞ」みたいな?

「はい。本番ではカメラに向いてくれなかったり、止まり木から降りちゃったりして、苦戦しましたけど、あのセンセーはすごくかわいかったです」。

――あと、キラ君に「私だってやきもちくらい妬きますから」と言って、キラ君が「かわいすぎだろ」と萌えるシーンは、「かわいすぎ」にすごくうなずけました。

「あーっ。そこは本当にかわいく見えなきゃいけないから、プレッシャーはありましたね。ちょっと強気に言う。プリプリ怒ってみる。でもキラ君を好きだから、控えめに怒る感じをイメージしました」。


――以前の取材で、まりえさん自身の理想のデートについて「スーパーでお買い物して、家で一緒にごはんを作りたい」と地味めな発言がありましたが、今も変わりません?

「相手の趣味や好きなことを一緒にしたい、というのはありますね。合わせるというより、相手がずっと見ている景色を知りたいから。自分がやりたいことより、相手が好きなことを一緒にやってみたいんですけど、どうですか?」。

――まりえさんにそんなこと言われたら、相手はそれこそ胸キュンですよ(笑)。このところ、映画にドラマに出演作が続いていますが、自分の女優力が上がっている感覚はあります?

「いやー、まったく。まだ自分というものがよくわかっていない状態で、毎回の環境や会う人によって自分が変わっているなと気づきます。求められていることに精一杯応えられるように頑張りたいです」。

――演じるのがより楽しくなってはいますか?

「楽しいというより、できるか不安です。ステップが上がるにつれて、ハードルも上がるので自信がないところもありますけど、課題が見つかるから乗り越えて、乗り越えられなければ持ち越して、少しずつでも成長していけたら。10代のうちにそういう経験ができるのはありがたいと思いながら、やらせていただいてます」。


 
 


 
 

飯豊まりえ(いいとよ・まりえ)

生年月日:1998年1月5日(19歳)
出身地:千葉県
血液型:B型

 
 

【CHECK IT】
2008年に「avex kids×ニコ☆プチ公開モデルオーディション」でグランプリを受賞し、小学生向けファッション誌「ニコ☆プチ」(新潮社)にてモデルデビュー。その後、「nicola」(新潮社)から現在は「Seventeen」(集英社)と専属モデルを務める。2012年から本格的に女優活動を開始。これまでの主な出演作はドラマ「学校のカイダン」(日本テレビ系)、「MARS~ただ、君を愛してる~」(日本テレビほか/劇場版)、「好きな人がいること」(フジテレビ系)など。現在、「嫌われる勇気」(フジテレビ系/木曜22:00~)に出演中。「めざましテレビ」(フジテレビ系/月~金曜5:25~)内のコーナー「イマドキ」でイマドキガール。ヒロイン役の映画「きょうのキラ君」は2月25日(土)より全国ロードショー。主演映画「暗黒女子」が4月1日(土)より公開。
 

詳しい情報は公式HPへ
飯豊まりえ 公式Twitter
飯豊まりえ 公式Instagram

 
 
「きょうのキラ君」


(c)2017「きょうのキラ君」製作委員会
 

詳しい情報は公式HPへ

 
 

直筆サイン入り自撮りチェキ応募はコチラ⇒