FRESH ACTRESS 唐田えりか

FRESH ACTRESS 唐田えりか

PHOTO=古賀良郎 INTERVIEW=斉藤貴志

「こえ恋」で本格的に連ドラ初出演
ヒロインの恋のライバル役を好演

――ドラマ「こえ恋」で転校してしまった緑川玲那を演じていましたが、連ドラに本格的に出演したのは初めてということで。

「今まで出させていただいたドラマでは台詞がほとんどなくて、今回はたくさんあったから全然違いました」。

――台本をかなり読み込んで臨んだような?

「顔見せで演技力の確認があると聞いて、1週間前から課題のシーンの練習を始めたんですけど、事務所のスタッフさん2人と社長までレッスンしてくださって、『この役は絶対ものにしよう!』と頑張りました」。

――事務所的にも勝負をかけて。

「はい。それで毎日、夜の8時から長いときは深夜3時まで猛特訓して、結果、玲那役に決定しました。そこからまたクランクインまで、ほぼ毎日練習して。台本ができていた4話までの自分の台詞は完璧に覚えて、撮影に入りました」。

――なぜか紙袋をかぶっているクラス委員長の松原くんを好きで、ヒロインの吉岡ゆいこ(永野芽郁)の恋敵のポジションで、やりがいも大きかったのでは?

「私は想いを伝えられるタイプではないんですけど、玲那は意志が強くて大胆に行動できるところが楽しかったです。私だったら、好きな人には逆に近づけないというか、話すと絶対に顔が真っ赤になってバレちゃうと思うので、たぶん遠くから見ているだけです(笑)」。


――実際の高校で紙袋をかぶった人はいなかったと思いますが(笑)、ああいう恋愛模様は周りで見掛けたりはしました?

「高校は女子校だったので、うらやましく思いました。『こういう恋愛、したかったな』みたいな(笑)」。

――でも、緑川さんはけっこう切ない立場でしたよね。

「4話の涙を流したシーンは、自然と玲那の気持ちになって泣きました」。

――吉岡さんと教室で2人きりで話して、窓際のカーテンのなかに入って「私がどういう表情をしてるかわかる?」と言ったシーンですね。あそこは、吉岡さんに「勝てない」と思ったんでしょうか? 緑川さんは「私は松原くんに紙袋を外せるようになってほしい」と言ったら、吉岡さんに「私は松原くんの内面を見られるようになりたい。松原くんがそうしてくれるように」と言われて。

「そうですね。『ゆいこにはかなわない』という想いが、あそこで出たと思います。松原くんもゆいこのことが気になっているのは感付いていて、ゆいこの松原くんに対するまっすぐな気持ちを聞いたら、松原くんが惹かれるのもわかると思ってしまったというか」。

――もともと緑川さんは松原くんに「何かあったら私が助ける」と言っていたり、自信があったんですかね?

「お互い通じ合ってると感じていたんだと思います。松原くんを守るのを義務みたいに思っていたのかな?」。


――永野芽郁さんについて、前の取材のときに「『俺物語!!』を観て、すごくかわいかった」と話していましたが、会ったのは初めて?

「フジテレビヤングシナリオ大賞の『超限定能力』に出させていただいたとき、芽郁ちゃんがヒロイン役だったので一回だけ会いました。私のことを覚えていてくれて、すごくうれしかったです」。

――実際にああいう女の子が恋のライバルだと、強敵ですよね。

「もし芽郁ちゃんがライバルだったら、普通に最初から『もう無理』と思っちゃいそうです(笑)。戦えないです」。

――えりかさんもタイプが違うだけで、全然勝負できると思いますが。緑川さんは学校の理事長の娘で育ちも良さそうで、その部分で意識したこともありました?

「『所作はきれいに』というのは考えました。教室で座っているシーンでも、普段の私は後ろに寄り掛かっちゃうクセがあるんですけど、背筋をビシッと伸ばして座るとか」。

――いろいろ含めて、特に演技的なハードルが高かったシーンはありました?

「やっぱり4話の涙が出るシーンは、テストから想いが入って泣いてしまって。監督さんに『ここで泣いてほしい』と涙を出すところを決められてから、難しく感じました。細かいことが入ってくると」。


――“涙が出ない”というパターンでなく、涙をどう抑えるか。普段も涙もろいタイプですか?

「人が見てないところで1人で泣くことが多かったのですが、最近は人前でも泣くようになっちゃいました。今までは思ったことを隠すタイプでしたけど、演技の練習をしていくうえで『隠さなくていい』と言われ始めてから変わりました。5月に上京した頃、いろいろなワークショップを受けたりして、他の人の演技を間近で見て、比べたら『自分は全然何もできてない……』と思って、バーッと泣いちゃったんです。ワークショップが終わってから、マネージャーさんの前で」。

――でも気持ちを表に出せるのは、女優さんとしてはいいことなんでしょうね。

「そういうふうに捉えています」。
 
 

実はドジなのを隠そうとしていたのが
最近は「そのままでいい」と思って

 
 
――「こえ恋」でどこかのシーンを演じたときに何かが開放されたとか、役とのシンクロ感が高まったとか、そういうことはありませんでした?

「私はもともと、見た目だと『しっかりしてそう』『落ち着いてる』とよく言われますけど、実際は抜けてるんです(笑)」。

――そうなんですか!?

「友だちにも『ひと言しゃべるとバカがバレる』と言われるので(笑)、ずっと『これを隠さなきゃ』と思っていたんです」。

――緑川さんも松原くんに「私も緑川家の幻想の仮面をかぶっているの」と言う台詞がありましたね。

「私も簡単に言えばそんな感じで、事務所に入ってからも『しっかりしなきゃ』『いい子でいなきゃ』と思って過ごしてました。でも、上京してからいろいろな人と関わるようになって、『自分で自分を作っていたら疲れるし、辛い』と考えるようになって。玲那の役をいただいて、そういう意味では共通するところがあるなと。最近は『普通のままでいいんだ』と思えて、楽になりました」。

――さっき出た「抜けてる」って、実際どんなことを?

「常にドジはしてますけど(笑)、忘れ物が多かったり。中学のときに母に買ってもらったお気に入りの傘があって、雨の日は必ず持ち歩いて、韓国旅行にも持っていったぐらいだったんですね。それをどこかに置いてきてしまって、ショックでした。どこに忘れたのかもわからなくて」。

――次の雨の日に「ない!」とか?

「ふとしたときに、いつもあるはずの傘がなくなっている……という感じでした。ずっと一緒にいたのに」。


――「こえ恋」の主題歌CDプレゼントの告知では、えりかさんも紙袋をかぶって、自分の手を紙袋にぶつけたところがそのまま流れてました。

「あれは1回目のテイクで、バシッとぶつけちゃって『すいません』と言おうとしたんです。まさかそれが使われるとは思ってなくて、ビックリしました(笑)」。

――紙袋をかぶるのは、どんな感覚でした?

「感動しました(笑)。視界がすごく狭くて、ただ真ん前しか見えない。動きづらいし、ちょっと暑かったんですけど、『松原くんと同じだ!』って」。

――一方、「ヒルナンデス!」の企画で富士山に登りましたが、山登りはしたことあったんですか?

「高尾山など初心者向けの登山はしたことがありましたけど、富士山ほどの高い山は初めてでした。でも、20歳までに富士山に登りたいと思っていたので、今回挑戦させてもらえてうれしかったです」。

――何か準備をして臨んだんですか?

「ちょっと遠くまで、山登りをイメージして歩いたりはしました。実際に登っているときは高山病にならないように、こまめに息を吸ったり吐いたりしたんですけど、そういうことも調べておいたり」。


――もともと体力はあるほう?

「普通ぐらいです。でも、目標は達成したかったので。高山病にならずに頂上まで行きたいと思っていました」。

――ご来光も見られて?

「それが、天気がすごく悪くて。ずっと雲海だけは見えていたんですけど、下は真っ暗でまったく見えませんでした。雨もザーザー降ってきて寒いし、登っていくにつれて体の芯まで冷えてしまって、下るときも膝がすごく痛かったです」。

――そうした富士登山経験を経て、大げさにいえば人生観が変わったようなところも?

「一緒に登ったのがつるの剛士さんとマイケル富岡さんで、お二人は登山のベテランですけど、それでも『今回は過酷』とおっしゃっていたくらいだったんです。そのなかで登れたから『これからはどんな困難が来てもやっていけそう』という自信は付きました」。

――今は高校を卒業して上京してから初めての夏ですが、満喫してます?

「まだ夏っぽいことはやれてないです。花火大会で浴衣を着たり、スイカ割りをしたいんですけど。この前、実家に帰ったときに、家族と庭で花火はしました」。


――映画も相変わらずたくさん観ているんですか?

「事務所の方に週1ぐらいで映画館に連れて行ってもらってます。最近では『セトウツミ』が面白かったです」。

――ほぼ池松壮亮さんと菅田将暉さんの会話で成り立ってましたね。

「ポスターからものほほんとしたイメージがあって、一回ぐらいは睡魔が来るかと思っていたら、全然なくて(笑)。爆笑というよりはクスクス笑うところがたくさんあって、雰囲気や世界観も大好きでした」。

――さすが若手実力派と呼ばれる2人で。

「テンポが良くて、すごいなーと思いました。ああいうお芝居もできるようになりたいですね」。

――演技レッスンも引き続き受けているんですか?

「やってます。演技はまだまだなので。幅が全然ないし、『こうしてみて』と言われても一回でできないですし。滑舌のためにボイストレーニングもしていて、声がこもっていると言われることも多いので、ノドを開くクセを付ける練習も教えてもらいました」。

――秋が来るのは楽しみですか?

「9月に誕生日もあって、一番好きな季節です。気候もちょうどいいし、秋っぽい服装もしたいし。あと、焼きいもを食べたいです(笑)。おいしいですよね? おじいちゃんが農家で、毎年サツマイモが大量に獲れるので、毎年楽しみにしています」。


――量もけっこう行くんですか?

「3本くらいは」。

――一度に?

「はい(笑)。だから、食欲の秋ですね。今まさにダイエット中なんですけど(笑)」。
 


 
 

唐田えりか(からた・えりか)

生年月日:1997年9月19日(18歳)
出身地:千葉県
血液型:A型

 

【CHECK IT】
マザー牧場でアルバイト中にスカウトされて芸能界入り。2015年9月から「ソニー損保」CMの新イメージキャラクターに。現在は「研究室」篇、「大講堂」篇がオンエア中。少女時代の「DIVINE」プロモーションビデオ(WEB)に出演。「こえ恋」(テレビ東京/金曜24:52~)が放送中。「ヒルナンデス!」(日本テレビ系)の8月17日(水)放送の富士山登山企画に出演。
 

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