舞台裏のプロフェッショナル 川上アキラ -後編- ももいろクローバーZの2017年展望

舞台裏のプロフェッショナル 川上アキラ -後編- ももいろクローバーZの2017年展望

PHOTO=古賀良郎 INTERVIEW=小島和宏

 
 
――後半は「ももいろクローバーZの2017年」について語っていただきたい。まずは4月22日から47都道府県をすべて周る全国ツアーが発表されました。

川上「僕たち的には、ずっとやりたいというか、いろいろな場所に行きたいという気持ちがずっとあったので、これはもう初志貫徹というかね。いろんな場所に行って、ウチのステージを見せることが“笑顔を届ける”ということだと思っているので」。

――まさに2014年に百田夏菜子が国立競技場で宣言した「みんなに笑顔を届ける、という部分で天下を獲りたい」という言葉を、2017年からじっくり時間をかけて実践していくことになるわけですね。

川上「そういうことです。だから、僕たちからしたら、特別なことでもなんでもない。ただね、昨年、ドームツアーをやっているから、今年はホールツアーをやります、と発表したら、なんだか後退した、みたいな捉え方をする人もいるみたいで。逆にそこは驚きましたね。あぁ、世間はそう捉えるのか、と」。

――世間から見ると、いろいろ順番が逆に見えるかもしれませんけど、国立競技場に到達してからの3年間は、ちゃんと順序立てて考えると、理想的な流れになっている。映画と舞台で『幕が上がる』に長い時間をかけたことが、のちのち、百田夏菜子の『べっぴんさん』出演へとつながってくるわけだし、毎朝、視聴率20%を超える『べっぴんさん』で百田夏菜子の顔を全国の人たちに知ってもらったタイミングで、今度はももクロの方から全国に出向いて、みなさんに会いに行く。国立競技場の聖火の前で誓った言葉が、着々と現実のものになってきています。

川上「まぁ、2017年は全国ツアーに限らず、ライブの年だと思ってます。2016年は有安や佐々木が横浜アリーナでソロコンサートをやったり、百田が朝ドラに出たりして、ある程度は貯金みたいなものもできたと思うんですけど、それを食いつぶしていくようなやり方をウチはしたくないんで、いろいろやっていきますよ。これはちょっと詳しくは言えませんけど、もう2018年もね、いろいろと面白いことを考えて動いていますから(ニヤリ)。常にそういうことはやっていきたいなぁ、と思っているわけですよ」。


――2016年はソロ活動が目立った1年で、本当にメンバーの「個」が確立されたと思うんですが、今年はイッキに5人での活動が増えます。

川上「もちろん、今年もソロコンサートはやっていきますよ。有安の東名阪ツアーも発表されているし、あーりんのソロコンもまた今年もやります。だから、昨年やってきたものにプラスしてライブがドッと増える。このふたつを並行してやっていくことが面白いんじゃないかな、と。だからね、なんかいつもももクロは変わったことをやっていると思われがちですけど、別に奇をてらったことなんてやってないですよ。特に2017年に関しては、当たり前のことをやっていくだけですから」。

――47都道府県ツアーの会場はけっして大きくはありません。ただ、これはカウントダウンコンサートの会場でも感じたんですけど……。

川上「カウントダウンね、あれは面白かったなぁ~」。

――そう思えるのは、やっぱりステージと客席の近さもあったのかな、と。2階席からでもステージ上のメンバーがちゃんと肉眼で見える。47都道府県ツアーでは、さらに近くなるわけですよ。

川上「ウチはその“近さ”というか、お客さんとの距離感は大事にしたいと思っているので。たとえ遠くに離れていても、お客さんたちは彼女たちの存在を近くに感じてくれている。そういう部分は大事ですよ。あっ、あと子供番組ですよ! 2月からHuluで『ぐーちょきぱーてぃー』という子供番組がスタートします。収録には子供も入れてやりますから」。


――これもいままでの蓄積というか、『親子祭り』『子供祭り』といったイベントを何年も続けてきたからこそ、メンバーも自然に受け入れられる展開ですよね。

川上「日本ではどんどん少子化が進んでいますけど、意義としてはウチがやっていくべきものだと思うし、やっぱり“笑顔を届ける”ということを芯にしてやっているわけだから。あと変な話、これは自分が親になって気づいたんだけど、動画配信を世界レベルで見ると、結構ね、子供向けのものが上位に入ってきているんですよ。そういう部分でも、やる意義はありますね。まぁ、最初は試行錯誤だろうし、それがまたウチにとっては面白いことになるのかもしれないな」。

井上「ただ、これは我々、メディア側の人間だけが不安に思っていることなんですが……今でさえ、なかなか取材のスケジュールをもらえないのに、4月以降、ずっと週末に地方でのライブが入っている。東京にいる時間が確実に減るわけで、さて、取材はさせてもらえるんでしょうか(苦笑)」。

川上「あぁ、なるほど。そこはなんとかしますよ。とりあえず、今、発表になっている日程は“第1弾”ですから。あのペースで1年間、やるわけではないです。有安のツアーもあるし、ウチも『夏のバカ騒ぎ』もあるし、次は秋になるのかな?」。

井上「あっ、来年の5月17日(結成10周年記念日)までに終わるわけじゃないんですね?」。

川上「終わらないですね。4回に分けて、47都道府県を周る感じになるので、まぁ、10周年イヤーのうちに終わればいいかな、と。だから、まったく取材のスケジュールが出せないなんてことはありませんよ」。


井上「それを聞いて安心しました。HUSTLE PRESSとしては2017年に今までにない企画を考えていまして……川上さん、ももクロメンバーそれぞれの『バースデーブック』を作りませんか? メンバーそれぞれの誕生日にみなさんの手元にバースデーブックが到着するという」。

川上「あんまり聞いたことがない企画だよね」。

井上「他のアイドルでもすべてのメンバーを1年のうちにやったことはないから。今回は2017年に5人全員、5冊をね。誕生日当日にファンのみなさんの手元に届くという『逆バースデープレゼント』にしたい。今年じゃなくちゃ撮れない『なにも足さない、なにも引かない』等身大のメンバーを切り取れれば、と」。

川上「いいですね、やりましょう! いやいや、そうはいっても、3月15日ですよ、有安の誕生日は。もう動かないと間に合わないじゃないですか!? わかりました、すぐにスケジュールを出しますよ!」。


 
 


 
 

川上アキラ(かわかみ・あきら)

生年月日:1974年9月10日
出身地:埼玉県
血液型:-

 
 

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スターダストプロモーション所属のマネージャー、プロデューサー。1998年入社。芸能3部にて、沢尻エリカ、早見あかり、ももいろクローバーZ、3B juniorなどを担当。2013年に役員に就任。配信サイト「LoGiRL」にて、毎週水曜日に「川上アキラの人のふんどしでひとり相撲」を担当。
 

ももいろクローバーZの詳しい情報はももいろクローバーZ公式HPへ