PICK UP IDOL ラストアイドル
PHOTO＝小澤太一 INTERVIEW＝斉藤貴志
人気高いシュークリームロケッツ
2ndシングル表題曲を勝ち獲る
――それぞれアイドルを目指したルーツはどの辺でした？
松本「最初に好きになったアイドルはAKB48さんの渡辺麻友さんですけど、アイドルに興味を持ったきっかけは『きらりん☆レボリューション』というアニメです。普通の女の子がアイドルになるお話で、歌って踊ってキラキラしている姿を見て、自分も歌とダンスをするようになって、アイドルを目指しました」。
――ももなさんは「ラストアイドル」の1stシーズンで挑戦者としてバトルをしたときは、欅坂46の「青空が違う」を歌いました。
松本「欅坂46さんの曲が好きで、その中でも『青空が違う』が大好きだったんです。勝負の場だったので、自分の大好きな曲を選びました」。
――愛実さんは2ndシーズンで秋元康先生がシュークリームロケッツのプロデューサーに決まったとき、「48グループさんが大好き」と言ってましたね。
小澤「元から歌とダンスが大好きで、AKB48さんはずっと大ファンです。幼稚園の頃からテレビの前でマネして踊っていて、お母さんに『衣裳を作ってほしい』とかムチャ振りしてました(笑)。それで秋元先生がプロデュースするグループに入ることを目指していたんです。オーディションを何度か受けて、書類審査も通らなくて自信をなくしていたときに『ラストアイドル』のことを知りました。“兼任OK”ということでハードルが高そうで、受けるか迷いましたけど、やっぱりアイドルになりたかったので、勇気を出して応募しました」。
長月「私もAKB48さんが『RIVER』くらいで世間に認知され始めた頃に、まず板野友美さんを好きになりました。それから自分がアイドル活動を始めて、前のグループにいたとき、元乃木坂46さんの深川麻衣さんも推しているファンの方がいたんですね。その人が深川さんファンの友だちを連れて私たちのライブに来てくれて、深川さんを見ている人たちに自分が見られることが恥ずかしくなったんです」。
――比べられることが？
長月「はい。ファンの方は別にそんなつもりはなかったんですけど、私は恥ずかしくて、もっと誇りを持って推してもらえるようになろうと思いました。深川さんにお会いしたことはありませんけど、テレビで見るとやさしさに溢れていて、幸せそうでいいですね」。
小澤「私は今は指原莉乃さんが大好きです。アイドルに限らず幅広く活躍されていて、いつかは自分もそうなれたらと思います。でも、今はまだアイドルとして足りないことが多いので、まずはアイドルを極めて、皆さんに認めてもらいたいです」。
松本「私の憧れの方は白石麻衣さんです。とっても透明感があって、男性にも女性にも人気で、アイドルだけではなくモデルのお仕事もされていて。写真集を見ると、表情をいろいろ出されてますよね。私もあんなふうになりたくて、目標にしています」。
長月「深川麻衣さんは最初のほうは選抜に入れなくて、握手会で徐々に人気が出てきたイメージがあります。私も最初は大人数の中で目立たずに、ファンの人と協力しながら『こうやってみよう』って努力して上がっていきたくて、『ラストアイドル』に応募したんです。そしたら、いきなり3人組になって『目立つじゃん』って戸惑いました(笑)。うれしいですけど、『これでいいのかな？』って……。でも、今はシュークリームロケッツに入って良かったと思います」。
――3人とも元のラストアイドルの入れ替えバトルで一度は敗れたわけですが、その負けは引きずりました？
小澤「負けた当日は涙が止まらなくなっちゃって、どうしようかと思いました。私は結構引きずるタイプで、絶対に何日か長引く気がしましたけど、寝て起きたら全然ケロッとして、『次もあるじゃん！』となってました。それでも次の日にはまた落ち込んだり、また元気になったり、その繰り返しでしたね」。
松本「私も負けたあとは、楽屋に戻って涙が止まりませんでした。自分の中では良いパフォーマンスができたと思っていたら選んでもらえなくて、一回は涙を抑えたんですけど、また止まらなくなって……。挑戦した（間島）和奏ちゃんのパフォーマンスを見たら、観覧のお客さんを笑顔にしていて、『私にはこんなことはできない……』と思ったんです。それでも勝ちたい気持ちはあったから悔しくて、家に帰ってからも『なんでダメだったんだろう……？』って泣いちゃいました」。
――翠さんは暫定メンバーから一度挑戦者に負けたとき、番組内で「もうアイドルは諦める」と言ってました。
長月「3年くらいアイドルをやってきて、これでダメなら向いてないと思っていたので、誰に何を言われても絶対やめるつもりでした。でも、負けたあとの楽屋でスタッフさんが何人も『また一緒にやろう』と言ってくださったり、家に帰ったら暫定メンバーから『やめないで』と連絡が来て、考え直しました」。
――そのあとに暫定メンバーに辞退者が出て、敗者復活戦に勝ってラストアイドル（現LaLuce）に復帰。シュークリームロケッツと兼任になりました。それは最初どう受け止めたんですか？
長月「うれしかっただけで、特に何とも思いませんでした(笑)」。
――「大変すぎる」とも思わず？
長月「全然。余裕でできると信じてました(笑)。忙しくなるし寝られないかもしれないけど、自分が大きく変わるわけでもない。せっかくのチャンスなのに、兼任をやらない選択はないんですよ」。
小澤「私もみーたん（長月）ならできると思いましたけど、最初はあまり理解できなくて。敗者復活戦の日に普通に会って、『戦さに行って参る』って出て行って、ももなちゃんと2人で『えっ？ シュークリームロケッツはどうなっちゃうんだろう？』と話してました。兼任というのを知らなくて、『シューロケはなくなっちゃうの？ 2人でやるの？ みーたんの代わりが来るの？』とか、いろいろ不安でした」。
――そうなりますよね。
小澤「せっかくシュークリームロケッツが大好きになって、『これから3人で頑張るぞ！』という気持ちだったのに、みーたんがいなくなったら、すごく悲しい。『どうしよう……』と思っていたら、『責任持って、どっちもちゃんとやるから』と言ってくれました」。
長月「そんなふうには言ってない(笑)。『別に大丈夫だよ』くらい」。
小澤「いつものみーたんのノリで」。
松本「『見捨てるわけないじゃん』ってLINEをくれたりしたので、気持ちが楽になりました」。
長月「自分では本気で兼任はできると思っていたんです。シュークリームロケッツで表題曲も獲ったし、ラストアイドルでも誉めていただけていたので、両方ちゃんとできてるよね？」。
小澤「できてる」。
――しかも、翠さんの人気が上がってソログラビアも増えて、体力的には大丈夫ですか？
長月「寝る時間もお弁当を食べる時間もないですけど、そんなに疲れてないです。やりたいことをやっているので」。
――それぞれ負けたときの自分と今とでは変わったと思います？
長月「もう全然違いますよ！」。
小澤「1回1回の対決でメンタルが強くなりました。初めの頃は何か少しでも言われたら、何日も気にしていたんです。今は何か言われても『自分のことを見てくれているから言うんだ』という捉え方ができるようになりました」。
長月「そうだね。自分のファンの方も気づかないような細かいことで叩かれると、『そんなところまで見ていてくれるなんて』と思ってしまう(笑)」。
小澤「知らなかった自分に気づけて、『次はこうしよう』と思えますから」。
松本「私も結構引きずってましたけど、今は怒られたり落ち込むことがあっても、常に前向きな考えを持てるようになりました」。
夢が大きすぎると傷つくことを
一番わかってるグループです(笑)
――秋元先生にはシュークリームロケッツの楽曲について「王道のかわいさを残しつつ、違う一面を出したい」とリクエストしてました。
小澤「変わり映えも大事だと思って、いろいろな曲に挑戦したかったので」。
長月「『君のAchoo!』はだいぶ変わった感じになったと思います。正直、私たちは今回、そんなにかわいくやってるつもりはないです。結構必死なんです(笑)」。
小澤「確かに」。
長月「ダンスは最高の難易度。意外とそこは注目されませんけど、本当に難しいです」。
小澤「1人1人、振付も全部違っていて」。
長月「そう！ 10㎝ズレるとぶつかるような振付なんですよね」。
――冒頭で翠さんが後ろ向きで踊ってから、半周走ってきたり。
小澤「みーたんには周りが見えないから、2人が当たらないようにセンチ単位でズレたりしてます」。
松本「私は低音で歌い出しながら振りをするのが、結構大変です。振りは細かくて、最初肘を広げたり閉じたりしながら歌うんですけど、そのときにちょっとうなずいたり、右に行くときに顔を傾けたり……。そういうダンスをしながら低音も意識しないといけないので、キツイですけど頑張りました」。
――くしゃみのときにハンカチを取り出すのも、最初はちょっと遅れ気味でしたよね？
長月「衣裳のポケットが意外と深いんです。ボタンも付いていて、まず手が入らなくて、ハンカチまで遠くてなかなか届かない。歌って踊りながらだし」。
小澤「本番だと緊張もあって、パッとハンカチを取り出そうと前のほうに手を持っていきがちで、ポケットが思ったより後ろにあるから『あっ、あっ……』みたいに探しちゃったり……。始めの頃はてこずりました」。
長月「レコーディングのときは、くしゃみを3人で合計100回ぐらいしました(笑)」。
小澤「スタジオを真っ暗にして、こよりを使って、ひたすらくしゃみをして録ったんです」。
――しかし、この曲の歌詞は意外とシリアスですよね。
長月「メインテーマはくしゃみで、皆さんもそこが印象に残ると思いますけど、私は本当のテーマはスニーカーのことかなと思ってます。“真っ白なスニーカーがどんどん汚れていくように、子どもから大人になるといろいろなことを知るけど、汚れないでほしい……”という願いが込められているというか」。
松本「ただの恋の歌ではなくて」。
長月「自分たちをかわいく見せるより、歌詞の意味をちゃんと気持ちの中に取り込みたいと思いました」。
――中学生には難しい歌詞ではなかったですか？
小澤「しっかり聴かないとわからない、深い曲だと思いました。ボイトレのときに歌詞を音読して、『女優になって演じ切って』と言われたんです。なので歌詞の意味を理解することから始めて、『これは朝の何時？』とか『誰目線？』とか、細かいことまで話し合いました」。
松本「最初は『買ったばかりのスニーカー』もどういう意味があるのか全然わかりませんでした。でも音読とかしているうちに、いろいろ理解できました」。
――とはいえ、若いみんなには、「理想と現実 妥協しながら 誰も大人になるんだ」というのは実感はできませんよね？
長月「お仕事で大人の方と接することが多くて、『大人ってこういうときはこうするんだ』と思ったりするし、自分も子どもの頃の気持ちがどんどんなくなっていくのは薄々感じてます。遊んでるときはまだ子どもでも、仕事に関しては純粋なだけでは行けないときもある。特に『ラストアイドル』はこんな番組だし(笑)。でも、自分の性格とかが汚れないように気をつけています」。
――少し年上の翠さんから見たら、2人はまだ「真っ白なまま」な感じ？
長月「2人ともまだ知らないことが多いだろうから、そこがかわいくて良いと思います。まさに『汚れないでね』という感じです」。
――“くしゃみがかわいすぎて恋が始まった……”という歌でもありますが、そういうことは実際あると思います？
小澤「くしゃみに限らず、意識しないで不意に出る表情がピュアで、そういうのを男の子がたまたま見ていてキュンとしちゃう……みたいなことはあると思います」。
――メンバーを見ていて、かわいいと思う表情や仕草もありますか？
小澤「2人とも常にかわいいんですけど、ももなちゃんは心配性というか、よく『どうしよう？ どうしよう？』と言っていて、そのときに両手でほっぺたを押さえるんです」。
長月「やる、やる」。
松本「意識はしてないんですけど……」。
小澤「本人は焦っていて、自分も焦っていても、ももなちゃんがそうやっているのを見ると『あっ、かわいいな』と思って、焦りを忘れちゃいます(笑)。みーたんは撮影とかでは大人っぽい表情をしがちですけど、素でみんなで話しているとクシャッと笑うのが、個人的にすごくかわいいと思います」。
長月「言われたら、今日からできないよ(笑)」。
小澤「うそ。でも、意識したらできなくなるよね」。
長月「愛実ちゃんは前髪を直すとき、常に携帯を鏡にして見るんです。手鏡を持てばいいのに携帯で見ているところが『面倒くさいのかな？』と思って、何か愛おしいというか、くすぐられるんですよね」。
小澤「一番身近にあるのが携帯なので、バッと出しちゃいます」。
長月「ももなちゃんは笑うときに前歯が出るのがかわいい」。
松本「えーっ？ それはうれしくない(笑)」。
長月「どうして？ じゃあ、変えるよ。化粧品とかピンクにこだわる。そこは女の子らしいと思います」。
小澤「アイシャドウはほぼピンクです」。
松本「最近、自分の中でピンクメイクが好きなので、よくやってもらってます」。
――何はともあれ、2ndシングルの表題曲を勝ち取って、これからのアイドル人生に光が差し込んできた感じですか？
長月「どうですかね？ まず『ラストアイドル』がどうなるかわからないので(笑)。大きく明るくなった感じはないですね」。
小澤「表題曲を歌わせていただくのは、夢だったのですごくうれしいです。前のラストアイドルのCDがお店に並んでいるのを見て、『いいな。素敵だな』と思って、自分がジャケットに載ったCDを出してみたかったので。かと言って、これから先は絶対大丈夫とは思っていません」。
長月「芸能界が不安定な場所だし、ラストアイドルファミリーも不安定だから、安心できるようになるためには、自分たちで頑張っていかないと」。
――この3人でこんな展開をしていきたい、とかはありますか？
長月「日本でかわいいアイドルと言えば……という話になったとき、名前が出るグループになるのが結成当初からの目標だったので、かわいさを磨いていきたいです」。
松本「かわいいアイドルさんがたくさんいる中でも、一番かわいいと言われるグループになりたいです」。
長月「今回は切ない曲を歌わせてもらいましたけど、次は初心に戻って、めちゃくちゃかわいい曲がいいです。『恥ずかしすぎて歌えないよ！』というくらいのものを(笑)、やらせてほしいと思います」。
松本「もっと有名になれたら、単独ライブもしてみたい」。
――日本武道館とかで？
長月「具体的な場所はないです。夢を見すぎると傷つくことを、私たちは一番わかっているグループなので(笑)、夢は大きく持ちすぎず、小さくなりすぎず。ラストアイドルファミリーはみんな、そこは無意識に抑えちゃうんですよね。だから、あまり大きな夢は持ちませんけど、とにかくファンの皆さんに楽しんでもらうことを一番に考えていきます」。
ラストアイドル（らすとあいどる）
2017年8月よりスタートしたテレビ番組「ラストアイドル」（テレビ朝日系）から、メンバー入れ替えバトルの敗者によるセカンドユニットのひとつ、シュークリームロケッツとして結成。番組のセカンドシーズンでの2ndシングル表題曲を賭けたユニット総当たり戦に秋元康プロデュースで臨み、3位からクライマックスシリーズを勝ち抜いた。
【CHECK IT】
2ndシングル「君のAchoo!」が4月18日（水）に発売。「ラストアイドル」（テレビ朝日系／土曜24:05～）に出演中。
詳しい情報はラストアイドル 公式サイトへ
「君のAchoo!」
4形態セット（4CD＋DVD） ¥7200（税込）
TYPE-A（CD＋DVD） ￥1800（税込）
TYPE-B（CD＋DVD） ￥1800（税込）
TYPE-C（CD＋DVD） ￥1800（税込）
TYPE-D（CD＋DVD） ￥1800（税込）
WEB盤（CD） ¥1000（税込）
長月翠（ながつき・みどり）
生年月日：2000年5月 17日（17歳）
出身地：愛媛県
血液型：O型
松本ももな（まつもと・ももな）
生年月日：2002年10月12日（15歳）
出身地：神奈川県
血液型：B型
小澤愛実（おざわ・あいみ）
生年月日：2003年4月9日（15歳）
出身地：神奈川県
血液型：不明
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