PICK UP ACTRESS 松風理咲

PICK UP ACTRESS 松風理咲

PHOTO=河野英喜 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

トリプル主演の舞台でオジサンに!?
映画「生理ちゃん」では恋愛中の受験生役

 
 

――今年から女子大生になって、高校時代とはいろいろ変わりました?

「高校のほうが気持ち的には楽でした。大学は自由ではあるんですけど、全部を自己管理しないといけないので、それがすごく大変です」。

――女子高生とはノリが変わる感じもないですか?

「まだあまり変わらない気がします。この前、母校の文化祭に行ったときも、高校生たちと同じくらいのテンションではしゃいでました(笑)。ただ、今は友だちと2人とかでいることが多いので、街で女子高生の子たちがいっぱい集まっているのを見ると、『うらやましいな。懐かしいな』とは思います」。

――事務所のイベントでは、地元の友だちと久しぶりに会って「全然変わらないね」と言われてショックだったと話してましたね(笑)。

「岐阜から東京に来て高校に入ると、帰りに寄り道したり、みんながメイクしているのに影響を受けてブランドやお店を知ったり、外に出る機会が多くなったので、大人になった気がしていたんです。でも、根の部分は変わってなかったみたいです(笑)」。


――高校を卒業したら、仕事1本でやろうとは考えませんでした?

「大学には行きたかったんです。仕事だけでやっていくより、はけ口が欲しかったですし、普通の友だちが欲しいというのもありました」。

――実際に新しい友だちはできたんですか?

「できました。同じ岐阜出身の子で、すごく仲良くなれて、一緒にごはんを食べたり遊びに行ったりしてます。地元トークで盛り上がれるので、嬉しいですね」。

――キャンパスライフは充実しているんですね。

「大学の中庭みたいなところで、みんなでアイスを食べておしゃべりとかしてます。あと、今までは夜の10時頃になると怖くて『早く帰らなきゃ』と思っていたんですけど、最近はそれくらいまで友だちと遊んで帰ることもあるので、ちょっと大人になった気分で楽しんでます(笑)」。

――同じ事務所の竹内愛紗さん、長見玲亜さんとトリプル主演する舞台「私がオジサンになってた!?」が上演されますが、理咲さんは夏の「A列車に乗っていこう」が初舞台だったんですよね? 石田ひかりさんとの二人芝居で、ハードルが高くなかったですか?

「台詞を言うか聞くかの2択で、ずっと耳を澄ましていて気持ちが休まらなくて、集中力はすごく必要でした。だから今回はキャストが6人と聞いて、ちょっと安心しました(笑)。単純に言えば、台詞の量も6分の1になるので」。


――映像の演技との違いはありました?

「台詞の言い回しは違うと感じましたけど、舞台っぽく大声を張り上げたりする場面はなかったので、大丈夫でした。前を見て喋っていると、たまにお客さんと目が合って、笑ってくれたら嬉しくなったりしながら演じられるのは、舞台の良さだと思いました」。

――今回の3人では芸歴も年齢も理咲さんがちょっと先輩ですが、引っ張っていくんですか?

「2人は初舞台ですけど、私も舞台経験はまだ1回だけで、アドバイスできることはそれほどありません。人によって台詞の覚え方とかいろいろ違うので、あまり押し付けず、伸び伸びできる環境になればいいなと思います。普段から、ちょっと気になったことを『こうしたほうがいいんじゃない?』と、たまにアドバイスするくらいです」。

――3人が夢の中で遭遇した謎のオジサンに「俺は未来のお前だ」と言われて、オジサンになるのを食い止めようと奔走するストーリーですが、こういうコメディは得意ですか?

「どうですかね? 『兄友』というコメディっぽい映画をやらせていただいたときは、感情の起伏を出すのが難しいと思いましたけど、『A列車に乗っていこう』が明るい役でバーンと出すことを覚えたので、あのときよりは上手くできる気がします。自分がどれくらいできるか、楽しみでもあります」。

――ジャルジャルのファンだそうですが、お笑いは好きなんですか?

「大好きです。バラエティ番組は基本、全部録画して観てます。今日も朝早くて5時くらいに家を出ましたけど、起きてから録画した『アメトーーク!』とかを観てました(笑)」。


――朝4時くらいから笑っていたわけですか(笑)。

「そうですね。ちょっと時間があれば観ちゃいます。『アメトーーク!』の他には『ロンドンハーツ』や『さんまのお笑い向上委員会』が特に好きで、トーク系が面白いなと思います」。

 
 

自分も妹なのでお姉ちゃんの前で
バーッと言う役は似てました

 
 

――11月には映画「生理ちゃん」が公開されます。女性たちが突然やってくる“生理ちゃん”に振り回される物語で、理咲さんが演じる米田ひかるも、肩にぬいぐるみの生理ちゃんが乗ってきて「マジで大っ嫌い!」と、本当に嫌そうに言ってました。

「生理ちゃんが擬人化されてああいうふうになっているから、言いやすいところはありましたけど、ちょっと変な感じもしました(笑)。『これは何だ?』という。でも、楽しくできたと思います」。

――ぬいぐるみ相手の芝居で、気を使うところはありました?

「あれは肩に乗せると落ちちゃうんです。だから、手のところを縫い付けたのを覚えてます。一心同体みたいになって、それほど気にすることはなかったですね。(主人公で姉役の)二階堂ふみさんのところに来る生理ちゃんは大きくて、中に人が入って動いてましたけど、私のは小さかったので、ずっとくっついていました」。

――「大事なときに来る」とか「貧血で頭が回らない」といった台詞は、女性の共感を呼ぶんでしょうね。

「ポップというかコミカルに描かれているので、女性だけでなく、男性が『女性はこんな大変な苦労をしているんだ』というのを見ていただけるチャンスじゃないかと思います」。


――確かに、生理ちゃんが二階堂さん演じる青子の上司の下っ腹にパンチをしたときは、「そういう痛みか」とわかったような気がしました。ひかるは今ドキの女子高生という感じの子ですかね?

「そうですね。あとは妹らしいキャラで、お姉ちゃんの前で言いたいことをバーッと言ったり、ハッチャケたりするのは、私も姉がいて妹なので似ている部分だなと思いました」。

――一人暮らしをするお姉さんの家にやって来て、あれこれ話した揚げ句、最後にポロッと「たまには帰ってきたら?」と言ってました。

「そういう、ふと見えるやさしさは大事にしました」。

――二階堂ふみさんとは初共演でしたっけ?

「はい。撮影に入る前に本読みがあって、声を操るのがすごくお上手だなと思いました。お芝居でも『ここの台詞はこう来るだろうな』という想像を遥かに上回るものを出されてきて、『ああ、すごいな』と思いながらやってました」。

――ひかるはお姉さんには結婚をけし掛けておいて、自分と彼氏のことは「受験生でそれどころじゃない」とも言っていて、その辺は古風なんですかね?

「恋愛にはそんなに積極的ではなくて、お互い意識しちゃうのがかわいらしい感じがしました。彼が家に来て、慌てて部屋を片付けていたり」。

――理咲さんは普段から部屋はきれいにしてそうですね。

「まあ、それなりに(笑)。めちゃめちゃきれいなわけではなくて、小まめに掃除するというより、週の終わりにバーッと片付ける感じです。もし散らかってるときに誰かが来たら、ひかるみたいにバタバタしちゃう気がします」。

――ひかるの部屋には「夢は逃げない 逃げるのはいつも自分だ」と書いた貼り紙がありました。

「受験生だったので、たぶん自分に向けて言い聞かせていた感じですかね」。


――理咲さんの部屋にそういうものは貼ってありますか?

「いやー、ないですね(笑)。時間割とかは貼ってましたけど、目標を書いたりはしてません。やらないといけないことを付箋に書いて、机に貼ったりはしてました」。

――貼ってなくても、好きな言葉や座右の銘はありますか?

「『努力の上に花は咲く』という言葉はずっと好きです。どこで知ったかは覚えてないんですけど。あと、座右の銘とかではなくて、『小さな巨人』というドラマで『敵は味方のフリをする』という言葉を聞いたときは、カッコイイと思いました。『そういう世の中なんだな』と感じました(笑)」。

――理咲さんも去年は受験生でしたが、大変なことはありました?

「学校に夜遅くまで残って、勉強してました。先生が小論文のことを一緒に考えてくれたり、お仕事で授業に出られなかったときにイチから教えてもらったり、親身になって助けていただきました。先生には怒られたりもするから、嫌だった時期もありましたけど、自分のことを考えてくれていたのがわかったので、受験をして良かったと思いました」。

――「トリプルミッション!!! 女優たちの夢、ドラマにしました」というプロジェクトで自ら企画・プロデュース、主演したドラマも来年配信されます。理咲さんは心に闇を抱えた少女の復讐劇に挑んだそうですが、清楚なイメージを覆したかったんですか?

「今まで明るい役が多かったので、やったことのない役に挑戦しようと考えて、復讐劇になりました。もう撮影は終わって、表情があまり動かない役だからやりやすいかと思ったら、かなり難しかったです。表情を変えずに伝えるお芝居はすごくエネルギーがいると、やってみて強く感じました。コメディでもハッチャケた役でも、毎回難しいと思いますけど、今回は最後まで『難しい』と思いながらやってました」。

――どう仕上がっているか楽しみにしてます。この秋はどんなふうに過ごしてますか?

「さんまを塩で焼いて食べてます(笑)。でも私、冬が好きなので、早く寒くなってほしいです。寒いときにいろいろ上着を着て暖まるとホッとするというか、守られてる感じがするのが好きなんです」。


 
 


 
 

松風理咲(まつかぜ・りさき)

生年月日:2001年1月17日(18歳)
出身地:岐阜県
血液型:B型
 
【CHECK IT】
2015年にCMデビュー。2016年に「グッドパートナー 無敵の弁護士」(テレビ朝日系)でドラマデビュー。2017年にに初主演映画「トモシビ 銚子電鉄6.4kmの軌跡」が公開。その他の主な出演作は、ネットムービー「恋茶の作法」、ドラマ「先に生まれただけの僕」(日本テレビ系)、「グッド・ドクター」(フジテレビ系)、映画「兄友」、舞台「A列車に乗っていこう」など。舞台「私がオジサンになってた!?」は10月26日(土)・27日(日)に原宿クエストホールで上演。映画「生理ちゃん」は11月8日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開。配信ドラマ「トリプルミッション!!!女優たちの夢、ドラマにしました」(ひかりTV/2020年配信)で主演&企画プロデュース。
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「私がおじさんになってた!?」

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「生理ちゃん」

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©吉本興業 ©小山健/KADOKAWA
 
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