PICK UP ACTRESS 森七菜

PICK UP ACTRESS 森七菜

PHOTO=厚地健太郎 STYLING=申谷弘美(Bipost)
HAIR&MAKE=佐藤寛(KOHL) INTERVIEW=田中裕幸
衣裳協力=MILKFED.、JELLY BEANS

 
 

新海誠監督作品「天気の子」でヒロインの声を熱演
陽菜は天気みたいな子で自分と似てる!?

 
 

――ドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」で話題になり、新海誠監督の「君の名は。」以来の新作映画「天気の子」でヒロインの声を演じ、注目度急上昇中の森七菜さん。その「天気の子」がいよいよ7月19日に公開されます。まず、七菜さんが演じるヒロイン・陽菜はどんな女の子ですか?

「最初に本編の参考映像のビデオコンテを見せてもらったんですけど、それを見てわりと大人っぽい女の子だなと思いました。新海さんからは『陽菜は天気みたいな子だから』と教えてもらって、『あ、確かに』と思えました。そして『私と似ている』と言ってくださって、自分に近いところがある子なのかなと思いました」。


――七菜さんも“天気みたいな子”なんですか?

「気まぐれです(笑)。私はそんなつもりはないんですけど、いろんな人から『感情がコロコロ変わるね』と言われます」。

――何か思い当たることってある?

「この前、裁縫をしようと思って買い物に行ったんですけど、手にいっぱい持ったビーズを見ていたら気が変わって、『やーめた』と思いました(笑)」。

――(笑)。新海監督からは、オーディションのときから“気まぐれな子”に感じられていたのかな?

「うーん、どうでしょうね。私は出していないつもりだったんですけど……。猫かぶっているので(笑)。でも、なんだか見破られた感じがあって、マイクの前で、新海さんに見られている前では嘘をつけないなと思いました(笑)」。

――声の収録にあたっては、じっくり役について自分なりに考えてから臨んだ? それとも、プレーンな状態で臨んで、監督の指示に柔軟に対応する感じ?

「事前にがっちり作り込んではいかなくて、周りの人に支えてもらって陽菜が出来上がっていった感じです。普段は映像のお芝居をさせていただいていて、そういう私を選んでもらったからには、(役を通じて)自分のいいところも出せたらなと思って、あんまり構えすぎずに、と思いました」。

――新海さんから演技指導をされたり、役柄を深めるために話し込んだことは?

「役柄を作っていくにあたってあんまり深い話はしていなくて……。というのも、最初のビデオコンテで『陽菜というのはこういう子で、このシーンはこういうところが素敵で……』というポイントを教えていただいたので、遠回りはせずに、一番いい状態でアフレコに臨ませていただけたと思います。新海さんからは『かわいく』というのが一番多く言われたことだったんじゃないかと記憶しています。陽菜はちょっとイタズラっぽい振る舞いをする大人っぽい女の子なので、その魅力が出るように意識しました。ちょっとイタズラっぽく笑うところとか、意地悪しちゃうところとか……」。

――“かわいく”の種類っていろんな形があると思いますが……。

「いろんな面があるんですよね。なんか、子どもっぽい面が見えてくるところもあるし、大人のかわいさみたいなところもあるので、自分の中にあるいろんなものを出してみて、それで新海さんが一番イメージに合うものをセレクトしていただけたらと思いました」。

――陽菜の印象ですが、最初にビデオコンテで見たときとやっていく上では変化した?

「収録が進むにつれ、だんだん主観になってきていったので、取材で陽菜の印象を聞いていただくことがあるんですけど、実は答えるのが難しいんですよね。なんだか『自分の性格ってどういう感じですか?』と聞かれているみたいで。話すのは恥ずかしいですし、さっきの“気まぐれ”の話もなかなか恥ずかしかった(笑)。だんだん陽菜と一体になってくるような気がして、それが楽しかったです」。

――今まで出演した実写作品でもそういう感覚ってありました?

「いつもそんな感じですね」。


――実写作品とアニメ作品、入口のところで声優向けの発声練習をしたりという準備はあったとは思うけど、“演じる”という点では変わりはない?

「変わらないかもしれないですね。今回も気持ちをすごく大事にさせていただきました。大事なシーンの収録も、1回目にやったもののほうがやっぱり気持ちがしっかり出るし、でも、2回目にやったほうがそれをふまえて技術面でいいものが出てくるという場合もある。それぞれあるので1回1回の芝居を大事にしています。新海さんと音響監督さんと話し合いをして大事に録っていった印象でした」。

――監督は、ビデオコンテの段階で、説明してくれた範囲で陽菜のイメージは作っていたと思うんですけど、七菜さんの個性や1回1回の芝居を通じて作り上げていって、それが七菜さんが本来持つものと近づいていったのかも。

「そうなんですかね。監督も『最初の段階では陽菜をあまり作り上げてなくて、でも、それを七菜ちゃんが教えてくれた』とおっしゃってくださったので、それで気張らずにいこうと思って……。新海さんは今何を思ってらっしゃるのか、聞いてみたい気がします」。

――公式Twitterなどを見ていると、“新海お父さん”を中心に、主人公・帆高役の醍醐虎汰朗さんと3人の親子みたいな雰囲気で楽しそうな感じが伝わってきました。

「現場は楽しかったです。新海さんと醍醐くんと私で、会話のテンポがだんだん慣れてくるのが面白かったです。わたし的には全然タイプが違う3人だなと思ったので、『天気の子』という作品がなかったら関わっていないような異色の3人が話をしていると、不思議な感じがして楽しいです(笑)」。

――醍醐くんがもしクラスメイトにいたら、そんなに仲良くなるタイプではない?

「ないと思います(笑)」。


――帆高というキャラはどう捉えていましたか?

「うーん。もし陽菜目線で見るとしたら、なんか『かわいいじゃん』という感じです(笑)。帆高はいつも一生懸命で、陽菜はあんまり一生懸命にならなくて、同じ目的を持っていても、陽菜はパパーってやっちゃうけど、帆高はいろんな遠回りをしたり、全力でダッシュしてその目標にたどり着く感じがするので、それが人としてすごく魅力的だなと思うし、かわいいなと思います」。

――年齢的に同年代の役柄ですが、その年代の子だと女の子のほうが精神的に上なのかも。

「いろんな面を見せていこうかなと思います。お姉さんっぽい部分も見せつつ、垣間見れる子どもっぽさも出しつつ」。

――陽菜には弟がいるという設定も大きい?

「最初は醍醐くんと2人だけでずっとお芝居をしていたので、弟の凪役の吉柳咲良ちゃんと一緒にお芝居をして声を聞いた瞬間に、お姉さん的な気持ちがすごくきめ細かくわいてきて……。人の力ってすごいなと思いました」。

――陽菜は弟を育てるお母さん的な役割もあるし、いろんな面を見せていかないと成立しないのかも。そういうお母さん的な部分はすんなり出せた?

「実際の私にはお母さん的な部分はなく、むしろ周りの人にお世話されて生きている感じなので、周りの人がいなかったら、今頃車に轢かれてるんじゃないかなというほどです(笑)。そこはまったく真逆といっていいんじゃないかなと思うんですけど、帆高や凪と接したりすると、違いますね。お母さん的な部分が出てきますね」。


――芝居で刺激されて出る部分はあっても、七菜さん自身はお姉さんキャラではない?

「『子どもみたいだね』とよく言われるので、お姉さんっぽさを出すのは難しかったです。いつも話さないような口調で話していたのかも。人をお世話するような、子どもをなだめるような」。

――七菜さんは実際にも弟さんがいるけど、自分の弟に対してもお姉さんっぽくはない?

「世話されています(笑)。この前私が服を着替えてて、そのまま脱ぎっぱなしにしておいたら、『七菜!』って服をたたんでましたから。それに甘えて生きています(笑)」。

――弟さんとは何歳違い?

「5歳違いです。でも弟も前までは『もう!』と言ってすごく注意してきたんですけど、最近は自分の立ち位置がわかってきたようで、中1にして、黙って服をたたんでいるのを見ると、かっこ良くなってきました(笑)」。

 
 

残り半年あまりの高校生活
学校の日に友だちといる時間を大切にしたい

 
 

――ところで本作は「君の名は。」同様、RADWIMPSの楽曲が効果的に使われていて、物語の重要な要素となっています。七菜さんはもともとRADWIMPSの曲は好きだった?

「はい。もともとよく聴いていて、中でも恋を歌った歌が好きなんですね。まだあまり共感できるような体験はないんですけど、映画を1本観たような気持ちになります。『君の名は。』の楽曲も映画とマッチしてて大好きですし、『天気の子』の主題歌『グランドエスケープ(Movie edit) feat.三浦透子』や『大丈夫(Movie edit)』などいろんな曲を聴いていると、それまでその場面で、感じていたけどそれを上手く表現できなかったところを、歌にして書いてくれているから、本当に助けていただいたんです。心の温度を高められたので、本番収録前に好きなフレーズを思い出したりして、『うんうん』と思いながら収録に臨んだこともありました」。

――収録中には野田洋次郎さんが現場に激励に来てくださったようですが、どんな印象でしたか?

「私はすごく緊張して、あんまりうまく話せなかったです。思ったよりも背が高い方で、オーラがすごかったです」。

――さて、七菜さんがもし陽菜のように、雨空を晴れにできる能力があるとしたら、やってみたいことはありますか?

「うーん、どうかな。私はわりとどんな天気でも楽しめるんですよ」。


――雨なら雨で楽しめる?

「そう。でも体育祭とかは晴れのほうがいいので、自分としてはどんな天気でもいいけど、みんなの行事のときにみんなのために使いたい」。

――七菜さん自身としては、もしも雨の日が延々と続くようなことになったとしてもわりと大丈夫なのかな?

「そうなると、やっぱり恋しくなりますね。太陽の光が」。

――雨の日にしていることは?

「雨の日でもよく外出します。傘をさしてお散歩したり、雨上がりのお散歩も好き。映画を観るのも好きだから、雨が強くなってきてちょっと歩くのがきついと思ったら、映画館に入ります」。


――どんな映画を観るの?

「そういうときは時間に合うものを選ぶので、ジャンルにこだわらず、アニメも観ますし、時代ものも何でも観ます」。

――今回、お客さんとして「天気の子」を観たらボロ泣きになるかもね。

「もうやばいです。絶対観に行きます! 3回は観に行きます!」。

――さて、高校生活もあと半年あまりとなりましたが……。

「最近は地元(大分)にいるときのお休みの日がなくなってきているので、学校がある日でも友だちといる時間を大切にしようと思って、放課後にご飯を食べに行ったりとか楽しんでいます」。

――前回のインタビューでは、もう高校での大きな行事は十分満足できたので、何気ない日常を楽しみたいという話もしていましたね。

「でも、修学旅行から時間が経って、またもう1回くらい大きなイベントを経験したくなりました(笑)」。


――高3のこれからだと秋の文化祭とか……。

「文化祭では料理のお店を出す予定なので、頑張っていっぱい売れたらいいなと思います!」。

――仕事も学校生活もますます充実しますように。

 
 


 
 

森七菜(もり・なな)

生年月日:2001年8月31日(17歳)
出身地:大分県(大阪府生まれ)
血液型:A型

 
【PROFILE】
2016年、地元の大分で家族と食事中にスカウトされたことをきっかけに、行定勲監督のWeb広告に出演し芸能活動をスタート。主な出演作品は、ドラマ「東京ヴァンパイアホテル」(Amazonプライム・ビデオ/園子温総監督作品)、ドラマ「やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる」(NHK)、ドラマ「獣になれない私たち」(日本テレビ系)、ドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」(日本テレビ系)など。待機作に「東京喰種 トーキョーグール【S】」、「最初の晩餐」、「地獄少女」、「Last Letter」がある。
 
【CHECK IT】
ヒロイン・陽菜の声を務める新海誠監督作アニメーション映画「天気の子」が7月19日(金)に全国東宝系でロードショー。公開初日となる7月19日(金)の0時からTOHOシネマズ 新宿・TOHOシネマズ 梅田にて世界最速最速上映されることが決定。

 
 

「天気の子」

詳しい情報は「天気の子」公式サイトへ
 
 

 

 

©2019「天気の子」製作委員会
 
 

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