PICK UP ACTRESS 森七菜

PICK UP ACTRESS 森七菜

PHOTO=厚地健太郎 INTERVIEW=田中裕幸

 
 

映画「地獄少女」に出演
物語の中心となる女子高生役を熱演

 
 

――これまで漫画やアニメやドラマなどで作品化されてきた「地獄少女」ですが、この作品のことは知っていましたか?

「小学生や中学生の頃に漫画やアニメをよく観ていました。キャラクターが個性豊かで魅力的で好きでした」。

――今回映画化され、出演することになったときの感想は?

「『地獄少女』が映画化されると知ったときに、誰が主人公の閻魔あいちゃんを演じるんだというのが最初に気になりました。そして『自分が演じる役はどうなるんだろう? 自分が地獄に落とすほうなのか落とされるほうなのか』と……」。

――森さんは物語の中心となる女子高生・美保役を演じています。好きなアーティストのライブに通いつめ、そのアーティスト・魔鬼(藤田富)との関わりの中で、不思議で恐ろしい体験をしていきますが、演じていてどんな女の子だと思いましたか?

「キャストの中では一番普通で、引っ込み思案な女の子。お客さんにとっては一番身近な存在で、自分に置き換えて観てもらえる存在なんじゃないかなと思います」。


――キャラクターは普通の子だけど、設定としては特異な役柄です。「地獄通信」の世界に入り込んだり……。これまでは現実的な設定の役が多かったように思うけど、現実的な役と非現実的な役、どちらがやりやすい?

「現実的な役のほうが、今まで自分が経験してきたことに重ね合わせられることも多いですが、『地獄少女』では経験したことがない場面もあるので、自分の中で非現実感があり、どうしようと思っていたんです。でも観ているお客さんにそう思わせたくないなと思って……。もしかしたら自分の身にも起こり得るかもしれない、『怖い』という気持ちを持ってもらえたらいいなと思って、私の役がそれを引き起こせる一因になれたらいいなと思って演じました」。


――設定的にはとまどいがあったようですが、美保の性格的な部分ではどうでしたか?

「美保は、大ファンだった魔鬼に取り込まれて性格が変わっていく親友の遥(仁村紗和)を心配して、気持ちがおかしくなっていくのですが、最初そういう部分は理解できないなと思っていたんです。私は自分の中から湧き出てきたことしか芝居で表現できないので、それを演じることができたときには自分でも驚きました。そういう感情でお芝居ができたことが。自分にもこんなふうに人のためにおかしくなったりする面があったんだと」。

――自分の性格でも新たな発見があったようですね。これまでの作品でも、たとえばいじめに遭ったり、精神的に追い詰められるような役を演じるとき、役に完全に入ってしまって、撮影期間中は普段の生活でも苦しくなるという話をしてくれていましたが、今回の作品でもそんな感じでしたか?

「遥ちゃんと仲違いするシーンを撮っているときは、撮影以外の時間も本当に苦しかった。撮影がすべて終わったときに安堵で涙がバーっと出てきて、仁村さんが『大丈夫だよ』ってハグしてくれたのがすごく印象に残っています」。


――玉城ティナさん演じる、あいの印象は?

「原作のあいちゃんを忠実に再現されていて、それでいて、もっと妖艶な感じがあるなと、一緒にお芝居をしていて驚いたんですよ。メイクをして役に入っていると、『この方は本当に生きているのかな?』と思えるほど、いい意味で不気味で、地獄に生きている人なのかなと感じて……。原作を知っている方もすごく好きになってしまうんじゃないかなと。早く公開されて、その思いをみなさんとシェアしたいと思いました」。

――劇中に登場する、恨みを持つ人を地獄に送ることができるサイト「地獄通信」がもしあったら……。

「私は誰も落とさない派ですね。あまりにもリスクが大きいので(笑)」。


 
 

AKB48にハマっていた小学生時代
大場美奈との共演に感激

 
 

――ところで美保にはすごく好きなアーティストがいて、1人でライブハウスに通ったりしていましたが、森さんはアーティストに限らず、好きな芸能人などに思い入れがいっぱいになってしまったような経験は?

「あんまりなかったかな……。でも小学生のときはAKB48ブームで、ブロマイドもたくさん持っていました。今回の映画で、早苗役で大場美奈さんも出演されていて『はっ、かわいい!』って嬉しくなりました」。


――デビューしてからこれまで数々のスター俳優と共演してきている森さんですが、特に嬉しかったのは?

「広瀬すずさんがすごく好きで、小学生のときから広瀬さんの写真集を見たり、出演作品やCMを何百回と観たりしていたので、映画『ラストレター』の撮影で初めてお会いしたときには、泣きそうでしたね(笑)」。

――さて、前回のインタビューで、「高校生活最後の文化祭が楽しみ」と語ってくれましたが……。

「文化祭はまだこれからなんです。今年はクラスでお店を出す予定です。みんな『天気の子』のコラボソーダを出したいって(笑)」。

――そのほかでも、高校生活最後ということで青春っぽいことはしていますか?

「中学時代の友だちとなんですけど、各自の制服で集まって、コンビニでごはんを買い集めて、それで走って帰って、みんなで趣味の話や進路の話を、いろいろ語り合っていました。青春っぽかったな。みんな違う制服で」。

――青春ですね(笑)。これから卒業までにやってみたいことは?

「高校の友だちとタピオカを飲みながら、学校から一緒に帰りたいです!」。


 
 


 
 

森七菜(もり・なな)

生年月日:2001年8月31日(18歳)
出身地:大分県(大阪府生まれ)
血液型:A型
 
【PROFILE】
2016年、地元の大分で家族と食事中にスカウトされたことをきっかけに、行定勲監督のWeb広告に出演し芸能活動をスタート。デビュー以来、ドラマ「東京ヴァンパイアホテル」(Amazonプライム・ビデオ/園子温総監督作品)、ドラマ「やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる」(NHK)などに出演。2019年、ドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」(日本テレビ系)、そしてヒロイン・陽菜の声を演じた映画「天気の子」(新海誠監督作品)出演で一気に注目度を上げる。その他にも、映画「東京喰種 トーキョーグール【S】」、「最初の晩餐」、NHK 土曜ドラマ「少年寅次郎」など話題作に続々出演。2020年には映画「ラストレター」、NHK 連続テレビ小説「エール」など出演作品が控えている。
 
【CHECK IT】
物語の中心となる女子高生・美保役を演じた映画「地獄少女」が11月15日(金)に全国ロードショー。
詳しい情報は「地獄少女」公式HPへ
 
 
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