PICK UP ACTRESS 森川葵

PICK UP ACTRESS 森川葵

PHOTO=小澤太一 HAIR&MAKE=石川奈緒記
STYLING=武久真理江 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

映画化される「賭ケグルイ」に出演
吹っ切りながら周りを見守る立場に

 
 

――昨年ドラマ化された「賭ケグルイ」は、ギャンブルに狂う浜辺美波さんや森川さんたちの振り切った演技が話題になりました。周りでも反響は感じました?

「『あの深夜にやってるドラマは何?』みたいな声をよく聞きました。他の現場でも『賭ケグルイがすごく面白い』と言ってくれる方がたくさんいて、ジワジワ感染するように広がっているのは実感しました」。

――ドラマの「season2」や今度の映画では、早乙女芽亜里役の森川さんの振り切りぶりがよりエスカレートしてました(笑)。

「英(勉)監督には『おちゃらけないでやってほしい』と言われていたんです。矢本(悠馬)さんと組んでギャンブルをやるシーンも『いかにも……みたいな感じにしないで』ということでしたけど、隣りに矢本さんがいると必然的にそっち方面のお芝居になってしまって(笑)、監督から『このあとのシーンの芽亜里と繋がらないよ。どう収拾つける?』と言われました」。

――芽亜里はツインテールをクルンとさせたり、フルーツを食べて指を舐めたり、動作に何かひとつ加わる感じでした。ああいうのは演出があるんですか? アドリブですか? 

「『フルーツ食べちゃえば?』みたいなのは監督発信で、そこに私が何かプラスで付ける感じでした」。


――シリアスな役の多い森川さんですが、ああいう演技も好きなんですか?

「英監督が盛り上げるのが上手いんです。何かするとすごく楽しそうに笑ってくれるから、『もっと楽しませたい』と思って、いろいろ追加しすぎちゃう。そしたら監督に『そうじゃなくて』みたいに言われることが多かったです(笑)」。

――劇中以上の振り切り方を、現場ではしていたんですね。

「表情筋が鍛えられました(笑)。叫ぶことが多いので、撮影が終わるとだいたい喉が痛いです。あとはハッと見開くから、やたら目が乾燥します(笑)」。

――そういうテンションには難なく持っていけるもの?

「賭けに狂ってヘン顔みたいなレベルまで吹っ切ると、『賭ケグルイ』の濃さに辿り着けて、わかりやすいんですけど、吹っ切らずに芽亜里としているのがすごく難しかったです。もともと芽亜里は『自分が一番』みたいなキャラで、自らどんどんギャンブルしに行く感じだったのが、映画では周りを見守って、自分のためというより人のために動くことが多くて……。どうしたら芽亜里のままで巻き込まれていけるかは、すごく考えました」。

――乱闘の中で暴れるシーンもありました。

「あれは私のところに関しては、完全に監督の嫌がらせですね(笑)。『season1』では刀で人を刺すような場面があって、私が本当にできなくて、めちゃくちゃ笑われたんです。シュンとなって『ごめんなさい……』って帰ったのに、今回また結構動くシーンを私に振ってきて、『アクションはできないと言ってるじゃないですか!』、『いやいや。行けるでしょう』みたいになってました(笑)」。


――丸イスで人を殴ったりしてました。

「『ホント無理です!』と言いながら、頑張ってアクション部の方に教えてもらって、何とか……という感じでした。ダンスも『得意じゃないです』と言ったら、オープニングからダンスだし(笑)、できないことをやらそうとしてくるんですよね。でも、毎回いい課題を与えてくれるのはありがたいです」。


――尋常じゃないテンションの作品ですが、現場の雰囲気はどんな感じでした?

「みんなハイテンションで演じてますけど、裏では意外とワッと明るいタイプはいません(笑)。一定のテンションで『ああ、そうだね』『お昼ごはんは何だろうね?』みたいに話してました。みんなでおしゃべりしているとき、パンと空気やリズムを変えられるのは美波ちゃんだけ。そこは(主人公の)蛇喰夢子と共通してましたね」。

――「season1」のとき、森川さんが編み物部を発足させたそうですが……。

「今回の現場でもブランケットを編んでいたら、(池田)エライザちゃんに『目が怖くてヤバかった』と言われました(笑)。めっちゃ必死に編んでいたらしいです」。

――まだ1人部活なんですか?

「そうですね。いつ活動が始まるのか(笑)。でも、美波ちゃんも編み物セットを買ったと言っていたかな。手芸は好きらしくて、彼女も忙しいけど高校を卒業したことだし、一緒にできたらいいなと思います」。

――森川さん自身は相変わらず、ギャンブル的なことはしてないんですか?

「そうですね。ゲームはしますけど。最近だと、携帯の音ゲーを現場の合間や移動中にやってます」。

――ギャンブルにのめり込む芽亜里たちの気持ちも多少はわかると?

「でも、人を相手にするとなると……。私、自分と機械でやるのはいいんですけど、『人狼ゲーム』とか、ああいうのは苦手です。人を騙していると、どんどん心苦しくなってくるんですよ。ゲームもクリアするのが目的ではないんです。そのゲームをしている自分が好きなので(笑)」。



 
 

狭い世界で生活しているように感じて
いろいろな人と出会いたくなりました

 
 

――運は良いほうだと思いますか?

「良いと思います。15歳のときに初めてオーディションに送った『Seventeen』のモデルに受かったことから、運が良かったと思いますし……」。

――それは運というより、実力と素質があったからかと……。

「いやいやいや、運ですよ。こうやってじっくり経験を重ねて、いろいろな現場に出会えているのも、事務所のおかげもありますけど、自分の運の良さというか縁もあると思います」。

――日常でも運の良さを感じることはありますか?

「昔、コンビニの500円くじでとあるキャラクターのポットが欲しくて、友だちがずっと引いていたけど当たらなかったんですね。それで私が500円払って引いたら、一発で当たったんです! 『オーッ! 私、運を持ってるな』と思いました(笑)」。

――「賭ケグルイ」では2億円を賭けたギャンブルが行われました。森川さんが2億を手に入れたら、何に使います?

「とりあえず家を買って、海外旅行に行って、1年間は働かない(笑)。半分の1億は残しておいて、自分が無理をしなくてもいい状態にして少しずつ引き出しながら、またきちんと働きます」。


――海外旅行といえば、今年の年明けにはイタリアに行ったそうですね。以前はインドアとのことでしたが……。

「日本にいると超インドアなんです。あまり家から出ませんけど、海外に行くと急に人としゃべれようになります(笑)。中学で習った英単語を並べた本当に拙い会話で、どうにか過ごしました」。

――インスタで、現地の人の家で手料理をふるまってもらった話も出てました。前の取材で、共演した人をごはんに誘うようになったことを「自分の中で革命が起きてます」と話してましたが、その革命が進んでいるんですね。

「もっといろいろな人と出会いたいと思うようになりました。知り合いがたくさんいるつもりでしたけど、知らない人のほうがいっぱいいて、自分がすごく狭い世界で生活していると最近すごく感じたんです。だから、もうちょっと自分の世界を広げたいです」。

――あと、たとえ生活に十分なお金があっても、やっぱり女優の仕事はやめられないわけですね。

「『楽しい! やめられない!』みたいな強い感情はないです。自分の出演作を観られるのは、まだ恥ずかしいし(笑)。ただ、前に現場でご一緒した方と再会するのが、すごくうれしいです。またどこかで会いたくて、やりたくなるというのはありますね」。

――キャリアを積んできて、そういうことは増えているのでは?

「最近どこに行っても、『また会えましたね』ということがどんどん増えてます。人との縁をすごく大事にしたくて、そうやって再会するのは絶対に何か意味があると思うんです。(松村)沙友理ちゃんとは一度プライベートでごはんを食べたことがあって、『賭ケグルイ』でご一緒できて『やっぱり会えたね』と話しました」。


――「賭ケグルイ」ではギャンブルの勝者に「人生計画表」を好きに作れる権利も与えられました。森川さんなら、どんなことを書きますか?

「子どもが2人欲しいです。私は5人きょだいで、ひとりっ子に憧れてましたけど、ひとりっ子の友だちはみんな『きょうだいがいたほうがいい』と言うので。それにひとりっ子だと、すべての愛を注いで甘やかしちゃいそうだから(笑)、男の子と女の子の2人がいいかな」。

――最後に改めて、数々の作品に出演している森川さんが、「賭ケグルイ」で新たに得たものはありましたか?

「いろいろな人を受け入れる態勢ができました。私は『season1』から出ていて、『season2』では監督から『1学年上の先輩として、みんなを導いてあげて』みたいなことを言われたんですね。導く必要のない豪華メンバーですけど。私はどちらかというと自分がどんどん動きたいタイプだったのが、周りがどんな動きをしているのか見るようになりました。そこも芽亜里と被ってます。みんなのことを見ながら『めっちゃ良い顔をしてたな』とか『今の最高だった』と受け止めるようになりました」。
 
 


 
 

森川葵(もりかわ・あおい)

生年月日:1995年6月17日(23歳)
出身地:愛知県
 
【CHECK IT】
2010年に「Seventeen」(集英社)の専属モデルとしてデビュー。2012年に女優デビュー。主な出演作は映画「渇き。」、「おんなのこきらい」、「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」、「恋と嘘」、「リバーズ・エッジ」、「OVER DRIVE」、ドラマ「ごめんね青春!」(TBS系)、「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」(フジテレビ系)、「明日の君がもっと好き」(テレビ朝日系)、「文学処女」(MBS・TBS)など。ドラマ「カカフカカ-こじらせ大人のシェアハウス-」(MBS/木曜24:59~ほか)に出演中。「映画 賭ケグルイ」は5月3日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー。5月13日(月)スタートのドラマ「ヴィレヴァン!」(メ~テレ/月曜24:59~)、2019年公開の映画「耳を腐らせるほどの愛」、2020年新春公開の「『嘘八百』 続編」に出演。
 
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「映画 賭ケグルイ」

詳しい情報は「映画 賭ケグルイ」公式HP
 

 

(C)2019 河本ほむら・尚村透/SQUARE ENIX・「映画 賭ケグルイ」製作委員会

 
 

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