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PICK UP ACTRESS 中田青渚

2020年 7月 30日

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PICK UP ACTRESS 中田青渚

PHOTO=河野英喜 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

映画「君が世界のはじまり」に出演
主人公の親友の奔放な女子高生役

 
 
――「君が世界のはじまり」で演じた琴子は奔放で、口も態度も悪いけどかわいくて、観ていて面白い役でした。演じていても楽しかったですか?

「撮影に入る前は『大丈夫かな?』というほうが大きかったんですけど、監督や(主人公で親友役の)松本(穂香)さんと話し合ったり、リハーサルをする時間があって、撮影に入ったら本当に楽しめました。何をやっても許されるような役だったので(笑)」。

――最初に「大丈夫かな?」と思っていたのは、「振り切れるか」みたいなことで?

「私がこの映画の世界にいたら、琴子は憧れの存在だった気がしたんです。私はどちらかというと、松本さんが演じたえんの側の人間なので。実際に琴子がクラスにいたら、私は『友だちになろう』とも言えず、ただ見ているだけだったと思います。そういう琴子を自分が演じられるのか……というのがありました」。

――琴子のどんなところに憧れますか?

「素直で自分に嘘がないというか、『これだ』と思ったら真っすぐ突き進んでいく。私だったら、いろいろなことを考えて理性でやめたりするのに、琴子は突っ走れるのが羨ましいと思いました」。

――良くも悪くも子どもっぽいんですかね?

「そうですね。煙草を吸っていたり、いろいろな男の子と付き合ったり、やっていることは大人だけど、中身は子どもですね」。


――「えんのアホー!」と子どものように泣きわめいたりもしてました。

「あんなに泣きわめいたのは小学生以来で、本当に久しぶりでした。あのシーンはずっと走ってからだったので、勢いに任せていきました」。

――小学生のときは、どういうことで泣いていたんですか?

「1個下の弟とケンカしたり、ケンカして親に怒られたりして、結構泣いてました(笑)」。

――今は感情が高ぶっても抑えるんでしょうけど。

「感情が高ぶること自体があまりないです。ツーーーッというタイプです(笑)。たぶん役で発散しているので、普段はあまり泣いたりしないんだと思います」。

――今回も役に入れば理性も自然に飛んで?

「そうですね。雰囲気に乗って、できました」。

――「くそ」とか「ボケ」とかいう台詞も自然に出ました(笑)?

「初日はすごく緊張して、言う前は心配でしたけど、それから大丈夫になって、『くそ』も『ボケ』も自然に出てきました(笑)」。


――あと、琴子は冒頭から、先生にスカート丈の短さで怒られて、「うっさい!」と吐き捨てて逃げたり、走るシーンが結構ありました。

「先生に会うと必ず走っていたので大変でした(笑)。私は中学のときに陸上部で、長距離をやっていたので、走るのは嫌いではないですけど、若干筋肉痛になりました(笑)」。

――中学の頃は廊下でも走っていたり?

「ドロケイは中学までやってました。田舎だったので、他にすることがなくて(笑)。でも、田んぼや坂道を走っていて、廊下はちゃんと歩いてました(笑)」。

――この映画は高校生のお話ですが、自分の高校時代を思い出したりもしました?

「私は高校で青春とか、本当になかったんです。上京して、お仕事をちゃんと始めたのが高1からだったこともあって。だから今、こういう撮影で青春を謳歌している感じです」。

――劇中の高校生たちみたいな青春の悩みもありませんでした?

「琴子は悩むというより突っ走ってうまくいかないタイプでしたけど、私が悩んだのは進学のことですね。高校で東京に出てくるときとか、大学に行くかどうかとか」。

――好きな人のことで悩んだりは?

「なかったですね。残念ながら(笑)」。


――今回の映画だと、どの辺で特に青春っぽさを感じました?

「夜のショッピングモールのシーンです。琴子は出てないんですけど、撮影していたとき、私はスチール撮りのためにちょっと見ていて、本当に羨ましくて。やったらいけないことをしたり、怒られたりするのも青春だなと思いました」。

――青渚さん自身はそういうことをしない高校生だったんですね。

「あまり怒られるようなことはしませんでした。今思えば夜中の教室に忍び込むとか、ちょっとやってみたいですけど(笑)。だから、琴子とはだいぶ違いました」。

――でも最初に出たように、撮影に入ってからは演技のことで悩みはしなかったわけですよね?

「入る前のほうが悩んでいて、入ってからは松本さんと『こうかな?』って話し合うことが多かったです」。

――特に話し合うことが多かったシーンはあります?

「琴子のお母さんのスナックから、えんと2人で帰るシーンですね。えんが自転車を押していて、もともと台詞があったんですけど、監督が『ちょっと違うかも』とおっしゃって。その場で松本さんが『えんだったらこう言うと思う』と考えてくださって、改めて台詞を決めていきました」。

 
 

態度が悪くても何か好きになってしまう
そういうふうに見えたなら良かったです

 
 

――琴子は廃墟のようになっている旧講堂で、1人で涙を流していた業平(小室ぺい)にひと目惚れしました。そういうことはあると思います?

「私、ひと目惚れって信じてなくて(笑)。あるんですかね? 単純に『カッコイイ』とか『かわいい』とは思っても、それでひと目惚れというのは信じがたいです(笑)」。

――彼が泣いていたことで、琴子は何か引っ掛かるものがあったんですかね?

「男の子が1人で涙を流すって、あまり見る機会がないし、何となく業平くんが純粋に思えたんでしょうね。他の男の子は琴子と付き合いたいとか、そういう目線で見てきて、琴子自身はそれがあまり好きじゃないのかなと思います。だけど、業平くんは普通に人として琴子を見てくれる。そんな純粋さがひと目惚れのきっかけだった気はします」。

――琴子は成績が学年でビリで、えんはトップ。幼なじみとはいえ、そんな2人が親友という関係性についても考えました?

「正反対で、友だちなのが不思議な感じはしました。でも、えんの隣りは何となく気持ちがいいというか。周りの人は琴子を憧れ的に一目おいたり、色眼鏡で見たりしている中で、えんはちょっとボケッとした感じもありますけど(笑)、普通に接してくれるので居心地がいいように思います」。

――琴子はえんに「あんたは何でうちとおるんやろな?」とも言ってました。

「たぶん琴子は、自分でなぜえんと友だちなのか、あまりわかってないんだと思います。ただ本能的にえんが好きなんだろうな、というのは感じました」。


――映画が完成して自分で観て、イメージしていた琴子になってましたか?

「どうでしょう(笑)? 嫌なふうに映ってなかったのは良かったと思います。やっぱり『ボケ』とか『カス』とか言って、あんなに態度が悪かったら、普通嫌に感じる人もいますよね。でも、そんなことはなかったと言ってもらえたので、安心しました」。

――確かに、考えたら嫌な子に見えかねないキャラクターですけど、今、青渚さんに言われるまで気づかず、面白い女の子という印象だけでした。たぶん青渚さんの演技が絶妙だったんでしょうね。

「ああいう態度を取りながらも、何となく目がいってしまう。好きになってしまう。そういうふうに映っていたら、良かったです」。

――嫌な子に見えないように、意識してやっていたこともあるんですか?

「えんと2人でいるシーンが多くて、えんへの暴言もありましたけど、琴子にとってえんはすごく大切な人だということは、ずっと頭の片隅に置いてました」。

――青渚さん自身は「高校で青春はなかった」とのお話でしたが、そういう中でも何か思い出に残っていることはありませんか?

「サボテンを育てることになって、放課後にみんなで近くのホームセンターに買いに行ったんですね。どれにするか選んで、買ってきて育てて……。そういう何気ないことが、今思うと青春でした。サボテンに名前も付けていたんですけど、もう忘れちゃいました(笑)」。


――琴子は笑うときはすごく無邪気な感じでしたが、青渚さんは最近、何かですごく笑ったとかはありますか?

「何だろう? よく笑うほうではあると思います。大学でも友だちのちょっとしたボケで笑ったり。でも最近は、外出自粛で大学もお休みになったりして、人とあまり会わなくて、1人でいることが多いので……」。

――1人の時間には何をしているんですか?

「お薦めされた『鬼滅の刃』や『キングダム』や韓国ドラマとかを観て、流行りものを追い掛けています(笑)。『鬼滅の刃』は妹がすごくハマっていたんですけど、観たらカッコ良くて、流行るのがわかりました」。

――韓国ドラマというのは、「愛の不時着」とか?

「そうです。でも、私は『梨泰院クラス』派でした。『愛の不時着』はラブが大きいけど、『梨泰院クラス』はヒューマンな感じで、私はそっちのほうが好きでした」。

――この夏にしておきたいことはありますか?

「例年だと神戸の実家に帰省したとき、近くの川でホタルが見られるんです。今年も帰れたなら、家族と見たいなと思います」。

 
 


 
 

中田青渚(なかた・せいな)

生年月日:2000年1月6日(20歳)
出身地:兵庫県
血液型:O型
 
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2014年に「第5回Sho-comiプリンセスオーディション2014」でグランプリを受賞。2016年にドラマ「ラーメン大好き小泉さん2016新春SP」(フジテレビ系)で女優デビュー。主な出演作はドラマ「セトウツミ」(テレビ東京系)、「dele」(テレビ朝日系)、「中学聖日記」(TBS系)、映画「3月のライオン 後編」、「写真甲子園0.5秒の夏」、「ミスミソウ」、「見えない目撃者」など。映画「君が世界のはじまり」は7月31日(金)よりテアトル新宿ほか全国ロードショー。2021年春公開予定の映画「街の上で」に出演。
詳しい情報は公式HPへ
 
 

「君が世界のはじまり」

詳しい情報は「君が世界のはじまり」公式サイトへ
 
 

 

©2020「君が世界のはじまり」製作委員会
 
 

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