PICK UP ACTRESS 大野いと

PICK UP ACTRESS 大野いと

PHOTO=mika INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

「新宿セブン」に出演中
記憶喪失の謎の少女役

 
 

――「新宿セブン」が放送されているテレビ東京「ドラマ24」枠は、観たことありました?

「あります。『マジすか学園』とか『リミット』とか。他のドラマでは観たことがなかった路線で、すべてが新鮮に映るのが魅力的だなと思いました」。

――そういう空気感は、「新宿セブン」の撮影に入っても感じましたか?

「感じます。脚本から面白くて、出てくる人が一人一人、個性が強いですね」。

――原作はマンガですが、こういうアウトローものに馴染みはありましたか?

「あまり読まないんですけど、『新宿セブン』は面白いなと思いました。表紙はインパクトが強いというか激しい印象があって、でも読んでみたら人間ドラマで、そのギャップに面白さをすごく感じました」。

――いとさんは記憶喪失の水月華役で、実際に彼女の背景を知らずに演じているんですか?

「そうですね。脚本が出来上がるにつれて華の過去がわかってくるので、最初はどういう子なのか、詳しいことはわからない状態でした。でも記憶喪失の役だから、何も知らないほうがやりやすいです」。


――試行錯誤はありませんでした?

「ありました。脚本に“無機質な目”と書かれていて『それって……?』とか。記憶をなくした直後の方の特徴なのか? どういう感じなのか? 本やインターネットの情報を頼りに考えたり、監督たちと話し合いながらやりました」。

――本やネットに演技の参考になることは出てました?

「記憶喪失でも人それぞれ違うみたいですけど、本当に『ここはどこ?』みたいな感じらしくて……。そういうところは印象に残りました」。

――「繊細な表現を求められた」というコメントもありました。

「顔合わせのときに、監督からそう言われました。人をよく見たり、自分の感情を噛み砕いたり、いろいろなものに目をやることなのかなと思いました。最初はやっぱり記憶喪失の部分が表立っていたので、『これで合っているのかな?』という不安は大きかったです」。

――特に難しかったシーンはあります?

「2話で帰る場所がない不安の中で、質屋の七瀬と健太に頼りたいけど後ろめたい……みたいな気持ちを表現するシーンは大変でした。でも、撮影に徐々に慣れてきたら、そういうのはなくなってきました」。

――インスタでは「七瀬質店の美術がとてもすてき」とのことでした。

「ひとつひとつの小物がかわいいんです。ランプが四つくらいあって、鑑定する机、商品が置かれている棚や壁……。普通の街の質店を外目から見た感じと全然違う空気で、物語に出てくるような世界観のあるセットでした」。

――記憶喪失とは違いますが、いとさんは忘れ物をします?

「はい。小学校のときに、ランドセルを家に忘れてきたり(笑)」。


――ランドセルに何かを入れ忘れたのではなく、ランドセルそのものを持たずに登校?

「そうなんです。学校に行くのに(笑)。『あれ? ない。背負ってない』と気づいて、家に帰りました」。

――通学の途中で?

「いえ、学校に着いてから気づきました(笑)。何で忘れたかは不明なんですよ」。

――大人になってからだと?

「携帯を持っていくのを忘れることがあります。あと、現場でリップとかよく忘れますね。次の日に『ない!』と気づいて、『ああ、また忘れてきちゃった……』という感じです」。

――「新宿セブン」は実際に新宿の歌舞伎町で撮っているんですよね。プライベートで行くことはありますか?

「あまりないです。映画館や花園神社もあって、まったく行かないわけでもないですけど。テレビ番組で最近外国人の方が観光スポットとして訪れることが多いと聞いて、そういう楽しめるところになってきたのかな、というイメージがありました」。

――撮影で行ったら?

「高校1年のときにも歌舞伎町で撮影したことがあって、当時の私が見た歌舞伎町と22歳の私が見る歌舞伎町は少し違う気がしました。2話のビルの屋上で七瀬と話すシーンを早朝に撮ったんですけど、今の歌舞伎町らしい雰囲気を感じました」。


――いとさんが普段出掛けるのは、洗練された感じの街ですか?

「特定の場所はないです。近所にお気に入りの喫茶店があるくらいで、友だちの家の近くとか、そういうところになります」。

 
 

人の力を借りないといけない部分は
私にも多いので気持ちはわかります

 
 

――撮影現場では、他のキャストの人とは打ち解けていますか?

「上田(竜也)さんや中村(倫也)さんとたくさん話してます。『旅行に行ったりする?』『去年ニューヨークに行きました』とか、他愛ない話ですけど。上田さんは小学生の頃からテレビや雑誌で拝見していて、普段からクールな方なんだろうなと勝手に思っていたので、お話しているとほとんど笑顔なのが意外でした(笑)。素敵な一面だと思いました」。


――演技について話すことも?

「中村さんは『健太は自分とまったくは違わない』と話していたし、上田さんも七瀬のぶっきらぼうなようでやさしい役どころはご本人と似ているので、撮影になってガラッと変わるというよりスーッと役に入っていく感じです。一緒にお芝居するには居心地が良いですね」。

――上田さんが演じる主人公の天才鑑定士・七瀬は、いとさんからはどんな人物に映ります?

「根がしっかりしていて、すごくやさしいですね。どちらかと言うと、男性が憧れるタイプじゃないかと思います。女性からも魅力的ですけど、外見で敬遠しちゃうことも多いので、男性から好かれるような人物かなと」。

――華は記憶喪失の部分以外では、どんな女性として演じていますか?

「記憶がないから、人に頼って生きていかないといけない。私は記憶喪失になったことはないですけど、人の力を借りて生きている部分は本当に大きいので、演じやすいかはともかく、華の気持ちはわかります」。

――じゃあ、いとさんもスーッと役に入っていくような?

「前半はそうかもしれないですね。後半はガラッと変わらないといけないんですけど」。

――波乱の展開があるんですね。ちなみに、いとさんは鑑定してもらいたいものは何かありますか?

「実家にある壺は、昔から『(開運!)なんでも鑑定団』で鑑定してもらいたいと言ってました。どういう壺か親に聞いたことはあって、『3000円くらいで買った』と言うから、たぶんたいしたものではないですけど(笑)、昔から置いてあって『何なんだろう?』と思っていたので」。


――自分の中でお宝だと思っているものは?

「おじいちゃんが一眼レフのカメラを使っていて、小さい頃に3時間くらい拘束されて写真を撮ってもらっていました。今はカメラを前にするお仕事をしてますけど、それが最初の撮影の思い出で、そのカメラを私がもらっているので思い入れが深いです」。

――「新宿セブン」にちなんで“7”という数字には、思うところはありますか?

「私は7月生まれで、7は本当に好きな数字なんです。“ラッキー7”というくらいで、キラキラした運の上がる数字だと思ってます。あと私、七夕がすごく好きなんです」。

――素敵な思い出があったり?

「毎年願いごとを書いていて、すぐには叶わなくても数年後に叶ったりするんですよね。願いごとはひとつしか書けないから、自分が本当にしたいことやなりたい自分に気づかせてくれる。それだけ想いが強いことは『いつかは……』って無意識に頑張る部分もあるので、叶うんじゃないかと思わせてくれるすごく特別な日です」。

――書いた数年後に叶った願いというのは、「こういう役をやりたい」みたいなことですか?

「そういうことではないですね。仕事のことというより、自分の心持ちみたいなところです。小さいときは『テストで何点取れますように』とか書いて、すぐ叶いましたけど、最近書いたことは、まだ叶ってないものが多いです」。

――「新宿セブン」は秋から冬にかけてオンエアされますが、この時期に楽しみなことはありますか?

「私、落ち葉が好きなんですね。紅葉してから散っていく感じが、見ていて気持ちが揺れ動くというか。そこが秋と冬の間で好きなところで、『またこの季節がやってきたんだな』と思えるのが、楽しみのひとつですかね」。

――何か渋いですね(笑)。

「渋いですか(笑)? イルミネーションも東京は豪華なので好きですね」。


 
 


 
 

大野いと(おおの・いと)

生年月日:1995年7月2日(22歳)
出身地:福岡県
血液型:O型
 
【CHECK IT】
中1のときに映画ロケを見学中にスカウト。2011年4月公開の映画「高校デビュー」のヒロイン役で女優デビュー。これまでの主な出演作は映画「愛を歌うより俺に溺れろ!」、「ライヴ」、「天の茶助」、「忘れ雪」、「雨にゆれる女」、「兄に愛されすぎて困ってます」、ドラマ「黒の女教師」(TBS系)、「あまちゃん」(NHK)、「山田くんと7人の魔女」(フジテレビ系)、「馬子先輩の言う通り」(フジテレビほか)など。「新宿セブン」(テレビ東京系/金曜24:12~、ほか)に出演中。2018年公開の映画「クジラの島の忘れもの」に主演、「TANIZAKI TRIBUTE『悪魔』」でヒロイン。

詳しい情報は公式HP
 
 

ドラマ24「新宿セブン」

詳しい情報は公式HP
 

 

 

 

(c)観月 昴・奥 道則/日本文芸社 (c)2017「新宿セブン」製作委員会

 
 

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