PICK UP ACTRESS 大友花恋

PICK UP ACTRESS 大友花恋

PHOTO=河野英喜 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

初主演した連続ドラマが地上波で放送
幽霊になった役で、涙のシーンが続く

 
 

――花恋さんが連ドラ初主演した「いつか、眠りにつく日」の地上波放送が始まります。主人公の蛍が修学旅行中に事故で命を落として幽霊になり、成仏するために49日以内に三つの未練を解消する話で、蛍役の花恋さんが泣いてるシーンがたくさんありました。

「先に原作を読みましたが、蛍は本当にたくさん泣いていました。感情が豊かで人の気持ちに寄り添って自分のことのように考える、心のきれいな子です。ドラマになったら私にできるのか、不安も正直ありました。撮影2日目から泣くシーンがあって、監督さんたちと何度もお話して形が定まって、そこからは泣くシーンも笑うシーンも、蛍としてすんなり臨めた感覚があります」。

――会見では共演者から「段取りから泣いていた」と言われました。

「自分でも思いもよらない瞬間にグッときて、涙が出ることが多かったです。未練解消の相手となる親友の栞やおばあちゃん、片想いをしていた蓮を前にして『ここで心がこんなに動くんだ』と演じる中で発見して、リハーサルや段取りで泣くこともありました」。


――演技で泣こうとしたのではなく、自然に?

「考えすぎると泣けなくなってしまうので、『考えない、考えない……』と自分にプレッシャーを掛けないようにしていた記憶があります」。

――普段から涙もろいほうですか?

「自分のことではあまり泣きません。卒業式やクランクアップでも、達成感や完成にワクワクする気持ちのほうが大きいので。『いつ眠(いつか、眠りにつく日)』のスタッフさんにも『クランクアップでは泣かないんかい!』とツッコまれました(笑)」。

――逆に言えば、それだけ役に入っていたんですね。観ていても涙が出るシーンは多々ありましたが、仲違いをしていた栞との未練解消のシーンが特にグッときました。

「私も印象深いです。栞役の(喜多)乃愛ちゃんとは同じ事務所で一緒に舞台も経験して、普段から会話もよくしていたので、最初から栞と蛍の関係に近くて役に入りやすかったです。あのシーンは最終回まで観た後だと、より泣けるシーンだったと思います」。

――花恋さんも親友とケンカになったことはあります?

「ケンカはしません。でも私が蛍と似ているのは、自分の考えていることをなかなか思ったように言えないところです。蛍のように『そうだね』と合わせてしまって、後から本当のやさしさではなかったと、後悔することもあります」。

――蛍と栞が手を繋いで歩くシーンもありました。ああいうことは親友だと女性同士でするもの?

「男性の方から見たら違和感がありますか(笑)? 確かに腕は組んでも、手を繋ぐことはあまりないかもしれません。あのシーンは現場で『追い掛けてきた栞が蛍の手をパッと取る』ということになって、最初は私も少し恥ずかしかったのが、実際にやってみたら、とてもうれしくなりました(笑)」。


――乃愛さんの取材で聴きましたが、長回しも多かったそうですね。

「2人の未練解消シーンは、最初から最後まで1台のカメラで撮っていただきました。気持ちが切れることなく、会話がどんどん成り立っていって、とても助かりました。最終回のクライマックスも、ブロックごとに長回しを何回かする形で撮影しました」。

――泣いている蛍の頬がずっと涙で濡れたままでした。

「普通はツーッと流れるだけですよね。自分で観て『顔が涙でグチャグチャだな』と思いました(笑)。でも、その姿があのときの蛍だったので、きれいに拭いたりせず、そのまま撮り続けてくださったのは感謝です」。

――蓮については“友だちとして仲が良いままでいるか、その関係が壊れる覚悟で告白するか”というのは、永遠の難題ですよね?

「自分だったらどうするかも考えました。今だって蓮と仲が良くて幸せだから、無理に告白はしたくない蛍の気持ちはとてもわかります。でも未練を残さないために、言いたいことは言えるときに伝えておかないといけないのも、この作品を通して学びました」。

――初主演ということで、現場でいつもと違うこともしました?

「現場でどういるかはたくさん考えました。雰囲気作りからできることはいっぱいあったはずでしたが、思うようにできなくて……。でも、いろいろな方と話そうと意識していました。泊り込みで毎日皆さんと会って、毎日蛍になれたことはうれしかったです。途切れることなく『いつ眠』の世界にいられました」。


――静岡の富士市で、6話分を2週間半で撮ったそうですね。

「いつもスタッフの皆さんとやっと話せるようになったと思ったら、クランクアップということが多いんです。今回はチームとして毎日一緒にいられて、撮影期間は短くても濃くて楽しかったです。クランクアップの日には、皆さんにお菓子を作って行きました。バレンタインも近かったので、チョコレートのタルトを作って、ひと言メッセージを添えました」。

 
 

「あなたの番です」のヤンキー役は
ギャップに驚かれてうれしいです

 
 

――「いつ眠」に主演して、自分も未練を残さないように生きようと考えたりもしました?

「もともと未練や後悔を残さないようにしてきたので、これからもそうしていきたいと思いました。失敗しても何が足りなかったかが見えたら、次に活かそうとポジティブに考えるタイプです。ただ、取材でドラマのお話をさせていただくと、『もう一度撮影に戻って蛍をやりたい』とフツフツ思ったりはします」。

――それも今後に活かせるかと思います。「あなたの番です」は2クール目に入りました。あのマンションで何がどうなっているか、キャストさんたちも知らないんですよね?

「そうなんです。私たちも視聴者の皆さんと同じ感覚で推理しています。台本をもらうのがこんなに待ち遠しいことはありません(笑)。ネットの考察も白熱していますよね。読んでいて『これはもしかしたらあるかも』と一緒に盛り上がって、気づいたら夜ふかしをしていることもあります」。

――誰が怪しいと睨んでますか?

「毎週衝撃的なシーンがあるので、最後にはそれを上回る衝撃が残っているはずですから、本当に意外な人物が犯人なんだろうと思います。回り回って自分が犯人だったらどうしようとか(笑)、そういうことも考えながら台本を読んでいるところです」。


――あいりは見た目からヤンキーで、花恋さんが今まで演じたことがないような役ですね。

「新鮮です。衣装合わせのとき、10分くらいであの髪型も作ってくださって、写真を撮っていろいろな人に見てもらうと、『イメージと全然違う』という声が多かったです。ドラマが始まってからも、あいりが私だと気づく方が少なくて(笑)、番宣で出させてもらうと『花恋ちゃん出てた? あのギャルの子だったの!?』という声をよくいただきます。ギャップで驚いてもらえるのはうれしいです」。

――台詞でも「親父のクソ野郎、見つけてぶっ殺す!」とか、花恋さんらしからぬことを言います(笑)。

「こんなに荒れた口調の役は初めてです。練習で何度も『ふざけんな!』とか言って口に慣れさせて、監督さんに『もっと強く』、『それだと強すぎる』とご指導いただいて、だんだんあいりを作っていきました。見た目から役に近づけた部分も大きいです。でも7話で、あいりにとって大きな事件があって……」。

――父親代わりの浮田が殺されました。

「それまではただの不良っぽいイヤな感じの女の子に見えていたと思います。でも、本心を素直に言えないのは皆さんにわかってもらえるはずで、あいりのあまのじゃくで弱いところ、怒りに変換しないと表現できない苦しさが伝わればいいなと思って演じてました」。

――恋人の遼とはどうなっていくのでしょうか?

「私たち自身もわからないので、推理してプロデューサーさんに『こうなるんじゃないですか?』と話しながら(笑)、一緒にあの世界を楽しんでいます」。


――そんな中、花恋さんは10月で20歳に。

「いよいよ……という感覚です。『王様のブランチ』で皆さんがごはんに行かれるときも、私は未成年なので、まだ参加したことがなくて、ドラマの打ち上げも1次会で帰ることが多いです。20歳になったら、大人の皆さんが集まる場にご一緒できることがとても楽しみです」。

――10代が名残り惜しくはないですか?

「それはないです。10代のうちにやりたかったことは経験させていただきました。学校が楽しくて、いろいろな出会いもあって、おいしいもの、行きたい場所、したいこと……と謳歌できました」。

――すでに大人モードに入ってます? 今日の撮影後に着替えた私服が全身黒で、ちょっと驚きました(笑)。

「大人っぽいシックな装いができたらと、今は思っています。『王様のブランチ』や『Seventeen』ではキラキラと華やかでフワッとしたお洋服をよく着させていただく分、私服はシンプルなものに惹かれることが増えてきました。それとカフェで本を読みながら時間を潰しているとき、『あっ、大人になってきている』と思います(笑)」。

――何か「こういうことをできるのが大人」と思っていたりはしますか?

「1人でごはんに行くときにコソコソしなくなったら、大人かなと思います(笑)。私は1人ごはんはよく行きますが、なぜか『すいません。大丈夫です……』とコソコソしてしまうんです。そこでスッと構えていられる大人に、移行しているところです(笑)」。


――10代最後の夏はどう過ごしますか?

「先日『Seventeen』の撮影で流しそうめんをして楽しかったので、家族で夏らしく本格的にしてみたいです。20歳になるということで、大葉、みょうがやいろいろな薬味を乗せた、大人の流しそうめんをします(笑)!」。

 
 


 
 

大友花恋(おおとも・かれん)

生年月日:1999年10月9日(19歳)
出身地:群馬県
血液型:A型
 
【CHECK IT】
2012年にドラマ「結婚同窓会~SEASIDE LOVE~」(CSフジテレビTWO)で女優デビュー。主な出演作はドラマ「恋仲」(フジテレビ系)、「お迎えデス。」(日本テレビ系)、「こえ恋」(テレビ東京 ほか)、「チア☆ダン」(TBS系)、映画「案山子とラケット~亜季と珠子の夏休み~」、「君の膵臓をたべたい」など。また、2013年に「ミスセブンティーン」でグランプリを獲得し、「Seventeen」(集英社)専属モデルに。FODで配信された主演ドラマ「いつか、眠りにつく日」が7月15日(月)からフジテレビで放送(月曜24:55~)。ドラマ「あなたの番です-反撃編-」(日本テレビ系/日曜22:30~)、「王様のブランチ」(TBS系/土曜9:30~*隔週)、ラジオ「クラスメイトは大友花恋!」(文化放送/水曜23:30頃~)に出演中。
詳しい情報は公式HPへ
 
 

「いつか、眠りにつく日」

詳しい情報は「いつか、眠りにつく日」公式サイトへ
 
 

 

 
 

「あなたの番です-反撃編-」

詳しい情報は「あなたの番です-反撃編-」公式サイトへ
 
 

 

 
 

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