PICK UP ACTRESS 大友花恋

PICK UP ACTRESS 大友花恋

PHOTO=mika HAIR&MAKE=松岡奈央子
STYLING=小笠原弘子 INTERVIEW=斉藤貴志

衣裳協力 アズ ノゥ アズ ピンキー=白レーストップス(¥3900)、お世話や=ゴールドイヤリング(¥1200)
MOUSSY(バロックジャパンリミテッド)=黒サンダル(¥6980)

 
 

「君の膵臓をたべたい」でヒロインの親友役
不器用でも大事な人のために頑張る姿を見せる

 
 

――読書家の花恋さんは「君の膵臓をたべたい」の原作も、もともと読んでいたり?

「読んでいました。本屋さんでタイトルを見て『何だろう?』と最初はビックリして、それとまったく雰囲気の違うピンク色の表紙に惹かれて買いました」。

――まだベストセラーになる前ですかね?

「出版されてすぐだったと思います。内容も知らないでタイトル買いでした」。

――読んでみて、やっぱり涙しました?

「はい。余命を告げられた女の子と友だちのいない男の子のお話で、命を題材にしているから悲しくなる部分がありました。さわやかで前向きで温かい気持ちになれるお話ではありますが、読み進めていって、最後に衝撃的なタイトルと内容がリンクして、何度も泣けたし驚かされました」。

――“仲良しくん”という2人の関係性がジワッときます。

「そうですね。映画ではヒロインの桜良は主人公の【僕】を“仲良しくん”と呼んでますけど、小説ではそのときの印象で呼ぶんですよね。“秘密を知ってるクラスメイトくん”とか。そういうのも初めてだったので、独特で面白いと思いました」。


――花恋さんが演じた恭子について、桜良は「強そうに見えて本当は弱い子」と言ってましたが、花恋さんは恭子についてどんな印象がありました?

「すごく不器用だけど、人のために全力になれる子だと思います。強そうに見えるのは確かで、【僕】に対しては最初キツく当たってしまうんですけど……」。

――電話とかで【僕】に対して、かなり強烈なことを言っていましたね。

「『絶対許さない!』とか『疫病神』とか……。でも実は、親友の桜良のためになり振り構わず頑張れる子で、【僕】目線ではただただ怖いけど(笑)、桜良を大切にする想いはしっかり持っているんですよね。それを素直に言えないところが不器用だなと思います。【僕】に対しても、本当はキツイことを言いたいわけじゃない。言いたいことをちゃんと伝えられない自分にイライラして、わかってくれない相手にもイライラするから、つい出ちゃう言葉なんだと思います」。

――それにしても、普段はかわいらしい花恋さんが【僕】を睨みつける顔は怖かったです(笑)。

「そう見えていたら良かったです(笑)。特に『目に力を入れて』とか意識はしていないんですけど、小説には【僕】目線での恭子の描写が結構細かく出ていたので、恭子は【僕】の怖さを煽るくらいでないといけないと思いました。強い言い方も、表面とは違う気持ちがあったからこそ思い切って言い切れたし、逆に言い切ったのには実は裏に何かあったんだと、最後に皆さんに納得していただけたらうれしいです」。

――桜良みたいな女の子が実際にいたら、友だちになりたいですよね?

「なりたいです。桜良みたいな子は自然といろいろな子と仲良くなっているんでしょうね。周りの人を照らしてくれて、“人を楽しませることが自分の楽しみ”みたいに思っている子だから、一緒にいたら楽しいだろうし、憧れます」。


――演じた浜辺美波さんと重なるところもありました?

「美波ちゃんの笑顔にも、安心したり元気になれて救われました。一緒にお芝居をして、天真爛漫な桜良を演じるところを間近に見られたのは、すごく勉強になりました」。

――桜良に「女子にとって親友は恋人同然」という台詞もありましたが、そこはわかります?

「すごく共感しました。私は親友といるときが一番楽しいし、親友にとってもそうであってほしいです。その想いが強いからこそ、他の子たちと楽しそうに話しているところを見ると、『本当は私と一緒にいたら楽しくないんじゃないかな?』と考えすぎてしまうこともあります」。

――親友に直接そう言うんですか?

「言いません。私も一緒に話したいと思って、『入~れて』って混ざっちゃいます(笑)」 。

――桜良が【僕】に「生きるって何?」と聞かれるシーンもありました。花恋さんだったら、どう答えますか?

「難しいですね。でも、うれしいこともイヤなことも悲しいことも全部含めて、自分がいろいろ感じたり、気持ちが動くことだと思います。誰かと関わって、そういう気持ちになることかな?」。


 
 

映画館で観る方は涙がたくさん出るので
バスタオルを用意したほうがいいです(笑)

 
 

――この映画のなかでは花恋さんの髪はロングでしたが、自分では今みたいなボブとどっちが……というのはあります?

「短いほうがお手入れは楽です。でも、長いとアレンジがいろいろ利くので好きです。映画で高校生の恭子の時代は2005年なんですよ。その頃っぽく髪の毛をすいて、ちょっとレイヤーを入れてみたりもしました」。

――大人になった恭子を演じたのが北川景子さんでした。

「光栄でうれしかったのと同時に、気が引き締まりました。責任を持ってバトンをつながないといけないので。演じるのは恭子という1人の人物で、特に意識しなくても恭子に向き合って突き詰めていけば、同じ人物になるだろうと思っていました。でも、やっぱりシーンとして高校生の恭子と大人になった恭子がつながる瞬間もたくさんあるので、そこは急にカクンとテンションが変わらないように気を付けました」。

――原作を読み映画で演じた花恋さんが自分で試写を観ると、どんなことを感じました?

「内容を知っていたからこそ、最初から泣きそうでした。桜良が明るく振る舞っていても、どういう想いでいたのか見え隠れして。『【僕】のためにこうしているんだ』とか『こんなことを考えているんだ』というのが少しでも見えた瞬間は、グッとくるものがありました」。


――やっぱりハンカチは必需品ですかね?

「ハンカチだとたぶん足りなくなるので、映画館でご覧になる方は、バスタオルを持っていったほうがいいと思います(笑)」。

――撮影中のことを思い出したりもしました?

「どのシーンも大切な思い出で貴重な経験でした。特に屋上で恭子と【僕】が初めてしっかり会話するシーンは、観ていて自分がすごく悩んだことを思い出しました。高校生の恭子のひとつの区切り。大人になってからしっかり清算されますけど、そこでひと段落させてあげたいと思っていました」。


――自分と桜良の過去のことを【僕】に話してました。

「『あの子がいたから……』と話すシーンで、リハーサルもさせていただいて、現場でも監督に相談させてもらいました。【僕】を完全に許しているわけではない。でも、『しょうがないわね』と認めてあげる。演技的には『それだとやさしすぎる』『それは厳しすぎる』って、絶妙なところを探しました。強くてやさしい恭子が見えるシーンなので、大切に大切に準備しました」。

――そのシーンも良かったです。

「撮ってるときは屋上ですごく眩しかったので、試写を観て『目が開いていて良かった』と思いました(笑)」。

――この作品に出演して、女優としての収穫は大きかったようですね。

「心のなかで思っていることをうまく言えないけど、別の方法で何とか表現しようとする恭子の不器用な部分を、どう演じるか。月川(翔)監督にたくさん教えていただいたので、大きな収穫になりました」。


――撮影の合間やカメラが回ってないところでも、覚えていることはありますか?

「地方ロケのときは、ホテルの部屋で美波ちゃんとガールズトークをしていました。北村(匠海)さんと矢本(悠馬)さんは私服がすごくオシャレだったので、お洋服についてお話をさせていただきました」。

――そう言えば、前回取材させてもらったとき、「お母さんに内緒で高いTシャツを買って、まだ話してない」とのことでしたが……。

「結局自分からは言えなかったんですけど、その記事をお母さんが読んで『花恋、高いTシャツって何?』と聞かれました。『ついに来たか』と思って、『友だちとお揃いで、ちょっといいTシャツを買って……』と話して、値段は実際より1000円安く言ったら『良しとする』ということだったので、良かったです(笑)」。


 
 


 
 

大友花恋(おおとも・かれん)

生年月日:1999年10月9日(17歳)
出身地:群馬県
血液型:A型
 
【CHECK IT】
2012年にドラマ「結婚同窓会~SEASIDE LOVE~」(CSフジテレビTWO)で女優デビュー。これまでの主な出演作はドラマ「恋仲」(フジテレビ系)、「お迎えデス。」(日本テレビ系)、「こえ恋」(テレビ東京ほか)、映画「案山子とラケット~亜季と珠子の夏休み~」など。また、2013年、「ミスセブンティーン」でグランプリを獲得し、「Seventeen」(集英社)専属モデルに。2016年に女優の登竜門とされる「全国高校サッカー選手権大会」12代目応援マネージャーに就任。現在、「王様のブランチ」(TBS系/土曜9:30~)、ラジオ「クラスメイトは大友花恋!」(文化放送/水曜23:30頃~)に出演中。映画「君の膵臓をたべたい」が7月28日(金)より全国ロードショー。初の舞台「大きな虹のあとで~不動四兄弟~」でヒロイン役。8月29日(火)~9月3日(日)に中野ザ・ポケットで上演。

詳しい情報は公式HP
 
 

「君の膵臓をたべたい」

詳しい情報は公式HPへ
 
 

 

(C)2017「君の膵臓をたべたい」製作委員会 (C)住野よる/双葉社
 
 

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