PICK UP ACTRESS 伊原六花

PICK UP ACTRESS 伊原六花

PHOTO=小澤太一 HAIR&MAKE=清水恵美子(マロンブランド)
STYLING=網野正和) INTERVIEW=斉藤貴志
衣装協力=Ottod’Ame、DIANA

 
 

ドラマ&映画化の「明治東亰恋伽」で初主演
明治時代にタイムスリップする女子高生役

 
 

――六花さんが初主演するドラマ「明治東亰恋伽」は、女子高生が明治時代にタイムスリップする物語。明治時代というと、どんなイメージがありました?

「中学、高校の歴史で勉強したくらいで、まったく想像がつかない感じでした。どちらかというと世界史を主にやっていたので、日本史はちょっと弱いんです(笑)。でも、ドラマに出てくる森鴎外さん、泉鏡花さん、菱田春草さんの名前は知ってました」。

――そういうキャラクターについて、改めて調べたりもしました?

「調べました。鴎外さんはリンゴを煮て食べるのが好きだったとか、いろいろな情報が入ってきました(笑)」。

――「どんな小説を書いたか」だけではなく、こぼれ話的なことも調べたんですね(笑)。

「川上音二郎さんが実際に好きだったものをキャラクターの音二郎さんも好きだったりして、共通する部分が結構ありました。ただ、私が演じる芽衣ちゃんは普通の女子高生で、明治時代の知識が豊富なわけではないので、そういう意味では自然に演じるようにしました」。


――袴を着たのは初めてですか?

「初めてです。実際に着て、あの柄を矢絣(やがすり)ということも初めて知りました。最初は着慣れなかったのが、1カ月の撮影のうちにどんどん早く着られるようになりました。草履も履いたことがなくて、裾を踏んじゃったりして歩き辛かったんですけど、最後のほうは靴より履きやすいくらい、馴染んでました(笑)」。

――初主演はもちろん嬉しいことだったと思いますが、大変なこともありました?

「今思えば台詞の量は膨大でしたが、撮っている最中は覚えるのが大変というより、緊張することが多かった感じです。ドラマ自体がまだ2回目。初めての映画で、初めての地方ロケで……という中で、『どうなるのかな?』と不安がありました。でも、キャストやスタッフさんに恵まれたので演技に集中できたし、セットではなく明治村(明治建築を保存・展示する博物館)での撮影で、目の前に本物の明治時代の建物があったので、お芝居しやすかったです」。

――明治村のある愛知県犬山市で泊まり込みで撮ったわけですか?

「1カ月、ずっと泊まっていました。毎日撮影が終わってホテルに帰ってきたら、ロビーで翌日分の台本を読んでました」。

――なぜ自分の部屋ではなくロビーで?

「最初は部屋で読んで覚えていたんですけど、1カ月もいると、何かよくわからなくなってきちゃって(笑)、夜遅くにロビーに行ってました」。


――共演者はイケメン俳優揃いで、女性キャストが他にほとんどいません。

「最初のドラマの『チア☆ダン』が女の子ばかりで、2回目は男性の方ばかりでした(笑)。しかも年齢の離れた大人の方が多かったんですけど、皆さん、すごくやさしくしてくださいました。お弁当をバスで一緒に食べたり、待ち時間も話していることが多かったです」。

――六花さんが人見知りをしないタイプだから?

「自分では人見知りだと思っていたんですけど、そうじゃなかったみたいです(笑)」。

――芽衣は歴史上の偉人たちと恋に落ちるということですが、恋愛シーンも初めてですよね?

「キュンキュンシーンは初めてです。周りにいっぱいスタッフさんたちがいる中で、毎回緊張しました。でも、ドキドキして『どうなるんだろう?』というより、芽衣ちゃんとしてキュンとしました。私と芽衣ちゃんは通じる部分が結構あって、自然体でリラックスしてできた気がします」。

――芽衣はタイムスリップして戸惑いながら、鹿鳴館でのパーティーでローストビーフにがっついてましたが、「通じる部分」とは食べるのが好きなところ(笑)?

「そうです(笑)。私は牛タンが一番好きですけど、芽衣ちゃんと同じようにお肉やチョコレートも好きで、現場ですき焼きやチョコレートを食べるシーンもあったので、すごく幸せでした(笑)」。

――量もかなり食べるんですか?

「高校でダンス部をやっていたときは1日5食とか食べてました(笑)。最近はもう普通ですけど、友だちと焼肉の食べ放題に行くと、2人前くらいは全然食べると思います」。

――芽衣は味噌汁を作るのに四苦八苦してました。六花さんは作るほうは?

「料理は得意です。上京する前から家でごはんやお菓子をよく作っていて、ネギもちゃんとトントン切れます」。


 
 

いろいろなことをやるだけではなく
ちゃんと極めて身に付けたいです

 
 

――芽衣は物の怪を見ることができる“魂依(たまより)”ですが、そこは六花さんと通じるところですか(笑)?

「私はそれはゼロですね(笑)。ほとんどの人が『ここの空気は気味が悪い』と感じるところでも、私はまったくわかりません。『20歳までに見えなかったら一生見えない』と聞くので、誕生日の6月までに見ることが目標ですけど、今のところ見えません(笑)」。

――頑張って見えるものではないでしょうね(笑)。愛着ある物に精神が宿る“つくも神”の話もありました。

「実家にずっとあった大きなライオンのぬいぐるみを、上京するときに持ってきたんですけど、私のつくも神になるとしたら、その子だと思います」。

――プレゼントか何かでもらったんですか?

「もともとお姉ちゃんのものだったんです。アメリカンサイズの大きさで、受験勉強していて寒くなると、肩に乗せて暖まってました。普段もソファに座るときにずっと隣りに置いていて、今はベッドにいます。いると家らしい感じがするので安心します」。


――物の怪とのシーンは、撮影現場では実物がいないこともあったわけですよね?

「そういうシーンはやったことがなくて、『こんなふうに撮るんだ』と思いました。自分の中で想像力を働かせて撮らないといけないので、難しかったです」。

――妄想的なシーンもありました。

「この世界観だからできる非現実的なシーンも多かったです。『オーバーにやったほうがいい』と言われたので、(タイムスリップに導く自称・奇術師の)チャーリー役の小林豊さんの演技が勉強になりました」。

――やっぱり考えないといけないことは多かったでしょうね。悩んだこともありました?

「悩んだわけではないですけど、原作のゲームがあるので、そこからかけ離れすぎてはいけないし、芽衣ちゃんを好きな方のイメージを壊してはいけない。そういうことは意識しました」。

――芽衣と六花さんは「通じる部分がある」とのことでしたが、芽衣に寄せて演じたんですか?

「芽衣ちゃんは自分発信というより、自分がやったことに周りが反応して物語が進んで、結果的に自分自身も巻き込まれていくことが多いんです。そんな芽衣ちゃんが好きだったので、寄せたというより、そういうところを出していければいいなと思っていました」。


――タイムスリップではないですが、六花さんも大阪から東京に来て、変わったことはありましたか?

「最初は東京に友だちがいなかったので、電話で家族と話す機会が増えました。それまでずっと家で一緒にいながら言わなかったことも話して、お互いのことをむしろたくさん知るようになった気がします。寮暮らしになって料理も洗濯も自分でやってみたら、お母さんに頼っていたことが多かったのも改めてわかりました」。

――今は東京のお気に入りスポットなんかもできました?

「はい。最近頑張ったときの自分へのごほうびでよく行く、サラダ専門のお店があります。今までは甘いものやジャンキーなものが好きで、進んで葉っぱとかのサラダは食べなかったんです。でも、そのお店でサラダボウルを食べて『野菜ってこんなにおいしいんだ!』と思いました」。

――休日はそういうお店に行ったりして過ごす感じですか?

「友だちとごはんに行くときもありますし、1人で朝から映画を観に行ったり、趣味でアクセサリーを作るので材料を買いに行ったり、マッサージに行ったりもします。最近はリラックスして、ゆったり過ごすのが好きです」。

――運転免許も取ったんですよね?

「取りました! 東京では車がないので、大阪でのお仕事で帰ったタイミングで実家の車に乗ったりしています」。

――問題なく運転できてます?

「教習所では全部一発合格でしたけど、毎回結構ギリギリな感じだったので、なるべく縦列駐車は避けて広い駐車場に停めます(笑)。その分、事故を起こさないようにすごく気をつけて運転してます」。


――1月にはCDデビューして、今回は「明治東亰恋伽」で初主演。いろいろな夢が実現しているようですが、次に見据えているものはありますか?

「新しいことをいろいろやらせていただいている分、できないことも結構多いので、今年はやりたいと思ったことを極めて、身に付けていきたいです。レコーディング前にはボイストレーニングに行かせていただきましたけど、歌もしっかりやりたいし、新しいジャンルのダンスにもチャレンジ中です。『これはやったことがあります』というだけではなく、ハッキリと『できます』と言えるくらいにするのが目標です」。

 


 
 

伊原六花(いはら・りっか)

生年月日:1999年6月2日(19歳)
出身地:大阪府
血液型:A型
 
【CHECK IT】
2017年に“バブリーダンス”で話題を呼んだ大阪府立登美丘高校ダンス部の元キャプテン。2018年にドラマ「チア☆ダン」(TBS系)で女優デビュー。ドラマ「家康、江戸を建てる 後編~金貨の町~」(NHK)、「スキャンダル専門弁護士 QUEEN」(フジテレビ系)などに出演。ラジオ「伊原六花とブカツ☆ダンス」(TBSラジオ/日曜19:15~)でパーソナリティを務める。2019年1月に大沢伸一プロデュースの「Wingbeats」でCDデビュー。4月スタートのドラマ「明治東亰恋伽」(tvk/火曜23:00~など全国8局で放送。U-NEXT/月曜12:00~配信)に主演。ドラマ放送・配信終了後、2019年中に映画版が公開予定。連続テレビ小説「なつぞら」(NHK/月~土曜8:00~)に出演。
詳しい情報は公式HP
 

「明治東亰恋伽」

詳しい情報は「明治東亰恋伽」公式HP
 

 

 

©MAGES./LOVE&ART ©ドラマ/映画「明治東亰恋伽」製作委員会
 
 
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