PICK UP ACTRESS 桜井美南

PICK UP ACTRESS 桜井美南

PHOTO=古賀良郎 INTERVIEW=斉藤貴志

現役慶大生で才色兼備の19歳
「彼岸島 デラックス」で映画初ヒロイン

――「彼岸島」のようなホラー系はもともと、触れる機会はあったんですか?

「私、ホラーとかグロテスクな作品がすごく好きで(笑)、個人的に観ていました」。

――それは意外な。「彼岸島」の原作の気持ち悪いシーンも抵抗なく?

「そうですね。どちらかというと、ワクワクしちゃうタイプです(笑)」。

――今回の映画にも出てくる太郎や姫とか邪鬼(おに)にも?

「私の想像上もかなりグロテスクでしたけど、実際に登場したのを見たら、思っていた以上に気持ち悪くて、好きでした(笑)。迫力がすごくて」。

――じゃあ、この作品に出演できて良かったですね。

「はい。ホラー系は初めてで、すごくうれしかったです」。


――髪もユキ役に合わせて切ったんですか?

「そうですね。人生で初めてショートにして、性格が変わりました。サバサバして男の子っぽくなったと、友だちに言われたり。ユキも正義感の強い役で、髪を切って戦闘モードに入れた気がします」。

――吸血鬼と戦おうと。弓の練習もして?

「たくさん練習したわけではなく、現場で何本か引いて、やってみました」。

――腕の力が必要だったり?

「普通の弓より短い分、引っ張る力が必要だった感じです。けっこう固くて、強く引っ張らないと飛ばなくて。でも、初めてなのに思った以上にうまくできたと、スタッフさんにおっしゃっていただきました。かなり狙ったところに射れて、楽しかったです」。

――美南さんは馬術をやっていたんでしたっけ?

「中学時代に部活でやっていました。長距離走とかも得意なので、体力には自信あります」。

――邪鬼の姫に追い掛けられながら、らせん階段を駆け上がるシーンもありましたが。

「本当にダッシュしていました。何本も何本も。だからこそ、いい感じに息が上がったかな(笑)」。

――途中でバテたりしませんでした?

「大丈夫でした! 翌日も筋肉痛とかなくて」。


――本当に体力があるんですね。炭坑をトロッコで逃げるシーンも見せ場ですね。

「乗っている私たちより、スタッフさんたちが大変だったと思います。引っ張ったり、押したり。グリーンバックでもゴトゴト揺らしていただいて、私たちは楽しかったぐらい(笑)」。

――でも、姫が追ってくるのを想像しつつ?

「(CGの)邪鬼たちは全部、小さい模型を見せてもらって、その大きいのが目の前にいたらどんな迫力か、かなり想像しました。模型自体も本格的で細かいところまでこだわって作られていたので、楽しく想像できましたね(笑)。自分のなかで恐怖心を煽るために、ゾンビとか気持ち悪いものもイメージして。ゾンビ映画も大好きで、よく観ているので」。

――原作マンガの「彼岸島」も知っていたんですか?

「お話をいただいてから、原作も前のドラマも観させていただきました」。

――ユキは精神的に強くて凛々しい女の子で。

「自分が怖いから逃げたりするのが嫌いな子で、戦いで少しでも力になろうとする。そういったところは表情や気持ちで出していきたいと思いました」。

――そのために、どんなことを意識しました?

「私自身はよく笑う人なんですけど、ユキは映画のなかで笑顔は少ないので、キリッとした表情を心掛けたり。声色も普段の私は高めなので、ちょっと下げてしゃべったりもしました」。


――根本的な強さは、美南さんのなかにもあるもの?

「ありますね。たぶんユキほどではないし戦ったりはしませんけど、悩みがあって落ち込んでも、下がるところまで下がったら『悲しんでいたらダメだ!』と自分を奮い立たせて、スッと立ち直ります」。

アクションと演技の両立が大変でしたけど
思っていた何倍もカッコよくなっていました

――演じながら、ユキに対する印象が変化した部分はありませんでした?

「基本は変わっていませんけど、『こんな一面もあるんだ』ということはありました。たとえばケンちゃんのことが本当に好きで、でも吸血鬼になっちゃって、葛藤で涙するシーンがあって。ユキは普段は強くて涙を見せないからこそ、そういう弱い部分を見せるところは大事だなと思いました」。

――全体的に、演技で悩んだことはありました?

「アクションが初めてで、演技と両立させるのはかなり苦戦しました。動きに気を取られると、台詞がおろそかになる。逆に台詞に気を取られると、アクションがうまくいかない。私のなかでアクションは自分のできる限りの全力を尽くしたんですけど、完成した映画を観たら、思っていた何倍にもカッコよくなっていました」。

――凛々しさが出てました。

「編集をうまくやっていただいたと思いますけど、不安な部分もあったので、形になっていて良かったです。しかもCGが加わって、迫力や疾走感も想像以上で。ほぼアクションシーンの映画だからカッコ良さが重要だと思っていて、そこは出ていたと感じました」。


――ちなみに、撮影はいつ頃したんですか?

「2年前です。衣裳合わせのときは16歳だったので、3年前から動いていましたね」。

――そんな前だったんですか。「なぞの転校生」とあまり変わらない時期?

「その半年後ぐらいです。試写を観て、今の自分とは顔がけっこう違うと思ったし、親も『全然違うね』と言います。自分でわからない部分でも、母には成長したのがわかるみたいで」。

――今、美南さんは慶応義塾大学の1年生になりましたが、仕事も忙しいなか、通えてます?

「撮影の合間を縫って、今日も行ってきました。テスト前はギリギリに友だちからノートやプリントをもらって勉強しましたけど、高校時代からそうだったので」。

――キャンパスライフの楽しさも感じてますか?

「学食がめちゃめちゃ安いんですよ(笑)。なのにクオリティが高くて、やっぱり高校とは違います。慶應パワー丼というのが名物らしくて、回鍋肉みたいに肉と野菜を食材に使っていて温泉卵も乗っていて、おいしいです。それで400円弱とか」。


――それはいいですね。大学関係でなくても、秋になると必ずすることはありますか?

「おじいちゃんが東北の田舎にいて、昔はよく山奥にキノコなどを採りに行っていました。今年はたぶん行けないんですけど、最近は苦手だったお魚が食べられるようになって、サンマのおいしさを噛みしめています(笑)」。

――何か好きになるきっかけが?

「弟が好き嫌いがなくて、見ていると『ちょっと食べてみようかな』って気になります。弟のおかげで克服した食べ物は多いです」。


――そんな秋の一本として、「彼岸島 デラックス」も公開されます。

「私としては『女子の強さを見てほしい』というのもありますし、ケンちゃんとの切ないシーンも注目してほしいです。でも、やっぱりアクションですね。私もですけど、明役の白石(隼也)くんたちもすごく動いていて、何通りもある殺陣をみんな必死で覚えました。本物の洞窟で撮ったり、場所や背景にもかなり凝っているので、細部まで観ていただけたらと思います」。

 


 
 

桜井美南(さくらい・みなみ)

生年月日:1997年5月17日(19歳)
出身地:東京都
血液型:A型

 
 

【CHECK IT】
2013年にネスレ日本「キットカット」の受験生応援キャラクターにオーディションで選ばれ、2014年から3年連続で就任。2014年1月にドラマ「なぞの転校生」(テレビ東京系)のヒロイン役で女優デビュー。主題歌「今かわるとき」でCDデビューも。映画で初ヒロインとなる「彼岸島 デラックス」は10月15日(土)より公開。富士通「交通・道路データサービス篇」CMに出演中。Web映画「踊る大空港、 或いは私は如何にして踊るのを止めてゲームのルールを変えるに至ったか。」(ネスレシアター/11月上旬より配信予定)、舞台「Dステ20th『柔道少年』」(東京公演2017年2月9~21日、大阪公演2017年2月24~26日)、映画「一周間フレンズ。」(2017年2月18日~公開)などに出演。
 
 
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