PICK UP ACTRESS 桜井日奈子

PICK UP ACTRESS 桜井日奈子

PHOTO=小澤太一 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

「トランスフォーマー/最後の騎士王」で
ヒロインの少女の声で吹替えに初挑戦

 
 

――「トランスフォーマー/最後の騎士王」の日本語吹替え版で、ヒロインの少女イザベラの声を担当。テープオーディションでマイケル・ベイ監督に選ばれたそうですが、声優の仕事に興味があったんですか?

「いや、自分の声に自信がなかったので、声優が私にとって“お仕事”という感覚はなかったです。普段も何気なく吹替えの作品を観ていました。自分でやってみて大変さを知ってから、『声優さんはすごいな』と意識するようになりました」。

――自分の声に「自信がない」というのは……。

「『見た目のイメージより低い』と言われます。『ポワッとした、かわいらしい声を想像していた』と言われることもありますね。それで声がちょっとコンプレックスになっていました。自分でも動画とか撮ると『えーっ!! 私の声ってこんなに低いの……?』と思いました」。

――今回のイザベラの声は、設定の14歳の女の子として違和感なかったです。

「ホントですか? だったら良かった。14歳らしく元気で明るい女の子のイメージで声は作りました。それ以上に、イザベラの表情や息づかいを大事にしました」。


――吹替えは他の役者さんが演じた役に声を当てる仕事ですが、ドラマのときのように自分でもイザベラの人物像を掘り下げたりしました?

「イザベラがどういう環境で育って、今までどう暮らしてきて、なぜオートボットと一緒に戦うようになったのか……というのは、もちろん頭に入れて声を当てました」。

――イザベラは背伸びしている感じなんですかね?

「背伸びもしてますけど、14歳とは思えないくらい大人びていて、行動力もある女の子だと思います。そういう強気なところも、観ているとだんだんかわいく思えてきたりします。完全に子どもでもなく、完全に大人でもない。微妙な狭間みたいな感じでした。だから、私が14歳を意識しすぎて声を高くすると、吹替えの演出監督から『あまり甘ったるくしないで』というアドバイスをいただきました。『イザベラが強い意志を持って行動しているのに、声もちゃんと合わせて』と」。

――なるほど。両親を亡くした孤児であるイザベラが、一緒に暮らしていたオートボットが死ぬときに「1人にしないで!」と叫んでいたシーンは、等身大の素顔がのぞいた気がしました。

「家族同然の子だったので、私も家族を失うくらいの気持ちでやりました。実際に涙が出てきちゃうくらいでしたね」。

――それぐらい感情移入していたと。逃げたり戦ったりの緊迫したシーンでは、声だけ録っていても鼓動が高まったりしました?

「そうですね。私は吹替えの技術は何も持ってないので、イザベラと同じ気持ちにならないと声を当てにくかったんです。クライマックスで相棒のオートボットのスクィークスに話すシーンでは、自分の体内で血が駆け巡るのを感じて、そのまま血管からブワーッと飛び出ちゃうんじゃないかと思いました」。


――日奈子さん自身が何かに追いかけられて必死に逃げたような経験を思い出したりも?

「えーっ……。そこまで命懸けで何かしたことはないです。比べものになりませんけど、小さい頃に鬼ごっこで鬼から必死に逃げたくらい?」。

――特に演じるのに苦労したシーンはありますか?

「何回も何回も録ったシーンや最後まで掴めなかったポイントもありますけど、叫んだり息が切れるシーンより、意外と落ち着いて普通にしゃべっているシーンがなかなかOKが出なくて、難しかったです」。

――へーっ。一緒に戦った主人公のケイドとの会話とか?

「一番苦戦したのが、そのシーンです。相手との距離感を声で表すのが、うまくできませんでした。叫んだりするのは『声を遠くまで飛ばせばいい』と想像がつくんです。緊迫していると、声も自然にハーッとなるし……。でも、相手と微妙な距離で普通にしゃべっているときに『違いをつけてほしい』と言われると、なかなか難しくて……。そればかり意識すると、また何か違ってしまう。そこは一回飛ばして別のシーンを録ってから、また戻って……というのを繰り返しました」。

――イザベラ役のイザベラ・モナーさんとは、ジャパンプレミアで対面したんですよね。

「はい。彼女が16歳とは信じられません(笑)。私が緊張でガッチガチで死にそうだったのを、彼女が舞台裏でほぐしてくれました。皆さんの前でも堂々としてましたよね。写真を撮られるときも胸を張ってポーズを取って、緊張せず、にこやかで本当に天真爛漫。こっちが引き込まれてしまうくらい、魅力的な女の子でした」。


――楽屋とかで話もできたんですか?

「レッドカーペットのタイミングでしかお会いできなかったんですけど、スタッフの方から私のインスタグラムのアカウントを『フォローしたい』と言ってくれたと聞いて、私も彼女のインスタをフォローしました。投稿を見ると楽しそうに踊ってたり、クールにキメてたり、うらやましいくらいナチュラルですね」。

 
 

力強い目のカッコイイ女の子に
勇ましいイメージで声を当てて

 
 

――完成した「トランスフォーマー/最後の騎士王」を試写で観て、全体的にはどんなことを感じましたか?

「壮大なスケールでしたね。そこに自分が携わった感動を噛みしめました。『トランスフォーマー』といえば大がかりなアクションや爆破シーンのイメージがあって、スクリーンで観るとすごくダイナミックですけど、細部にも相当こだわってます。トランスフォーマーはどこがどう動いているのかわからないくらい、緻密に変身したりするんです。それがとにかく美しかったです」。


――声を当てたイザベラ絡みのお気に入りのシーンは?

「特に登場シーンですかね。マスクをフワッと取って、最初からめちゃくちゃカッコよくないですか? 私もそこから引き込まれましたし、彼女の目の力強さには、たぶん皆さん共感していただけると思います。私も勇ましさをイメージしながら声を当てました。あと、頼りなさそうに見えて意外と大活躍するので、かわいいスクィークスにも注目してほしいです」。

――イザベラには日奈子さんと重なる部分もありました?

「私も結構強気なので、そこは似ていると思います」。

――でも、日奈子さんはジャパンプレミアとかでも、すごく緊張しぃだそうで。

「確かに息をするのも忘れるぐらい緊張しましたけど(笑)、自信があることには強気なので、場慣れの問題だと思います。数をこなせば、私もああいう場所でもうちょっと堂々としていられると思うので、もし次があったら全然違うはずです(笑)」。

――この作品を映画館でまた観たいと思いました?

「そうですね。皆さんにも絶対に大きなスクリーンで観てほしいです。あとでDVDとかで観ても面白いと思いますけど、迫力が伝わるのは圧倒的に映画館かな。ただでさえすごい映像なのに、私は3Dで観たので、飛び出してくるとまた迫力が増してました」。

――日奈子さんは映画館にはよく行くんですか?

「よく1人で行ってます。いろいろなジャンルを観ますね。気になっている俳優さんが出ているのを観たりします。最近だと『銀魂』が面白かったですね。もともとアニメ版が好きだったんです。あと『愚行録』もよかったです」。


――今回は吹替えでの参加でしたが、いずれは自身が女優としてハリウッド映画に出演したい気持ちもあります?

「いつかは……と思っています。『トランスフォーマー』みたいなアクションものをガッツリやってみたいですね。『ラストコップ』でちょこっとワイヤーアクションをやらせていただいて、難しかったけど本当に楽しかったので……。殺陣とか体を動かすのは向いてる気がします。バスケットで鍛えた運動神経を活かせそうです」。

――公開アフレコでは“トランスフォームしてほしいもの”として、トランポリンを挙げてましたね。「どうしても跳びたくて買ったら3日でやらなくなって、狭い家でスペースを取ってるだけなので」ということでしたが……。

「安心してください。またやるようになりました(笑)。本当に『もう乗らなかったらしまおう』と決心していたんですけど、今また跳んでます。専用のマットを敷いて、音も響かないようにしています」。

――去年の冬に取材させてもらったときも、「通販で買った鍋が届いたら大きすぎてキッチンにしまえない」という話がありました。

「そういう失敗はよくあります。あの時期は通販にハマっていて、想像と全然違うものが届いた……みたいなことが続いたので、もうやめました。特に服はサイズが違っていて、着られないことが多かったです」。

――初の吹替えを経験したところで、仕事でもプライベートでも、今後さらに初挑戦したいことはありますか?

「グランピングです! キャンプなんですけど、道具は一式揃っていて、何も持っていかなくていいし、準備もしなくていいんです。手軽なキャンプ? そういうのを夏休みの間にどんどん経験したいです」。

――山とかに行って本格的なキャンプをするよりも?

「そういうのもしてみたいですけど、とりあえずグランピングのほうが安全かなと思って(笑)」。


 
 


 
 

桜井日奈子(さくらい・ひなこ)

生年月日:1997年4月2日(20歳)
出身地:岡山県
血液型:O型

 
【CHECK IT】
2014年に「岡山美少女図鑑」の表紙登場から「岡山美少女・美人コンテスト」にて美少女グランプリを受賞。2015年5月から配信の「LINE MUSIC」ウェブCMをきっかけに“岡山の奇跡”として全国的に注目される。大東建託「いい部屋ネット」、コロプラ「白猫プロジェクト」、GROP、コスモステーションのCMに出演中。2016年5月に舞台「それいゆ」で女優デビュー。同年7月に「そして、誰もいなくなった」(日本テレビ系)でドラマデビュー。「THE LAST COP/ラストコップ」(日本テレビ系)、「恋の503」(FOD)などに出演。8月27日(日)19:00~「東京オリパラ団」(NHK BS1)に出演。日本語吹替え版で声の出演をした映画「トランスフォーマー/最後の騎士王」が全国ロードショー中。

詳しい情報は公式HP