PICK UP ACTRESS 桜井日奈子

PICK UP ACTRESS 桜井日奈子

PHOTO=逢坂聡 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

「僕の初恋をキミに捧ぐ」で連ドラ初ヒロイン
20歳まで生きられない幼なじみを一途に想う

 
 
――日奈子さんは寒いのはどうなんでしたっけ?

「寒いのは嫌いです! 朝起きるのも辛いですね。私は乾燥するのがイヤで、エアコンをなるべくつけないようにしているので、その代わり、電気毛布で何とかしてます」。

――じゃあ、この時期のロケはしんどいものがあります?

「そうですね。『僕キミ(僕の初恋をキミに捧ぐ)』の撮影で弓道部のシーンがあるんですが、道着が半袖なんです。衣装の下にはカイロを12枚くらい仕込んでいます(笑)。それでも寒くて、直前までお湯を飲んだり、毛布を巻いたり、湯たんぽを抱えたり、いろいろ対策をしていただいています」。

――青木琴美先生の「僕キミ」の原作のことは知ってました?

「もちろんです。私は少年マンガをよく読んでましたけど、弟が少女マンガが好きで、実家に単行本があったんです。人気の作品だったことも知ってました。読んだのは今回のお話をいただいてからですが、すごく良い話で涙がポロポロ出てしまいました」。

――去年公開された映画「ママレード・ボーイ」「ういらぶ。」に続く少女マンガ原作の恋愛モノのヒロインですが、そういう作品はお手のものという感じですか?

「そんなことはないです。でも、やり甲斐はすごく感じています」。


――「ママレード・ボーイ」の頃は「女優の仕事をするならキスシーンにも慣れないと」という話がありました。

「今はもう、役だからと割り切れる自分がいます」。

――日奈子さんはそういうヒロインに欠かせないキラキラ感を持ち合わせていますが、自分では恋愛モノをやる上で外せないと思うことはありますか?

「今回で言えば、繭と自分を重ね合わせる時間は、日常的に作っています。夜寝る前とか電車移動するときとか、繭と逞のやり取りを想像するんです。2人は幼なじみなので、幼少期に起こった出来事を、あたかも自分の過去にあったかのように想像する時間を、あえて作っています」。

――繭は自分と重ね合わせやすいキャラクターでした?

「そうですね。原作を読んでいても自分と近しいと思いましたし、『繭だったらこう考えるだろうな』ということも、わりと自分の感覚と近かったりします」。

――いつも全力投球、みたいなところが?

「はい。私も中学生の頃に『猪突猛進だね』と言われたことがあります(笑)。原作を読んだときに、繭ちゃんにも猪突猛進な感じがあったので『似てるかも』と勝手に思ってました」。

――1話では、繭は入学式の新入生代表あいさつを壇上でしていて、逞に「私から逃げようなんて百万年早いのよ!」って駆け寄って行きました。

「私はさすがに『百万年早いのよ』と壇上で言いません(笑)。でも、繭と逞の関係は売り言葉に買い言葉みたいな感じがあると思うんです。私も男の子にチョッカイを出されたらやり返すので、逞との掛け合いも自分がやるのと近い気はしました」。


――あのシーンはすごい勢いで走ってましたね。

「全力ダッシュして、もうスカートが大変なことになってました(笑)。制服が巻きスカートで、普通のスカートと違ってめくれやすいから、気をつけないといけないと思っていたんですけど、撮るときはそんなの気にせずダッシュしました」。

――観ていてオーッとなりました。

「クランクインの日にあのシーンを撮影したんです。『僕キミ』の始まりを象徴するシーンだから、1週間前からドキドキしてましたが、何とか楽しくできました。自分で予告で観てもワクワクしました」。

――ずっとバスケをやってきて運動神経のいい日奈子さんは、弓道をする姿も堂に入ってるように見えました。「筋がいい」と言われたのでは?

「たくさん褒めていただきました。弓道みたいな武道って、こういう機会がないとなかなか経験できないじゃないですか。私が通っていた練習場には、『先生!(、、、好きになってもいいですか?)』や『半分、青い。』の皆さんが通われていたそうなんです」。

――「先生!」で広瀬すずさんが演じたヒロインも弓道部でしたね。

「自分もそういう方たちと同じところで練習させていただいているんだと思うと、すごくワクワクしちゃいました(笑)」。

――番組公式HPでのコメントでは「捧げているもの」に筋トレを挙げていました。ピラティスに通っているそうですが、日課的にも何かやってます?

「してます。筋トレは私にとってはストレス発散でもあるんです。体も心もスッキリします。家では常にヨガマットが敷いてあって、空いた時間にピラティスチックなうつ伏せや仰向けの体操を毎日しています」。



 
 

走るシーンでは私が速すぎてカメラに
映ってないことがよくあります(笑)

 
 

――「僕キミ」は恋愛モノでも、キュンキュンというより切ないテイストですかね? 

「回を追うごとに切なくなっていくと思います」。

――原作で涙した部分はこれから撮る感じ?

「これからですね。逞と繭の関係も素敵ですけど、2人の両親のお話もすごく好きなんです。マンガにある、逞のお父さんに『逞を好きになってくれてありがとう』と言われるシーンがあったら、自分はどうなっちゃうんだろう……という感じです(笑)」。

――逞のお母さんとは折り合いが悪いですね。

「そうなんです。お母さん役の石田ひかりさんに『繭ちゃんのこと嫌い』と言われるのを想像すると、ドキドキしちゃいます(笑)」。

――今まで撮ったシーンでは、何か印象的なことはありました?

「いっぱいあります。毎話ハプニングが起きてます(笑)。1話のバスタオル1枚で走るところも、やったことがなかったので……」。


――普通ないかと(笑)。

「パンツを隠した犯人を追い掛けまくるシーンで、廊下も更衣室もプールサイドも駆け抜けたんですが、最初は恥ずかしさもあって大変でした(笑)。でも、バスタオル1枚でも気にせず走る繭ちゃんが面白いので、恥ずかしさは忘れました」。

――「ママレード・ボーイ」のときは走るシーンで日奈子さんの足が速すぎて、カメラが追いつかなかったという話がありました。

「それは今回もたびたびあるんです(笑)。バスタオルのシーンも廊下を走り抜けたら速すぎて映ってなかったり、入学式で体育館を出て行く逞を追い掛けるシーンも、逞は心臓の病気だから走れないのに、私が速すぎて追い付いちゃいました(笑)。『もっとゆっくり』って、すごく言われます。本当に全力疾走してなくても、そう見える走り方をしないといけないなと思います」。


――運動神経の良さゆえの苦労ですね。ところで、日奈子さんはデビューしたときから“岡山の奇跡”として注目されて、CMや映画主演を経て、今回は連ドラのヒロイン。3年でここまでステップアップできたことを、自分ではどう捉えていますか?

「本当にありがたいです。自分の実力以上の機会をいただいているように感じています。連ドラのヒロインも目標だったので、今回達成できてうれしいのと同時に、現場で『自分の引き出しが全然ないな』と思い知る瞬間もたくさんあります。まだまだ、もっともっと努力が必要だと思います」。

――最後に「僕キミ」は“流れ星”がキーワードになっていますが、今見たら、願いたいことは何ですか?

「眠くならない体が欲しいです(笑)。今は時間がいくらあっても足りない感じなので、寝なくても元気でいられる体だったらいいな……というのはあります」。

――それくらい売れっ子になってるということですよね。なのに、日奈子さんは新人時代と謙虚さが変わらなくて頭が下がります。天狗になったりせずに。

「まだまだとしか思ってませんから、天狗になりようがないんです(笑)」。



 
 


 
 

桜井日奈子(さくらい・ひなこ)

生年月日:1997年4月2日(21歳)
出身地:岡山県
血液型:O型
 
【CHECK IT】
2014年に「岡山美少女・美人コンテスト」にて美少女グランプリを受賞。2015年5月から配信の「LINE MUSIC」ウェブCMをきっかけに“岡山の奇跡”として全国的に注目される。2016年5月に舞台「それいゆ」で女優デビュー。同年7月に「そして、誰もいなくなった」(日本テレビ系)でドラマデビュー。主な出演作はドラマ「THE LAST COP/ラストコップ」(日本テレビ系)、「恋の503」(FOD)、映画「ラストコップ THE MOVIE」、「ママレード・ボーイ」、「ういらぶ。」など。ドラマ「僕の初恋をキミに捧ぐ」(テレビ朝日系/土曜23:15~)、「みかづき」(NHK/土曜21:00~)に出演中。配信ドラマ「がっこう××× ~もうひとつのがっこうぐらし!~」(Amazon Prime Video)で主演。「沼にハマってきいてみた」(NHK Eテレ/月曜~水曜18:55~。桜井日奈子は月曜日に出演)に出演中。「東京オリパラ団」(NHK BS1)にレギュラー出演。大東建託「いい部屋ネット」、GROP、コスモ石油のCMがオンエア中。2019年秋公開予定の映画「殺さない彼と死なない彼女」に主演。
詳しい情報は公式HPへ
 
 

土曜ナイトドラマ「僕の初恋をキミに捧ぐ」

 
詳しい情報は「僕の初恋をキミに捧ぐ」公式HPへ