PICK UP ACTRESS 佐藤美希

PICK UP ACTRESS 佐藤美希

PHOTO=草刈雅之 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

舞台「暁の帝 朱鳥の乱編」に主演
飛鳥時代を舞台に皇后に即位した役

 
 

――佐藤さんはタレント、女優、サッカー関係、グラビアと幅広く活動してきましたが、軸にしたいことはありますか?

「お芝居を中心にやっていきたいです。もともとはモデルを目指してホリプロのタレントスカウトキャラバンを受けたので、女優さんになりたい気持ちはありませんでした。でも、同じホリプロの女優さんの舞台や映画を観させていただいて、徐々に『私も挑戦したい』と思うようになりました」。

――演技は舞台で鍛えられてきた感じですか?

「そうですね。今回の『暁の帝 朱鳥の乱編』が4作目で、舞台は1カ月稽古をして役と密接に取り組めますし、演出の方やベテランの先輩にいろいろ教えていただけて、とても勉強になります」。

――経験が少ない中で悩んだことも?

「あります。もともと自分が思っていることを口にするほうではないので、感情を台詞に乗せて伝えるのが難しかったり、台詞がないときの動きや表情をどうするか、今も悩みます。生でお芝居をするので、公演中は一瞬も気を抜けない緊張感もすごくあります」。

――舞台のやり甲斐や面白みも感じてますか?

「1カ月かけてキャスト全員が力を合わせて作り上げるので、達成感は毎回あります。去年の『暁の帝 壬申の乱編』の千秋楽では、カーテンコールで号泣でした(笑)。我慢していたのに、堪え切れませんでした」。


――「暁の帝」で佐藤さんは、のちに持統天皇として即位する鸕野讃良(うのの・さらら)役。「壬申の乱編」のときは、飛鳥時代の史実も勉強したんですか?

「もちろん調べました。日本史の知識があまりなくて、壬申の乱も学校の授業で習っただけ。中大兄皇子や大海人皇子たちの関係性も詳しく知らなかったので、図書館で関連する本をひたすらいろいろ読みました」。

――讃良にはどんな印象を持ちました?

「女性としての強さを一番に感じました。大海人(おおあま)の他の妻たちは夫を支える関係性が強い中で、讃良は国を動かして新しくするために大海人をサポートしていて、それは彼女にしかできないと思いました」。

――「壬申の乱編」で、そういう強さが象徴的に出たシーンというと?

「讃良の父が中大兄皇子(天智天皇)、その弟が夫の大海人で、父は弟を天皇にしたかったんですね。それで壬申の乱が起こって、落ち込んでいた大海人に讃良は『あなたがやらないで誰がやるの?』と言ったり、背中を押す台詞がたくさんありました」。


――讃良は国を動かした歴史上の人物の上に、壬申の乱のその後を描く「朱鳥の乱編」では、役としてのハードルがさらに上がったのでは?

「かなり上がりました。『壬申の乱編』では大海人の背中を押しながら一途に付いていったのが、今回も愛は伝えつつ、前回いなかった息子がいるので。天皇の後継者問題にも関わるし、讃良自身が皇后としてどう生きていくか、どう国をまとめ上げるか。強さと存在感を出せたらと思います」。

――妻や母としての感情は想像するしかないですよね?

「讃良は大海人がいないと生きていけないくらい、頭の中が大海人だけで、『その気持ちは何なんだろう?』とかなり考えました。息子に対する想いは、子どもがいる友だちに一緒に遊ばせてもらったり、叱っても言うことを聞かないときに母親はどうするかとか、接し方を見てイメージしました。あとは、動物に変換したりもしています。ペットショップで子犬や猫を見て『かわいいな。この子を育てたいな』と感じて『どう育てようか?』と考えたのを、息子に置き換えました」。

――なるほど。

「讃良は息子の草壁皇子を天皇にしたいけど、それだけの能力が息子にはない。どう成長させようか……というところでの台詞も、言い方で印象が全然変わるので、稽古でいろいろやっています。上から強く叱ったり、やさしく言ったりして、どっちがいいのかと」。

――この取材日時点での稽古の課題はその辺?

「『どうやって息子の背中を押すか』ですね。でも、この作品の一番のテーマが“愛”で、それが鸕野讃良のテーマでもあるんです。想像を超える讃良の愛の強さにはまだ全然達してなくて、頭の中はひたすら『大海人、草壁、大海人、草壁……』となっています(笑)」。

――“愛”なんて、すごく大きなテーマじゃないですか。

「そうなんですよ。『愛とは何か?』と考えたら、本当に深くて広すぎて……。『自分が第一。自分のために生きる』という人が多いかもしれませんけど、讃良は夫と息子のために生きているのを強く感じます。それだけに今回、夫も息子も先に亡くなるので、そこで讃良の心情の変化をどう演じるかでも壁にぶつかっています」。

――そういう難しい役だと、稽古で胃が痛くなったりもしません?

「もちろん悩みます。でも、辛さはまったくありません。みんなと一緒に『良い舞台になったね』と言えるように、もっと上手くなりたい向上心のほうが強いです。こういう気持ちになるのも舞台ならではだと思います」。


 
 

女性同士の関係とか夫や息子への愛とか
今の時代に通じる部分があると思います

 
 

――今回は主演ですが、それも重荷には感じてませんか?

「そうですね。ただ、主演させていただくのに私が足を引っ張ったらいけない。私より年上の方や先輩の方もいる中で自分がチームをまとめて、みんなのモチベーションを上げて、作品を良くしないといけない。それと今回はWキャストで、どうしても比較はされますよね。自分たちのチームが劣って見えないように、お互いの良さを高められたらとも思います」。

――具体的に座長的なこともしているんですか?

「私は普段、積極的に話し掛けるほうではないのですが、みんなとのコミュニケーションをたくさん取るようにしています。心を許し合わないと、良い関係を築けないと思うので。舞台が初めての方もいて、私もそれほど経験はなくても、話すだけでもお互い違いますよね。私たちのチームは良くも悪くも、学校みたいな雰囲気なんです。休憩時間はずっとワチャワチャ騒がしいので、オン・オフを付けるところで強く言えるようにもならないといけないと思ってます」。

――この「暁の帝 朱鳥の乱編」に、作品としてはどんな面白みを感じていますか?

「歴史モノでも、内容は今の時代に通じる部分があります。特に女性は、女性同士の関係性や夫への愛、息子への想いに共感してもらえると思います。前作からの続編でありつつ、登場人物も変わって新しい物語としても見られて、歴史の知識がなくても楽しめる作品になっています」。


――千秋楽の3日後が佐藤さんの26歳の誕生日ですね。

「はい。去年は誕生日の翌日が初日で、場当たりのときにすごいサプライズをしていただきました。ダメ出しで演出家さんに『何だ、お前の芝居は!』って激怒されて、号泣してしまったんですけど、それがドッキリで、その後にケーキが出てきて、皆さんに祝っていただきました。演劇のプロの方たちが演技をするドッキリは本当に迫力があるんだと、身を持って体験しました(笑)」。

――今年の誕生日の予定はありますか?

「今のところ何もありません。その前に舞台を後悔がないようにやり切りたいです。『あそこは違ったな……』と悔いが残ると、誕生日どころではなくなるので」。

――では、舞台を無事にやり切ったら、誕生日プレゼントに欲しいものはありますか?

「最近、たまに家でビールを飲むんですね。だから、オシャレなビールグラスがあったら、リラックスできていいなと思います」。

――外で友だちと飲むときにはシャレたバーに行ったり?

「そういうところにはまったく行かないです。焼鳥屋さんとか煙がモクモクした焼肉屋さんが多くて、シャレたところはまだ早いかもしれません(笑)」。

――庶民派なんですね(笑)。20代後半で成し遂げたいことはありますか?

「やっぱりお芝居を中心に舞台もやりつつ、ドラマや映画に出たいです」。

――映画は自分でもよく観ますか?

「最近はなかなか映画館には行けなくて、家や移動中にアプリで観てます。この前は『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』という洋画を観ました。恋愛映画で以前にも何回か観ていて、女優さんがかわいいんですよね。見た目だけではなく、仕草や目の動かし方がかわいらしくて……。映像だと目の力や表情のちょっとした変化で伝わるものがあって、自分が演技をすると、そこが欠けているので、とても勉強になります。実際にちょっとマネしてみたりもしました」。


――演技の勉強も兼ねて観る感じなんですね。

「そういう観方に変わってきました。前は普通に作品を楽しんでいましたけど、役者さんの演技に注目するようになりました」。

――好きな女優さんもいますか?

「板谷由夏さんや吉田羊さんのような、クールビューティーで凛とした女優さんに惹かれます。目標にしたい憧れです」。

――では最後に、夏にプライベートで楽しみなことはありますか?

「毎年バーベキューはやっていて、お肉が大好きなので(笑)、今年もできたらいいなと思います。あと、ここ数年、プライベートでは水着を着てないんです」。

――水着のキャンペーンモデルはやってましたけど(笑)。

「グラビアの仕事では着ていても、自分ではしばらく買ってもいないので、久しぶりに新しい水着で、海外の海のきれいな離島とかに行きたいです。ビーチでのんびりするのもいいし、アクティブなことも好きなので、マリンスポーツにも初挑戦したいです」。


 
 


 
 

佐藤美希(さとう・みき)

生年月日:1993年6月26日(25歳)
出身地:栃木県
血液型:B型
 
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2013年に「第38回ホリプロタレントスカウトキャラバン」でグランプリを受賞。Jリーグ名誉マネージャー、「2018 FIFAワールドカップロシア大会」のスタジオキャスター(NHK)、「柔道グランドスラム2018」のサブキャスター(テレビ東京系)などを務める。また、女優としてドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)、映画「キスできる餃子」、舞台「25年目の家族」、「暁の帝 壬申の乱編」などに出演。W主演の舞台「暁の帝 朱鳥の乱編」が6月13日(木)~23日(日)に池袋シアターグリーンで上演。「FOOT×BRAIN」(テレビ東京系/土曜24:20~)、「アコム」CMに出演中。
詳しい情報は公式HPへ
 
 

「暁の帝 朱鳥の乱編」

詳しい情報は「暁の帝 朱鳥の乱編」公式サイトへ
 

 

 
 

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