PICK UP ACTRESS 山口まゆ

PICK UP ACTRESS 山口まゆ

PHOTO=小澤太一 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

ドラマ「駐在刑事」で警察署長の娘役
大人を信じず閉ざしてた心を開くように

 
 

――「駐在刑事」で演じている緒方ひかりのような心を閉ざした役は、まゆさんの得意なところですか?

「得意というか、闇のある役は多いですね。でも今回は、闇があることをメインテーマにするより、過去は過去として、ちゃんと今、ひかりとして生きていくことを大事にしています」。

――ひかりの母親は、主人公の“駐在さん”こと江波敦史(寺島進)が刑事時代に聴取中に服毒自殺。その姉で奥多摩署長に赴任した緒方綾乃(黒木瞳)に、養子として引き取られました。

「ひかりにとってお母さんのことは大事だと思いますけど、それを踏まえつつ、奥多摩に来てどういう感情の起伏があるのか、慎重に考えていきました。最初の頃は環境を受け入れようとしながらも、綾乃さんに反抗というよりは距離を感じていたんです。江波さんにも心を閉ざしていたんですけど、いろいろ事件があって、だんだん『信じていい人たちなんだ』と打ち解けてきました」。

――そうでしたね。

「一番転機になったのが5話あたりで、義理のお父さんが殺された事件を綾乃さんが何とかしてくれたりしたことを、大事にしたいと思いました」。


――もともとひかりはやさしい子だったんですよね。2話で、おばあちゃんを老人ホームに入れないために狂言誘拐を企てた男の子を助けたり。

「ひかりのそういうやさしいところは本当に忘れたくないです。2話でそのやさしさに気づいてくれたのが江波さんで、そこからひかりが変わり始めました。後半に入った今は、『大人を信用しない』という気持ちはなくなってきています。ただ、信用しているからこそ『助けてほしい』という想いを、話すというより、ぶつけていくことが多くなりました。5話の冒頭の江波さんとのシーンがそうです」。

――駐在さんが自分の取り調べ中にひかりの母親が自殺したことを、打ち明けたところですね。

「そこは監督さんと話し合いました。心を閉ざしてきたひかりが江波さんに自分のことをわかってもらえて、信じてもらえると気づけたからこそ、想いをぶつけられた。監督さんからは『ひかりが心を開いてきたので、ここは大事にしたい』と言われました。役のことを長々と話してしまいましたけど(笑)、そういう感じで自分自身もひかりと一緒に成長している気がします」。


――最初の頃の反抗的なひかりを演じていたときは、現場でああいうモードにすぐ切り替われました?

「黒木さんがどう考えてらっしゃったのかわかりませんけど、現場では、切り替えというか最初ちょっと距離感がありました。私も距離を取るように意識していたら、後半になるにつれて気さくに話し掛けてくださったので、私のひかりとしての心情が強くなっていったところがありました」。

――まゆさんも反抗期があったそうですが、ひかりみたいに睨みつけたりしていたんですか?

「中学生の頃、反抗は激しかったほうです。でも態度がひかりと似ていたわけではありません。ただ、不器用で本当の気持ちをうまく表現できなかったり、どうしても強がっちゃうところが自分にもあったので、ちょっと重なるかもしれません」。

――反抗期は別にしても、ひかりがしていたように、人が話していてもスマホをいじりがちだったりはしますか?

「そうかもしれないです(笑)。話は聞いていても、携帯に逃げてしまうところはありますね」。


 
 

泣くシーンは苦手で緊張しますけど
普段は泣いてストレスを発散します(笑)

 
 

――5話の涙のシーンは、場数を踏んできたまゆさんだと、さほど緊張はしませんでした?

「いえいえいえ。すごく緊張しました。泣くシーンはずーっと苦手なんです。5話の冒頭の寺島さんと対峙するシーンでは、1テイク目で力が入りすぎて泣けなくて、現場が『うーん……』となっちゃって、どうしようかと思いました。どうにかして力を抜かなきゃと思って、休憩時間に体操したりしたんですけど、本番になるとやっぱり緊張しちゃって……。でも、2テイク目で寺島さんが『大丈夫、大丈夫』と肩を叩いてくれた瞬間、パーッと泣いちゃいました(笑)。本当にどうも慣れなくて……」。

――普段からあまり泣くことはないんですか?

「そんなに泣くタイプではないですけど、ここ最近は受験とかいろいろあって……。今年の夏くらいはよく泣いていました」。

――何かがあったわけではなくても?

「そうですね。でも、『私はこんなに泣くんだ』というくらい泣いたので、ストレス発散になったんじゃないかと思います(笑)」。

――メインのロケ地の奥多摩は、このドラマで初めて行ったんですか?

「はい。本当に自然豊かで、撮影の最初の頃は暖かかったのが、最近は紅葉がすごくきれいで、空き時間に写真を撮ってました。季節を感じられて、毎回小旅行している気分です」。


――あそこに住むとなったら、どうでしょう?

「コンビニとかが本当にないですけど、私は島での撮影など地方ロケが多いので、そんなに苦になりません。飲み物とごはんがあればいいかな。あと、地元の方が撮影のときに差し入れをしてくださって、この前は豚汁をいただいたんですけど、すごくおいしかったです。人の暖かさも感じました」。

――ひかりが言ってた「こんな田舎から出て行きたい」みたいなことはないと?

「確かに都会から来るとギャップがすごくて、ビックリはします。環境の変化について行けなくなることは、あるかもしれませんね」。

――実際の駐在さんというか、おまわりさんに関わったことはありますか?

「ないですね。でも交番の前を通るときは、別に悪いことをしてないのに、ドキドキします(笑)」。

――「駐在刑事」がクライマックスに入っていく中で、まゆさんは18歳の誕生日を迎えました。

「誕生日はいつも楽しみにしているんですけど、今年はあまり楽しみではなく『早く終わらないかな』と思っちゃいました(笑)。何でですかね? 私、誕生日が11月20日で、すぐ年が明けちゃうんですよ。それで2000年生まれだから、2018年は18歳の年とかわかりやすいんです。そのせいか、去年は誕生日から1カ月は17歳の感覚があったものの、年が変わったら自分も18歳の気分になっていました(笑)」。

――本当の誕生日を迎えるずっと前から(笑)。

「だから年が明けて2019年になったら、またすぐ19歳の気持ちになっちゃう気がします」。

――まゆさんの取材ではいつも、学校での楽しそうな話も出てましたが、高校生活も残り少なくなりました。

「12月の頭のテストが終わったら自由登校なので、もう今月で最後という感覚です。でも、周りが受験モードに入っているので、楽しむというより張り詰めた空気になっています。それも今の時期にしか感じられないものだと思いながら、通ってました」。


――名残り惜しさはありますか?

「制服がもうコスプレになっちゃうんですよね(笑)。『高校生なんだ』と言われることがなくなると思うと、ちょっと寂しいです」。

――ちなみに、年末年始は恒例ですることとか、ありますか?

「ごく普通に大掃除して、大晦日を迎えて、テレビでカウントダウンを見て……という感じです。初詣は午前零時に行くとかはなくて、2日とかに行ったりします」。

――今度の初詣では、どんなお願いごとをするんですか?

「やっぱり18歳になったので、『もうちょっと大人になって、いろいろなことを経験したい』とかですね。仕事でも人生でも。今年もいろいろなことがあって、一番大きいのは受験でしたけど、感情の起伏が激しくて濃い1年でした。大学生活が始まったら、また心機一転、頑張りたいと思います」。

 
 


 
 

山口まゆ(やまぐち・まゆ)

生年月日:2000年11月20日(18歳)
出身地:東京都
血液型:A型
 
【CHECK IT】
小学4年生から子役として活動。2014年に「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」(フジテレビ系)でドラマデビュー。主な出演作はドラマ「アイムホーム」(テレビ朝日系)、「コウノドリ」(TBS系)、「リバース」(TBS系)、「明日の約束」(カンテレ・フジテレビ系)、映画「くちびるに歌を」、「相棒‐劇場版Ⅳ‐首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断」など。金曜8時のドラマ「駐在刑事」(テレビ東京系/金曜20:00~)に出演中。
詳しい情報は公式HPへ
 
 

「駐在刑事」

詳しい情報は「駐在刑事」公式HPへ
 

 

 

 
 

直筆サイン入り自撮りチェキ応募はコチラ⇒