PICK UP ACTRESS 優希美青

PICK UP ACTRESS 優希美青

PHOTO=松下茜 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

時代劇映画で初のヒロインに
不治の病を患いながら隠密と恋に落ちる

 
 

――20歳になってから3カ月近く経ちましたが、何か変わりました?

「ガラッと変わると思ってましたけど、そんなことはなかったですね(笑)。でも、初めて友だちと海外旅行に行きました。それでちょっと、大人になりました(笑)」。

――どこに行ったんですか?

「韓国です。海外はグアムに一度だけ行きましたけど、友だちと行ったことはなくて『20歳になったら』と思っていたんです。どこがいいか考えて、日本語がなるべく通じるところで近場で……ということで、韓国にしました」。

――現地ではどんなことをしました?

「サムギョプサルとかを食べて、服やコスメが安かったので買い物をたくさんして、満喫しました」。

――前回の取材では「健康診断を受けたいけど結果が怖い」というお話がありました。

「健康診断は受けました。何とか大丈夫でした(笑)」。


――良かったです。時代劇映画で初のヒロインを務めた「GOZEN-純恋の剣-」では、藩の筆頭家老の娘で不治の病を患う役。その部分での役作りもしましたか?

「特にしなかったです。私が演じた八重は病気の役ですけど、監督に『病人っぽくしなくていい』と言われてましたから。むしろ病気だからこそ、死ぬまでにやりたいことがちゃんとあって、“芯が通った意志の強い子”というところを意識しました」。

――八重は「毎晩、鬼の夢を見る」と話してました。

「私は夢に鬼は出てきませんけど、怖い夢はたまに見ます。遊園地でジェットコースターが止まらなくなって、フワッと飛ばされそうになったところで目が覚めます」。

――八重も「鬼に体を掴まれたところで目が覚める」と言ってましたね。時代劇については、もともと観ることはありました?

「小さい頃、よくおばあちゃんと『水戸黄門』や『暴れん坊将軍』を観ていて、好きでした」。

――出演者としては、やっぱり現代劇との違いは大きいですか?

「はい。所作や立ち居振る舞いも違いますし、話し方は昔の人のほうが落ち着いていて、おしとやかな感じです。しかも、八重は筆頭家老の娘ですから。そういうところは難しくて、たまに現代っ子っぽく戻っちゃうときもありました」。

――台詞自体は台本通りに言っていても……。

「語尾のアクセントや言い回しのニュアンスを、よく監督に注意されました」。


――所作でも、特に注意しないといけないことはありました?

「歩き方や走り方が今と全然違います。昔の人は小股でササササ……と走るのがきれいだったそうですけど、普段は大股で走ることに慣れちゃってますし、急ぎたい場面では気持ちが前へ前へ行って、どうしても大股になりがちでした。所作の先生に何度も注意されて、小股で走っているつもりでも、気持ちと足がなかなか一致しないのが難しかったです」。

――そもそも着物だと走りにくくなかったですか?

「それはなかったです。『ちはやふる-結び-』で袴でかるたをしていたから、そのときに比べたら楽でした(笑)」。

――時代劇ならではの面白みもありました?

「難しさのほうが大きかったかもしれません。でも初めて太秦で撮って、知らなかったことがいっぱいあったので、勉強になりました。京都のスタッフの皆さんが本当にやさしくて、着物の着方やたたみ方なども丁寧に教えてくださいました」。

――隠密の凛ノ介への八重の想いは、ただの恋心とは違う感じがしました。

「八重は亡くなったお母さんと同じ病気で、自分もいつか、近々か先かはわからないけど、死んでしまうことに怯えていたのが、凛ノ介と出会って、初めて『もっと生きたい』と思うようになったんです。心を閉ざしがちだったのが、前向きになりました。凛ノ介のほうも隠密という仕事柄、人を殺すことに抵抗なかったのが、八重に出会って人間らしく躊躇するようになったから、お互い良い出会いだったと思います」。


 
 

一瞬で好きになる運命の出会いは
わからないことはありません(笑)

 
 

――お祭りでぶつかって……という出会い方は、時代に関わらず女子の夢ですか(笑)?

「『運命の出会い』みたいな? でも、時代劇ならではの気がしました。現代でも、ぶつかって出会ったりするのかな?」。

――アニメとかではよくありますね。

「確かに。あんなふうに恋が始まるのはいいですね(笑)。一瞬で好きになって……」。

――そういうことって、実際あると思います?

「私も(『名探偵コナン』の)コナンくんにひと目惚れだったので(笑)、わからなくはないです。直感で『この人いいかも』と思って、相手のことを知っていくとやっぱり良い人で、好きになるわけですよね」。

――八重と凛ノ介もそんな感じでしたかね?

「きっとそうです。柳の下のシーンで、心を閉ざしていた八重が、凛ノ介にきっと初めて『この人になら話せる。話したい』と思ったのは、凛ノ介に一瞬で心を開かせる魅力があったんでしょうね」。


――八重が「私を連れて逃げてください」と言うのは、切実さがありました。

「はい。心の声だったと思います」。

――凛ノ介からもらった手ぬぐいを握り締めて「凛ノ介様、凛ノ介様……」と繰り返し名前を呼んだりもしていました。

「廊下みたいなところで言ってましたね。あそこも時代劇っぽい感じがしました。台本では『凛ノ介様』って1回だけだったんです。現場で監督に『だんだん想いを乗せていって』と言われて、あのシーンになりました」。

――終盤は怒涛の展開になりました。

「普通なら切迫して駆け寄るようなところでも、八重は筆頭家老の娘で育ちが良いから、そうはならないんじゃないかと監督と話し合ったんですね。でも、『立場や育ってきた環境も忘れてしまうこともないか?』というのもあって、どこまで崩していいかが難しかったです」。

――そういう八重のような役だと、現場でもずっと静かにしていたんですか?

「比較的、静かだったと思います。いつもだったら結構ハッチャケたり、うるさくしちゃうんですけど」。


――他の作品では「休憩中にテニスをして、1人だけずっと空振っていた」とか、毎回エピソードを聞きました。

「今回はそういうのはありません。凛ノ介役の犬飼(貴丈)さんが現場ですごく集中されていたので、見ていて私も『しっかり八重と向き合おう』と思って、演技のことだけを考えていました」。

――凛ノ介に掛けられた言葉に八重が涙ぐむシーンもありました。美青さんも涙が出るほどうれしかったひと言とか、何か覚えがありますか?

「私は涙もろいですから。『なぜ泣くの?』みたいな何気ないことで、泣いてる気もします(笑)。『ママレード・ボーイ』の撮影では、監督がまったく誉めてくれなかったんですけど、全部撮り終わったときに『良かったよ。頑張ったね』と言ってくれて泣きました」。


――ところで福島出身の美青さんは、東京の夏の暑さは厳しく感じます?

「福島も意外と暑いんです。『涼しそう』と言われますけど、そんなこともなくて、東京のほうがむしろ涼しかったりもします」。

――へーっ。そうなんですか。

「今年は夏っぽいことを何かしたいです。バーベキューをやりたいんですけど、どこでやればいいのかわかりません(笑)。友だちと『やりたいね』と話していても、毎年『どこでやるの? 川? 海? 道具はどこで揃えるの?』みたいになって、結局諦めます(笑)。でも、今年こそはやりたいです」。

 
 


 
 

優希美青(ゆうき・みお)

生年月日:1999年4月5日(20歳)
出身地:福島県
血液型:O型
 
【CHECK IT】
2012年に「第37回ホリプロタレントスカウトキャラバン」でグランプリを受賞。2013年4月にドラマ「雲の階段」(日本テレビ系)で女優デビュー。主な出演作は映画「空飛ぶ金魚と世界のひみつ」、「でーれーガールズ」、「ちはやふる-結び-」、「ママレード・ボーイ」、「うちの執事が言うことには」、ドラマ「あまちゃん」(NHK)、「マッサン」(NHK)、「デスノート」(日本テレビ系)、「僕だけがいない街」(Netflix)など。映画「GOZEN-純恋の剣-」は7月5日(金)より全国ロードショー。「WALKING MAN」が10月11日(金)より公開。
詳しい情報は公式HPへ
 
 

「GOZEN-純恋の剣-」

詳しい情報は「GOZEN-純恋の剣-」公式サイトへ
 
 

 

 
 

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